僕とアル 01
「それでは行ってきます!」
翌日、討伐に出発する3人を見送るためロレンス草原へと続く道まで来ていた。
ギルドで顔を合わせた時の軽装と違い装備を整えたビオラさんたちは逞しく見えた。
「お気をつけて!」
町の外へと歩き出した背に声をかけるとビオラさんが笑顔で手を振ってくれた。
対照的に他の2人は全く振り返ることなく去っていった。
「無事に帰ってきてくれるといいですね。」
一緒に見送りに来たアルが僕の顔を覗き込みながら言う。
「っ、そうだね。」
美少女に至近距離で見つめられることなど前世では無かったので、思わず後退る。
赤くなった顔を見られないようにカルミアの方に体を向ける。
「フラン君が待ってるし、早く帰ろう。」
思わず早足で帰ろうとすると、後ろからフギュッという声と派手な音が聞こえた。
驚いて振り向くと、アルがうつ伏せに倒れていた。
「アルっ!」
慌てて駆け寄って起き上がるのを手伝う。
「大丈夫?」
見たところ砂埃に塗れてはいるものの、ケガはなさそうだ。
「はい・・・・。大丈夫です。」
耳がしおれており落ち込んでいるのが分かりやすい。
「ごめんね。俺が先に帰ろうとしたから焦らせちゃったよね。」
汚れてしまったアルの右頬を服の袖で拭う。
「ありがとうございます。」
その笑顔が可愛くてまた目を合わせれらなくなる。
「トーヤさん?」
不安そうな声にハッとする。
アルの顔を伺うと涙目になっていた。
「やっぱり痛かった?どこ?」
見た目では問題なさそうだけど、どこが痛むんだろう。
「・・・・んで。」
え?
聞き取れず耳を寄せる。
「なんで、こっちを見てくれないんですか!」
突然の大声に思わず身を引くと、アルはその距離を埋めようと近づいてくる。
「私なにかしましたか?」
溜まっていた涙が瞬きと一緒にぽつりと落ちる。
「泣かないで。アル。」
その姿を見て、恥ずかしがらずにちゃんと話そうと思った。
次はいつ更新になるのか・・・




