ギルドマスター
「こちらでお待ちください。」
そう言うと、受付のお姉さんはお辞儀して戻っていった。
「うろうろしないでください。」
部屋の中を動き回る僕に、フラン君が呆れた声でいう。
「いや、だって、どうやって説明すればいいのか・・・。」
「素直に話しちゃえばいいんじゃないですか?」
「うーん。信じてもらえるかなぁ。」
「嘘をついてややこしくなるよりいいと思いますよ。」
確かに。
「よし、頑張るよ。」
「何を頑張るんだい?」
扉に寄りかかりこちらを眺めるお兄さん(?)がいた。
声は男性で間違いないのに、その長髪と中世的な顔立ちが性別を分からなくしている。
「あぁ、驚かせてしまってすまない。私はこのギルドのマスター、レイだ。」
「あなたが!?」
もっと屈強なおじさんか、ご老人を想像していた。
驚いていると、べしっと背中を叩かれた。
「痛っ。」
「ぼーっとしてないで挨拶してください。」
ホントしっかりしてるよね・・・フラン君。
「はじめまして。宿屋カルミアで主人をしています、トーヤ・ガレスと言います。」
「従業員のフランです。」
二人そろって頭を下げる。
「よろしく。トーヤ君、フラン君。」
穏やかな笑みを浮かべたレイさんが僕たちの正面にあるソファに座る。
促されて僕らも着席したところで、先ほどの受付のお姉さんがお茶を持ってきてくれた。
「ありがとうございます。」
「ありがとう、カトレア。」
受付のお姉さんはカトレアさんというらしい。
「ごゆっくりどうぞ。」
楚々とした所作で、紅茶のようなものを注いで再び戻っていった。
「さて、申し訳ないけどゆっくりと話す時間はないんだ。新しい試みをするそうだけど、
聞かせてもらっていいかな?」
いざ、営業(?)開始です!




