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まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第一章 バシレイア
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それぞれの道

 じゃあ、そんな親父さんのことを知り、長年続いた蟠りが消えた今、あいつは何を考えているんだろう? 

 そう思うと、ちょっと聞いてみたくなった。


「そっか……なぁ、お前はこれからどうすんだ? 親父さんの遺志を継いで、次期村長になんのか? そうじゃねぇなら、いっそ仲間にならねぇか? お前なら歓迎すっぞ」

 そう聞かれて、ラーサーは少し黙ってから、


「……お気持ちは嬉しいのですが、大口を叩いておいて足を引っ張ってしまった僕では、同行したところで足手まといになるでしょう。なので、僕は王都に戻ろうかと」

 と、予想外の答えを返した。

 これには俺とまーちゃんだけじゃなく、メールさん達ホリオ村のみんなも少し驚いた。


「どうしてですか? もしかしてまだ蟠りが?」


「そんなんじゃない。確かに、入隊を志願した時はそう思っていた。あんな父親の尻拭いなど、誰がするものかと。だが、今は違う。今回の一件で、僕が思っている以上に国は腐敗していた。このままでは、バシレイアは魔王の手にかかる前に、自滅することになるだろう。それは流石に困る。こんな国でも、僕が生まれ育った祖国だから。だから僕は、愛するこの国を守りつつ、政治に介入して、内側から変えるために騎士団長になろうと思っているんだ」

 そういうことか。ラーサーにしては思い切ったいい夢じゃねぇか。


「なるほどな……でも、ほんとにいいんだな? あとで『仲間にしてください』って泣きついても知らねぇぞ?」


「大丈夫です。そんなこと、口が裂けても言いませんから」


「けっ、相も変わらず生意気な奴。けどまぁ、その方がお前らしいか」

 そう言って俺は、頭を掻いてから照れくさそうに、手を差し出し、


「まぁ、その、なんだ……頑張れよな」


「えぇ。あなたも」

 と言ったラーサーと握手をした。

 ラグナヴェルトに来てからこいつとは色々あったが、今回のことで、少しは距離を縮めることができたかな?


「よし。じゃあ行くか! まーちゃん」


「はい」


「んじゃ、メールさん達。またいつの日か!」


「えぇ。お達者で」


「さようなら勇さん。それと、今まで無礼なことを言ってしまって申し訳ありません! また会いましょう!」


「おう! そん時はお互い、出世してような。じゃあなー!」

 俺達はそう言いながら手を振り、ホリオ村を後にした。


 この別れは今生の別れじゃない。互いに進むべき道を進み、その先で再会する。その誓いのための別れだと、俺は信じてる………………

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