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まーちゃんとクエスト!!  作者: 天馬光
第一章 バシレイア
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やっぱり最初はお前か

 当てもなく彷徨うことおよそ1時間(あくまで俺の体感だけど)。ここまで運良く魔物と遭遇しなかった俺は、道すがら綺麗な川を発見し、そこの水で久々に喉を潤した。


(生き返る~)

 そんな風に思いホッとしていると、ふと、あることに気付いた。もしかしたら、この川に沿って行けば、町に着くかもしれない、と。

 特にこれといった根拠は無いが、このままフラフラ歩いているよりかは遥かに建設的だ。

 となれば、行動あるのみ。俺は口を拭い、上流を目指して進もうとした。


 その時、背後の茂みからガサガサと何かが近付いてくる音がした。人や獣の足音にしては、明らかに音が小さいし、独特の音が混ざってる。俺は嫌な予感がしつつも、音がする方を振り向いた。


 案の定、そこにいたのは半透明の液体生物みたいな奴。RPG定番のザコモンスター・スライムだった。

 長年愛され続けているモンスターとの遭遇に、ご本人登場みたいな感じがして、多少感動すら覚える。


(っと、いかんいかん。油断大敵だよな。こいつがザコなのは、あくまでゲームの中の話。溶解液とか吐かれたりしたら、骨まで溶かされねぇよな)

 とはいえ、こいつぐらいから肩慣らししとかないと、もっと強い魔物と出くわした時に対処できなくなる。俺は警戒しつつ、スライムとの初戦闘に挑んだ。


 注意深く観察しようと身構える俺に応えるように、スライムは先制攻撃をしかけてくる。

 といっても、体当たりは遅いから余裕で避けれるし、当たったところでダメージも0。警戒していた溶解液も、着ていたリクルートスーツの一部が溶けて、肌が少しピリッとする程度で大して痛くない。

 つまり、何が言いたいかっつーと……


「結局ただのザコじゃねぇか!」

 俺は警戒しすぎていた自分への怒りをこめて、スライムをぶん殴った。

 特有のぬめりに気持ち悪さを感じたのも束の間、スライムはシャボン玉が割れるように弾け飛び、消滅した。どうやら倒したらしい。パンチ1発で撃破って、どんだけ弱いんだよ。


 後に残ったのは、鈍い輝きを放つ1枚の銅貨。どうやらこれが、この世界共通の硬貨らしい。どれぐらいの価値があるかはわかんねぇけど、あるに越したことはない。俺はズボンのポケットにそれを入れた。


「あばよスライム。お前の死は、決して無駄にはしない。お前からもらった微妙な経験値と小銭は、ありがたく有効活用させてもらうよ」

 倒したスライムに合掌し、別れと皮肉を述べた俺は何事もなかったかのように、先を急いだ――

 広岡勇(Lv1)のステータス

 HP……20

 MP……0

 物理攻撃力……10

 物理防御力……6

 魔法攻撃力……0

 魔法防御力……1

 素早さ……5

 命中……5

 運……3

 数値に関しては、なんとなくこれぐらいかなと思っていただければ幸いです。


 ・初期装備

 リクルートスーツ

 革靴

 鞄


 ・特技……【カウンター】 【がむしゃら斬り】


 蛇足は承知の上ですが、今後も新規参入した時など、要所要所で掲載します。

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