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まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第一章 バシレイア
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最初の魔法は

 村を出て北上すること数十分。俺達は目的の洞窟に到着した。

 中は薄暗く、漆黒の闇に包まれた奥からは、水の滴る音と魔物の鳴き声だけが聞こえてくる。


(ダンジョンの定番とはいえ、元の世界にいた時なら、絶対入らねぇな。こんなとこ)


「どうしたんですか? さっさと入ってください。まさかとは思いますが、ビビってるんですか?」


「誰がビビるか! いいか? 勇者って字はな『勇ましい者』って書くんだ。その称号を持つ俺が、こんな程度の洞窟にビビるわけ――」

 ラーサーにそう言い返し、俺は洞窟に足を踏み入れた。その直後、中から蝙蝠の大群がブワーッと現れ、俺達に襲いかかってくる。

 思わぬ奇襲に驚いた俺は、多少の手傷を負ったものの、まーちゃんとラーサーと協力して、辛くも撃退した。


(び、びっくりしたー! 急に襲ってくんなよな)

 我武者羅に剣と木刀を振り回したことで、息を切らしながら、心の中で蝙蝠に文句をつけていると、頭の中に何かの呪文が流れ込んでくる。

 その内容に、俺はある可能性を感じた。


(これって……)


「ん? どうしました?」


「いや……」

 そう言って俺は、ふと、まーちゃんに目をやる。その腕には、さっきの蝙蝠にやられたと思われる傷が。


「まーちゃん、ちょっと腕出してくれ」


「え? いや、いいですよ。この程度、ただの掠り傷ですから」


「いいからいいから。微々たる程度とはいえ毒に冒されてるかもしんねぇし、こっちもちょっと試したいことがあるから」


「は、はぁ」

 そう言うと、まーちゃんは腕を俺の方に向けた。その腕に俺は手を翳し、


「……回復の光よ。かの者の傷を癒やせ……【ヒール】!」

 と、詠唱した。

 すると、まーちゃんの傷口が見る見るうちに塞がっていった。


「これは!」


「あぁ、思った通りだ」

 俺は念願の魔法。それも回復系魔法の【ヒール】を覚えていた。どうやらさっきの蝙蝠戦で、経験値が一定に達したらしく、それで会得したみたいだ。

 てことは、今後も根気よく戦っていけば、一定のタイミングで新しい魔法や技を覚えるかもしれない。俺は歓喜した。


 その喜びようを見ていたまーちゃんは、素直に祝福してくれたが、冷血野郎であるラーサーは、


「感動しているところ申し訳ありませんが、先を急ぎましょう。こうしてる間にも村は存亡の危機を迎えているんですから」

 と、冷徹な言葉を浴びせてきた。

 チッ、んなことはわかってるよ。けどな、こっちは初めて魔法を覚えたんだぞ? ちったぁ浮かれてもいいだろ?


 そう思いつつも、俺達はまーちゃんが持参していた松明に火を灯し、洞窟の中へと入っていった――――

 勇は【ヒール】を覚えた。


 ・【ヒール】についての説明

 あらゆる傷や状態異常を癒す回復魔法。

 この世界には、これ以外の即時回復魔法は存在しておらず、消費するMPの量によって、回復量が変動する(最大で全回復)

 消費MP1~100 (回復量によって変動)

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