帰還を祝して
無事、聖龍草を採集し、洞窟から脱出した俺達は、その足で村に帰還した。
依頼を達成したことを報告し、聖龍草を渡すや否や、メールさんは首がとれるんじゃねえか? と思うぐらい何度も頭を下げて、感謝してくれた。
「ありがとうございます。勇者様! なんとお礼を申したら……!」
「いいから、おっ母! 早ぐ薬を!」
「あ、そうね! では、失礼します」
そう言ってメールさんは、特効薬を作るべく足早に自宅へと帰っていく。
「あの、勇者様。私もお手伝いに行ってもいいですか?」
「あぁ、そうだな。メールさん1人じゃ、数が多すぎて大変だろうし。わかった。行ってこい」
「はい」
そう言うと、まーちゃんはメールさんを手伝いに後を追いかけていった。
これで村は救われる。そう思い、一安心した俺とラーサーは、互いの健闘を讃えるように、拳を合わせた…………
その夜、ホリオ村では村人全員の完治を祝し、盛大な祭りが行われていた。
今も休まず働いているメールさんとまーちゃんが調合した薬は、効果が抜群らしく、服用した人達は、今や何事もなかったかのように、祭りを楽しんでいる。
ラーサーいわく、元々宴好きな村民性だったらしい。まぁ、病で引き篭もってるよか、こっちの方が100倍いいわな。
で、そのラーサーはというと、今は酔い潰れてダウンしている。
村人達に『村を救った英雄の1人』と持て囃されて、オッサン集団からの『飲め飲め』コールを断り切れずに、一口だけ飲んだらこうなった。
あいつ、酒に弱かったんだ……ってか、こいつそういえば、まだ15、6だった気が……大丈夫なのか?
かく言う俺は、勇者であり村を救った英雄ってことで、途中まではチヤホヤされてたんだけど、こんな顔だし、村人達の気質もあってか、終わりが近付きつつある今となっては、どんちゃん騒ぎを肴に、村を囲む柵を背にして酒を飲んでいる。
べ、別に相手がいなくて寂しいなんて思ってねぇからな! そこんとこ間違えんなよ!




