動き出す
「あ、お疲れ様です。こちらも準備ばっちりですよ!」
清掃を終えて1回に戻ると、アルがお茶と菓子を用意して待っていた。
「ありがとう。」
定位置となった席にそれぞれ座るとまずは一口お茶を飲む。
鼻から抜ける柑橘系の香りが良い。
一時期、母親が嵌っていたアールグレイに似ている。
「美味しいね。このお茶。」
「でしょう?ミッカの乾燥させた皮をブレンドしてあるんです。」
ミッカ。名前もミカンっぽい。
今度どんな形のものか教えてもらおう。
「もしかしてこれもアルが作ったの?」
アルならお茶も手づくりしそうだ。
「違いますよぉ。これは買ってきたものです。」
流石にそこまではやらないか。
一緒に用意してくれたクッキー(こっちではグリューと呼ぶらしい。)を1枚食べてから
本題に移る。
「結論から言うとギルドの許可と魔道具を手に入れました。」
あまりに簡潔すぎたのか2人ともポカンとしている。
だが、それも一瞬のことでアルは満面の笑みを浮かべ、フラン君は満足げに頷いた。
良い反応をいただけたところで詳細の説明をした。
「・・・というわけで、これがその魔道具です。」
床に置いていた魔道具をテーブルに置く。
アルは実際に見たことはなかったのか興味津々といった様子で眺めている。
一方、フラン君は特に表情が変わらない。
「これが魔道具なんですねー。触っても大丈夫なんですか?」
「うん。大丈夫だよ。」
実際に触って見せると安心したのかアルも手に取って、へー。と呟いている。
「いつから始めますか?」
「ギルドの協力も得られたし、道具も揃ってるし始めることはできるんだよね。
どうしようか。」
「すぐ始めちゃいましょうよ。私は準備できてますよ!」
「まぁ、これ以上はやってみないとわかりませんからね。」
ぐっと拳を握るアルの言葉に続けてフラン君が言った。
2人のおかげで覚悟が決まった。
「よし。じゃあ明日から始めよう!」
これにて3章終了です。




