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ご依頼伺います 02

数年ぶりに更新しました。



「まず、リッドさんはパラライズが使えますか?」

ワイルドボアは攻撃力とスピードが特徴のモンスターだ。

3体一気に相手をするのは厳しいため、各個撃破するのが低レベル時の

定石だった。

なので、2体をステータス異常にして行動を制限するのがいいだろう。

「その程度使えないと思いますか?」

当然のことを聞くなとばかりに不機嫌な声で返された。

「し、失礼しましたっ。」

慌てて頭を下げる。

「リッド!」

ビオラさんに窘められたリッドさんは引き下がる。

「すみません、トーヤさん。続けてください。」

ビオラさんに感謝をしつつ話を再開する。

「では、ポイズンポーションを用意することはできますか?」

「ポイズンポーション、ですか?はい。ギルドに併設されているショップで

購入できるので問題ないかと。」

ポイズンポーションはその名の通り、使用した相手を毒状態にする。

『クラナイ』では敵味方かかわらず1ターン毎にダメージを受ける仕様になっていた。

こっちの世界ではどうなんだろうか。

聞いてみたところ、1ターン制という概念はないものの効果的には変わらないらしい。

ただ、あまり使う人はいないそうだ。

カイルさん曰く

「ポイズンポーションなんて用意してどうする?

ポーションを使っている暇があったら攻撃を仕掛けたほうがいいに決まってるだろう。」

という考えの冒険者が大半のためらしい。

ただ、『クラナイ』プレーヤーとしてはデバフは必須だと思う。

それを伝えると、完全には納得していないものの使うことは了承してくれた。

「リッドさんは、ワイルドボアに遭遇し次第、パラライズをかけてください。」

これで1体が毒状態、1体は麻痺状態になる。

毒状態は動けなくなるわけではないので、1人はそちらに割き、2人でノーマル状態の

ワイルドボアを撃破する。

「という感じで、リッドさんは毒状態にしたワイルドボアを足止めしてください。

その間にカイルさんとビオラさんで1体倒してください。

ワイルドボアは火属性に弱いので攻撃はできるだけ火属性を使ってください。」

「・・・分かりました。本当にその作戦で討伐できるのですね。」

まぁ、すぐには信用できないよな。

「実際に戦うのは皆さんですから、僕のことが信用できないなら

無視してください。お代もいただきません。」

「それでいいんですか。」

リッドさんが驚きながら言う。

「はい。」

「そんなことしてたら稼げないだろ。」

「最初は信じていただけないでしょうから、仕方ありません。」

今後のための先行投資というやつだ。

「カイル、リッド、信じましょう。」

「お嬢!本気ですか?」

「ええ。トーヤさんが嘘をついているようには見えませんから。」

「ありがとうございます。」

嬉しくなって頭を下げる。

「お礼を言うのはこちらのほうです。私たちだけではどうにもならなかったでしょうから。」

その声に顔を上げると優しく微笑むビオラさんがいた。

「分かりました。やってみましょう。」

「リッド!?」

「危ないと思ったら撤退すればいいだけのこと。トーヤの作戦では接近戦に持ち込む前に

魔法やポーションを使います。それが効かなければ退くことにすればさほどリスクもないでしょう。」

冷静な分析だ。

「まぁ、確かにな。」

不満げな表情ながらカイルさんも同意してくれた。

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