特技について
翌朝。出発した俺達は、まーちゃんが持ってた地図を頼りにホリオ村へと向かった。
道中、スライムやゴロツキ、巨大ネズミなんかに襲われたが、今更そんな雑魚に遅れをとるはずもなく、ほとんど俺1人の力で退治した。
おかげで銅貨も30枚ぐらい貯まったし、薬草もあらかた採れた。そっちは問題ないだろう。
問題は俺のスキルの方だ。
エルフィニアが前に言ってた『1ターン』が10秒ぐらいなのは、戦ってる内になんとなくわかってきたから、これはよしとしよう。
だが、魔法や特技が閃いてこないのはいったいどういうことだ? 最初のスライムから数えて、もう2~30体は倒したはずだぞ? まさか、特技や魔法は自力で編み出せって言うんじゃないだろうな? だとしたら、なかなかの茨道だぞ。
「うーん……」
「どうなさいましたか? 勇者様」
「いや、このまま特技や魔法を身に付けられなかったら、戦闘とか回復とか色々と苦労しそうだなぁって思って」
「あ、それならご心配なく。こう見えても私、調合学もかじってまして、素材さえあれば、回復薬から爆弾、採掘道具等ありとあらゆる物を作ることができます」
マジか。戦闘はともかく、支援最強じゃん。正直、商人なめてたわ。
っと、いかんいかん。いつまでもこいつに頼ってちゃダメだ。早いとこ俺も回復魔法とかちゃんとした特技を身に付けないと。今のところそれらしい特技っつったら、スポーツチャンバラで鍛えた動体視力をフルに使ったカウンターぐらいしかねぇし。
なんて思ってると、まーちゃんはピタッと足を止め、
「あ、それより勇者様。見えてきましたよ。あれがホリオ村です」
と言って、前方を指差した。
そこには、いかにもRPGの序盤に登場しそうな小さな村が。
(あれがそうか。ぱっと見、異変が起こってるようには見えねぇけど……ま、行きゃわかるか)
そう軽く考えてた俺は、変わらぬ足取りでホリオ村へと歩みを進めた――――
現在の所持品……薬草8束 解毒薬1瓶 寝袋 僅かな食料




