前途多難なようです。
不安になる僕の耳にパタパタという足音が聞こえてきた。
急いで宿帳を元の位置に戻し、受付から出る。
「お待たせしました。フラン君を連れてきましたよー。」
戻ったところでアルメリアが帰ってきた。
そして、アルメリアの後ろには銀髪碧眼の小さな美少年が立っていた。
・・・少年?女の子ではなく?めちゃくちゃ可愛いよ?
そんな僕の戸惑いを感じ取ったのか
「初めまして。フランです。」
と、やや不機嫌な声で自己紹介をしてくれた。うん、男の子の声ですね。
慌てて僕も名を名乗る。
「トーヤ・ガレスです。よろしく、フラン君。」
君付けを強調してみる。少しは機嫌を直してくれたのか、よろしくお願いします。と
返してくれた。
ふぅ、危うく転生初日から美少年に嫌われてしまうところだった。
胸をなでおろしていると、アルがとりあえず部屋に案内しますと提案してくれた。
「オーナーの部屋は2階の左端です。」
そう言って先導してくれる。
コの字型の左端にあたる部屋に着くと確かにドアにOWNER ROOMのプレートがかけられている。
なぜかラインストーンで装飾されて。元のオーナーはおじいさんだったんだよな?
なぜこんなことに・・・。僕の視線に気づいたのか、アルが胸を張って言い放った。
「あ、このプレート私が作ったんですよ。可愛いでしょう?」
「そう、だね。」
これは外してはいけないやつか・・・。まぁ、満足そうだしいいか。
「ありがとう。とりあえず荷物置いてくるよ。」
「では、私は食事の準備をしてきますね。出来たら呼びますのでゆっくりしていてください。」
そう言って背を向けて階段を下りていくアルを見送ってから、部屋に入る。
ベッドに机、洋服ダンスと必要最低限のインテリア。
ゲームとマンガで溢れかえっていた現実世界の僕の部屋は大違いだ。机の上に背負っていたリュックを置き、ぼふんとベッドにダイブする。
本当に転生したんだなぁ・・・。
ケモ耳美少女とショタが揃いました。