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この世界では宿屋の主人が最強のようです?  作者: 亥之亥
プロローグ
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プロローグ 01

初めまして。亥之亥いのいと申します。


不定期更新ですが、よろしくお願いします。

―想像していたより、痛くなかった。と、思う。

大好きなアニメの最新回が見たくてチャリをかっ飛ばしていたところに

信号無視したトラックが突っ込んできてあっけなく僕の17年の人生は幕を閉じた。



真っ白な世界。確かに立っているのに見えない地面。360度際限なく広がる空間。

よく分からないが、とりあえず地獄ではなさそうだ。

しかし、天国ってこんなに殺風景なんだなぁ・・・。なんてくだらない感想が頭に浮かぶ。

そんな時、うえっほん。とわざとらしい咳払いが後ろから聞こえてきた。

恐る恐る振り返ると、長い髪も顎に蓄えた髭も白い、老人が立っていた。

「・・・誰ですか?」

問いかけると、にかっと笑い半歩こちらに近寄ってきた。

「お主、名は?」

しゃがれた、けれど、よく通る声だ。

「五十嵐 透弥です。」

戸惑いながら答える。

「ふむ、トーヤか。わしのことは、まぁ、神様と呼んでくれ。」

そうかなぁ。と思っていたが、目の前のご老人はやはり神様だったようです。

「あー。じゃぁ、神様。僕、今どういう状態なんでしょうか。」

神様は、ふむぅ。と不満げなため息を漏らした。

「つまらんの。わし、本物の神様じゃよ?もっと驚いてくれていいんだぞ?」

「ええ。疑ってませんよ。死んだ記憶もありますし。ここ、どう考えても現実世界じゃないんで。」

「冷めとるの。これが噂のさとり世代か。」

現世に詳しい神様だなぁ。とまじまじ見ていると、どう受け取ったのか胸を張り神様が言った。

「ふふん。どうやら、私の偉大さが理解できたようじゃな。」

「いえ、まったく。」

胸の前で手をぶんぶんと振る。

リアクションはチャーミングと言えなくもないが、偉大な感じは見受けられない。

しかし、このままでは永遠に進まない。

少し強引だが、話を元に戻してしまおう。

「それより、質問に答えてもらえますか?ここはどこで、なぜ僕はここにいるのですか。」

落ち込み気味の神様に改めて質問する。

「あー。まぁ、トーヤ。お主は今日死ぬ予定ではなかった。それがちょっとした手違いで

死んでしまったのじゃ。すまん。」

そう言って、パンッと手を合わせる。

俺の命軽すぎない・・・?と思わなくもないが、神様からすると数十億いる人間のうちの

一人なのだ。仕方ない。

「なるほど。で、俺はどうなるんです?」

「あっさりしとるの。もうちょっと時間がかかると思っていたのだが。」

まぁ、時間がかからなくてよいか。ぼそっと漏らす。

聞こえてるんだよなぁ。爪の甘い神様だ。しらっと見ていると神様が再び口を開く。

「で、そんな手違いによって死んでしまった君に救済措置を行う。」

「もしかして、異世界転生的な?」

手違いの死。目の前の神様。救済措置。3つの条件がそろえば、オタク脳が自然とその解にたどり着く。

「大正解!」

ピンポーン。とばかりに頭の上で大きな丸を出してきた。

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