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布団


「おはよう」

「よく寝た」

「うん、寝た」

「おはよう」

「寝たよねー」

「ぐっすり」

お父さん、カイル兄、私、お母さん、お姉ちゃん、ルー兄の朝起きた時の一言だ。

やっぱり皆も今までは寝ている時痛かったんだ。シロフのゴザ布団を頑張って作って良かった。


「マークさんにもらった布は掛け布団用だったな。シロフはその中に入れるんだよな」

「うん。今は秋のはじめだからまだ寒くないけど冬になる前に布団を作りたい」

お父さんに聞かれて答える。

掛け布団が二枚しかないから去年はちょっと飛び出ちゃったからね。


「じゃあ、またシロフを取りに行かないと」ルー兄

「この前固かった実がきっともう爆ぜてるよ」カイル兄

「お母さん、今日は行けそうかな」お父さん

「大丈夫よ。この前も午前中で終わったから、畑は昼から行くわ」お母さん

「今日、行こう」お姉ちゃん

「うん」私


籠を背負い森に向かう。この背負い籠もこの前の村会議で作り方を聞かれたとお父さんが言っていた。お母さんが先生になって、と言っても籠は先に作っておいてもらったので背負い紐と軽い籠の作り方を説明して終わった。

今日、背負い籠を使っている人に会った時、とても使いやすいと言っていた。


「お父さん、シロフの事はどうするの」

カイル兄がシロフを籠に入れながらお父さんに聞いている。私も聞きたかった事だからカイル兄の方へ寄って行くとお母さんもお姉ちゃんもルー兄も来ていた。


シロフを収穫しながら話をする。

「次の村会議の時に話そうと思っていたが、まだ半月以上あるからなぁ。そうするとシロフが硬くなってしまう。明日にでも村長に相談してみるか」


「そうね。せめてゴザ布団があれば冬がいつもより暖かいと思うわ」



村長さんに話をする時、ゴザ布団は運ぶのが大変だから来てもらうことになった。今は奥の部屋のゴザ布団の上に座ってお父さんとお母さんと話をしている。あれ、村長さんが寝転がって色々な向きに寝だした。見てはいけないやつだよね。お父さんとお母さんも苦笑いだ。


掛け布団用のシロフの干したものがあるから触って感触を確かめている村長さんは顔がにやにやしている。ふわふわだからそうなっちゃうよ。


ゴザ布団を見た後、村長さんと決めたのは

緊急で村会議を開く(シロフの白い実のある時期がもうあと少しだから)事。

そして村会議でシロフをどれくらい取るか決める事。取りすぎて来年から無くなってしまうと困るから。






お父さんが緊急村会議から帰って来た。

「お父さん、どうだった?」

村会議で何が決まったか知りたかったからお父さんが帰ってきて直ぐに聞いたら

「ただいま、えーと、後ろに村の皆がいる」

お父さんの後ろにおじさん、おばさんがいた。

「えっ」

「ゴザ布団が見たいそうだ」

「「「「「あぁ」」」」」

家族皆、納得。


2、3人ずつ家に入ってきてゴザ布団に座ったり寝たり、干したシロフを触ったりしていた。

「なるほど」

とか

「お、いいなぁ」

など、聞こえる。


おじさん、おばさんが帰るとお父さんが村会議で決まった事を教えてくれた。

2日後、ゴザ布団を作りたい人がシロフを一緒に取りに行くが来年のために取り過ぎないように村長さんが気をつける。

その後、お母さんが種を取り出し、洗い、ほぐすを説明する。


収穫しなかったシロフはだんだんと黒くなって薪に使えるようになるけれど、今年は薪として収穫する時に黒い実は落としてくる事になった。


そして、内緒にするつもりはないが村の人優先で布団を作りたいので売る事はまだしないと決まったそうだ。

村の人の分が出来上がれば売る事も考えているみたい。


我が家は掛け布団用のシロフをもう収穫したから今年のシロフはこれで終わり。洗ってほぐしたシロフを袋に縫った布に平らになるように詰めていく。いい感じに出来たと思う。




秋、商人のマークさんが安い布を7枚持ってきてくれた。村の皆で相談してそれぞれ一枚ずつ7件が買い取った。私の家が頼んだ物だからと言ってくれたけれど、春に布を譲ってもらったので今回はやめた。

村長さんがマークさんに春にはもっと沢山の布を持ってきて欲しいと頼んでいる。


「何を作っているんですか」

マークさんに聞かれてシロフの布団の事を話し、秘密ではないけれど今は売れない事に納得してくれた。売る時は是非言って欲しいと言っていた。


今回もマークさんは柄入り籠や薬草など沢山買ってくれた。




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