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まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第一章 バシレイア
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予想外

 調査してみると、ヒドラ病の恐ろしさが身に染みてわかった気がする。

 窓から家の中を覗いてみたら、ほとんどの家で、みんな紫がかった痰を吐き散らかし、毛穴という毛穴から血を出している。


(こりゃ、一刻を争うな)

 言いようのない危機感を募らせた俺は、洞窟の詳しい位置を聞き、必要な物を買い揃えてきたまーちゃんと合流し、いざ、その洞窟へと向かおうとした。


 すると、


「いいから、うちで大人しくしててくんろ!」

 という田舎訛り全開の怒鳴り声が、村の入口の方から聞こえてきた。どうやら誰かがメールさんと言い争いをしてるらしい。


(てか、あれ? 今の声って……)

 その声に聞き覚えがあった俺は、まさかと思い行ってみると、案の定、


「あ、やっぱりそうだ! ラーサーじゃねぇか!」


「ん? 勇さん。まだこの村にいたんですか。てっきりもう旅立ったものかと」

 そこには、バシレイアにいるはずのラーサーがいた。


「相変わらずの減らず口だな。てめえって奴は。こっちも色々と準備が必要だったんだよ。それよりラーサー、さっきの方言」

 そう言われて、ラーサーは顔を真っ赤にした。あー、やっぱ聞かれたくなかったのね。


「よりにもよって、この人に聞かれるとは……不覚です」


「そういうもんじゃないよラーサー。勇者様に向かって」


「おっ母は黙ってけろ!」


「おっ母って……え!? お前もしかして、メールさんの息子!?」


「もしかしなくてもそうです」

 へー。つーことは、ここはラーサーの地元でもあるわけか。なるほどなるほど……ん? てこたぁこいつ、地元のピンチより仕事を優先したのか?


「お前、俺が『来るか?』って誘った時、断ったよな?」


「えぇ。ですから、さっさと仕事を片付けて、こうして馬で駆けつけたんです」

 あっそ。本当に気にかけてんなら、仕事ほっぽってでも来ると思うけどね。普通。


「それで、ラーサーさんはどうしてここに?」


「国王からの返答を、村長である母に伝えに来たんだ」


「あの王様から? 内容は?」

 俺がそう聞くと、メールさんは俯いて、


「救援要請を拒むという、内容です」

 と、蚊の鳴くような声で答えた。


 ラーサー親子が言うには、メールさんはヒドラ病が流行し始めた頃から、バシレイア城内に備蓄してある聖龍草を送ってくれるよう、再三に渡って要請していたらしい。

 が、あろうことかバシレイアはそれを拒否した。『税収の少ない村に渡す聖龍草は無い』たったそれだけの理由で。

 もし、それが本当なら、バシレイアはこの村を見捨てたってことになる。

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