意外な才能
なんてことを言ってると、更なる災難が向こうからやってきた。
さっきとは比べものにならない量の砂が隆起したかと思うと、現れたのはオートマタ共が赤子に見えるほどデケぇ機械のサイクロプス。あまりの図体に、俺達はあんぐりとする。
「な、なんじゃこりゃぁっ!」
「あれは……マキナゴーレムです! 気を付けてください! かつて都市防衛と大規模破壊を目的として作られたあれの装甲と火力は、オートマタの比ではありません!」
「ご丁寧に説明どうも!」
とか言ってる場合じゃねー! 奴はハンドプレスをしたかと思うと、胸部の装甲を開放して、主砲クラスのエネルギー砲をぶっ放してきやがった。
なんとか3人共回避できたから良かったものの、あんなのまともにくらったら、影すら残らねぇ。
だが、あいつを倒さねぇことには、突破もできなさそうだ。意を決した俺は、【モード・アクアセイバー】状態の勇者の剣で真っ二つにしようと唐竹割りをした。しかし、装甲に刃がはじかれてしまい、全く効いてる様子がない。
続いてまーちゃんも爆弾を投げるが、装甲を軽くヘコましただけで、こちらも微々たるダメージしか与えられていないようだ。
「チッ、なんつー堅さだ」
「なんとか装甲の薄いところを突ければいいんですが、それがわからないとなると……」
まーちゃんの言うとおりだ。機械である以上、奴の内部にはデリケートな部品が満載されてるはず。それさえ壊しちまえば、いくら奴でも機能を停止するはず。
問題は、堅牢な装甲に守られているあいつ相手に、どうやってそれを為すかだ。比較的威力が高く効果的な【モード・サンダーブレード】で攻めるのが1番ベタなんだろうが、それでも、あの装甲をなんとかしないことには……
と、対処に困っている俺達を見て、ドラ坊は力になりたいと思ったのか、何かを探してあたりをキョロキョロしだした。
(おいらだって、おいらだって役に立つんだ! 今度こそ、アニキの役に立ってみせるんだ!)
そういった思いがあったのだろう。そうして必死に探してる内に見つけたのは、1本のボルト。俺が倒したオートマタの腕関節を止めていた部品だ。
ドラ坊はすぐさまそれを拾うと、渾身の力で、マキナゴーレムの目ん玉目がけて投げつけた。
ドラ坊からマキナゴーレムまではなかなかの距離があり、奴のデカさや砂漠故の足場の悪さとかといった悪条件も重なっていたはず。にもかかわらず、ドラ坊が投げたボルトは正確に奴の目に命中し、ショートによる小規模な爆発を引き起こした。
「よし! 狙い通り! アニキ、今だぞっ!」
「お、おう! 【モード・サンダーブレード】!」
そう言って勇者の剣を帯電させた俺は、マキナゴーレムの腕を踏み台にして接近し、
「これでもぉ……くらいやがれーっ!」
と、叫びながら、ドラ坊が破壊してくれた目ん玉に剣を突き刺すと、ありったけの電気を流し込んでやった。
内部から高電圧の電気を浴びせられたマキナゴーレムは完全にぶっ壊れたらしく、やがて煙を出して倒れ込んだ。
これで最大の脅威を払拭できた。なら、もう長居は無用だ。
「よっしゃ! 行くぞ2人共! 走れっ!」
そう指示を出した俺は、まーちゃんとドラ坊を連れて急いでカラクリだらけの包囲網を突破した。
ドラ坊(Lv1)のステータス
HP……10
MP……20
物理攻撃力……2
物理防御力……18(装備による加算あり)
魔法攻撃力……3
魔法防御力……5
素早さ……19(装備による減少あり)
命中……20
運……2
・初期装備
鉄の鎧(物理防御力10)
鉄の小手(物理防御力7 素早さ-1)
・特技……【投げる】 【ファイアブレス】 【放電】




