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宿屋に着きました。

「えっと、泊まりに来たわけじゃないです。」と何とか答える。

「お客様ではないのですね。」シュンと耳が垂れ下がる。

何だろうか。この罪悪感。とにかく、僕の素性を説明しなければ。

「その、僕は新しくこの宿のオーナーになるいが・・」

と名乗ろうとして気づく。クラナイの世界で日本語名は浮いてしまうだろう。適当に世界観に合わせるか。

「僕はトーヤ・ガレスと言います。」

変に開いてしまった間を埋めるように笑う。

すると、ケモ耳美少女は得心がいった顔をして自己紹介をしてくれた。

「あ、あなたが新しいオーナさんだったんですね。お待ちしてました。私はアルメリアです。」

そう言って、ぺこりとお辞儀をする。

ケモ耳美少女、アルメリアは受付から出てくると、

「ちょっと待っててくださいね。今、フラン君を呼んできます。あ、フラン君はもう一人の従業員で、

部屋の掃除をしてくれているんですよ。」

そう、矢継ぎ早に告げて奥の部屋へと消えていった。

話が早くて助かるが、あんなに素直で大丈夫なのだろうか。

まぁ、いい娘なのは間違いないだろうけど。

あの神様に感謝しないと。・・・でも、間違えて僕を殺したのもあの人なんだよなぁ。

まぁ、それに関しては今更どうなるわけでもない。

大人しくアルメリアが返ってくるまで待っていようと室内を見回す。掃除は行き届き、整然としている。

部屋は1階と2階合わせて10部屋ほどだろうか。

そして、静かだ。・・・静かすぎる。

ここ、宿屋だよな?さっきから話し声が全くしないよ?

嫌な予感がする。

ちょっと失礼して、受付に入る。すると、机には宿帳が広げられていた。

おそらく、5月12日という日付しか書いていないこのページが今日のものだ。

いくら見ても日付だけ。宿泊客0人の事実は揺るがない。

いや、今日はたまたまいないだけだ!

なんてことはなく、めくってもめくっても書いてある名前は1人か2人。

満室なんて程遠い。これで経営が成り立っているのだろうか。


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