箱の中身は何だろな?
洞窟に入ってからも、立て続けにモンスターに襲われた俺達だったが、俺の猛攻と兵士であるラーサーの高い防御力、それとまーちゃんの援護もあって、順調に進んでいた。
(にしても、メールさんの言うとおりだったな。敵がもれなく毒攻撃を仕掛けてきやがる。まーちゃんが防毒マスクを買ってきてくれてよかったぜ)
そう思いながら、防毒マスクの有り難みを噛み締めていた俺は、そのことについて重大なことに気付いた。
まーちゃんが買ってきた防毒マスクは2つ。俺らだけで行く予定だったし、そもそも3つも買う余裕なんてハナからない。
ということは必然的に、ラーサーだけが毒耐性ゼロの状態ということになる。
「おい。ラーサー。お前、前衛なのに防毒マスクなくて平気なのか?」
「あ、そうですよね。私の物でよろしければ、使いますか?」
そう言ってまーちゃんは、自分が後衛というのもあって、ラーサーに防毒マスクを渡そうとしたが、丁重に断られた。
「ですが……」
「毒攻撃など、予兆を見切ればどうということはない。それに……そこの勇者に心配されるのは、無性に腹が立ちますので」
「は? てめぇ、そりゃどういう――!」
あまりの言い様にカチンときた俺はぶん殴ろうとしたが、ラーサーにとっては些細なことらしく気にも留めない。代わりに奴は何かを見つけたらしく、足を止めた。
「それより、勇者様。あそこにあなたが好きそうな物がありますが、どうしますか?」
「あ?」
そう言って松明に照らされた方を見てみると、木と鉄でできた宝箱があった。
(出たー! RPGのド定番! 何故かそこにある宝箱!)
怒りを忘れるほどの興奮を覚えた俺だったが、だからこそ、ここは1度冷静になる必要がある。
というのも、こういった物には大抵罠が付き物だからだ。開けてアイテムが入ってるだけならそれで良し。しかし、〇ミックやトラップのスイッチだったりしたら、それこそシャレにならない。
おそらく、今の俺達がそんなのをくらったら、確実に全滅するだろう。
だから、逃げ道を確保して事に当たる必要が……ん? 待てよ? よく考えたら、うちにはあいつがいんじゃん。てことは――
「なぁ、まーちゃん。一応聞くけど、宝箱の鑑定とか透視とかってできる?」
「透視はできませんけど、鑑定ぐらいなら」
そうとわかれば話は早い! 早速まーちゃんに宝箱の鑑定をしてもらった。まーちゃんいわく、コツは不自然な木目とか呼吸音が無いかをギリギリの距離で見極めることだそうだ。
「うーん……どうやら大丈夫そうです」
「そっか。じゃあ、オープン!」
そう言って俺は、勢いよく宝箱を開けた。
中には、無銘の脇差が1本だけ入っていた。
宝箱自体に、腐敗防止の術式か薬品でもかけられていたのか、新品と遜色ないほど綺麗な刃をしている。
「昔の勇者様が、不要になって入れたのでしょうか?」
「かもな。いずれにしても、俺にとってはありがてぇ。こっから先、木刀じゃきつかったかもしんねぇからな」
そう言って俺は、まーちゃんのリュックに木刀を入れてもらい、脇差を装備した。
「よかったですね。さ、行きますよ」
「おう。って、なんでお前が仕切ってんだよ。コラ」
ラーサーにツッコミを入れたあと、俺達はさらに奥へと進んでいった。
脇差(物理攻撃力7)を入手




