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まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第一章 バシレイア
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再臨

 なんて強がりながら、地ビールを味わっていると、背後から女の声がした。


「どうですか? 勇者として、人の役に立った気持ちは」


「……正直、忘れてたよ。人に感謝されるのって、こんなにいいものだったんだな」

 柵の向こうは村の外だから、絶対に村娘ではない。それに、この声……聞き覚えがある。

 が、ここは敢えて一旦スルーし、話を続けよう。


「そうでしょう? 人を助けることは素晴らしいことなんです。人相が悪くて避けられ続けてきたあなたからすれば、幼少期以来だとは思いますが」


「まぁな……で? 何しに来たんだ? メタ精霊」


「むぅ、折角忙しい中、会いに来てあげたというのに、なんなんですか? その言い草は。あと、メタ精霊はやめてください。失礼ですよ」

 そこにいたのは、エルフィニアだった。


「うっせぇ。お前なんかそれで十分だろ」


「相変わらずの態度ですね。私が何かしました?」

 答える気にもならねぇ。てめぇの胸に聞きやがれ。


「まぁ、それはそれとして……勇者の剣の力を解放することができたようですね。よくできました。えらいですね」

 『よくできました』って、俺は幼稚園児か。


「まぁな。ってか、やっぱ知ってたのか」


「えぇ。エネルギーの残滓がオーラとなって、勇者の剣を覆ってますから」


「そうかい。じゃあ今後も、イメージさえすれば、色んな属性攻撃ができんのか?」


「できることはできますが、そのためにはまず、経験値を積んでいただかないと。火属性は言うなれば初歩の初歩。多くの属性を使いこなし、複数属性の斬撃ができるようになるのは、まだまだ先かと」

 マジか。あんだけの威力があって、まだ初歩の初歩かよ。思った以上に末恐ろしいな。勇者の剣。


「もっとも先代勇者様は、属性を補助に使う程度で、ほとんどそれに頼ることなく、腕っ節一つで魔王と戦っておられましたが」

 そいつはすげぇ。俺なんか火を使って、やっとこさあいつを倒せたのに、ほぼ無属性で魔王に挑めるレベルとか、ほんとに人か?


 そう率直に思ったところで、王と謁見した時のことを思い出した俺の脳裏に、()()()()が浮かんだ。


「ん? そういや、エルフィニア。この世界に魔王が現れたのって、数千年前からだったよな?」


「えぇ」


「だけど、あの王様は『魔王が再臨してから数百年』って言ってた。それってつまり、魔王は最低でも一回は倒されたってことだよな? なのにまだいるって、どういうことなんだ?」

 そう尋ねると、エルフィニアは嬉しそうな顔をした。


「いい質問ですねぇ。意外と賢いじゃないですか」


「意外とは余計だ。あと、そのセリフ。モノマネだとしたら、全然似てねぇからな」


「もう。精霊の主のちょっとした茶目っ気じゃないですか」


「そういうのはいいから、さっさと答えろ」

 そう言われると、エルフィニアはふて腐れながらも、魔王について答えてくれた。

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