買い出し
大通りの中ほどまで来ただろうか。
「ここです!」
アルが指し示したその店は軒先に野菜が並んでいる。
たたっと駆け寄ると「こんにちはー。」と店の奥に声をかけた。
「アルちゃん、いらっしゃい。」
店の奥から人の良さそうなおばさんが出てきた。
「リリンさん、今日のおすすめは何ですか?」
「今日はプーロンが入荷してるわよ。ところで、後ろにいる人はどなた?」
リリンさんと呼ばれたおばさんが興味津々とこちらを見ている。
「あ、カルミアの新しいオーナーでトーヤさんです。」
「初めまして。カルミアのオーナーになりましたトーヤ・ガレスと言います。」
前に出て礼儀正しくお辞儀をする。
「あらまぁ、随分若いのねぇ。私はリリン。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
差し出された手を握る。
「それじゃ、今日はトーヤ君のお祝いにサービスしちゃうわ。」
そう言って店の奥に入っていったリリンさんはビニール袋いっぱいに野菜を詰めて持ってきた。
「え、そんなに悪いですよ。」
相場はよくわからないが量的に結構な値段がするだろう。
「いいのよ。アルちゃんはお得意様だから。これからもよろしくね。」
グイっと袋を押し付けられてしまった。
「もらっておきましょうよ、トーヤさん。」
アルが袋の中身を覗き込みながら言う。
リリンさんを見ると、うんうん。と頷いている。
「では、いただきます。ありがとうございます。」
ここまで言われて断るのも失礼だろうといただくことにした。
ストックが付きかけてきて絶賛焦り中です。
短くて申し訳ないです・・・。