聖龍草がつなぐ想い
2日後。再発の心配がないことを確認した俺とまーちゃんは、ギルディア大陸を目指すべく、祭りが終わり、いつも通りの尊い日常を取り戻したホリオ村を発つことにした。
それをメールさんか誰かから聞いたんだろう。村人総出で俺達を見送りに来てくれた。
「この度は、本当にありがとうございます。おかげで村が救われました。これ、少ないですが……」
メールさんはそう言うと、小袋を渡してきた。確認してみると、中には10枚の金貨と1本の聖龍草が。
「こんなに……それに聖龍草まで! いいんですか?」
「えぇ。あなた達は村を救ってくれた恩人ですから。聖龍草も余ったものですので、お気になさらず」
信じらんねぇ。こんなに貰えるなんて……他人の感謝の心に触れた俺は、嬉しく思った。
そう思うと、あの国王のドケチっぷりが余計に際立ってくる。てめぇこそ税収云々抜かしてるヒマがあったら、メールさんやホリオ村のみんなの爪の垢でも煎じて飲みやがれってんだ。
「また、いつでもいらしてくださいね。その時は盛大に歓迎いたします」
「そいつは楽しみだ。これは意地でも生き残らねぇとな。まーちゃん」
「ですね。それまでメールさん達もお気を付けて。もしまたヒドラ病が蔓延した時に、勇者様がいるとは限りませんし」
「そのことなら心配はいらない」
そう言うとラーサーは、あるものを取り出した。
それはあの時、ラーサーの親父さんの死体が握り締めていた枯れた聖龍草。俺とまーちゃんが群生していた聖龍草を採取してる間に、回収してたのか。
「あの後調べてみたら、中に種が入ってました。なので、これを元に栽培すれば……」
「半永久的に聖龍草が採れるってわけか」
「えぇ。幸い、栽培方法は父が確立させていたようなので、それを元にすれば可能かと」
そうなりゃ村で使う分だけじゃなく、世界中に売れるほど採れることになるか。村の名産にして利益を生み、村を豊かにする。ラーサーの親父さんはやっぱり、最後の最後まで村のことを思ってたんだ。




