「ちっぱい」、可愛いじゃないか!
「ちっぱい」な人もそうでない人も、「ちっぱい好き」な人もそうでない人も、ちょいと立ち寄ってくださいな。
さて、「ちっぱい」とはどれぐらいの範囲を差すのだろう?
このエッセイを書くにあたり調べてみたところ、どうやらBカップ以下を差すようだ。
という訳で、ガッツリこの範囲に入っている私は「ちっぱい」について語る資格がある、という事になりますね。
「あれっ、私ってやばい?」
と気づいたのは、中1になったばかりの頃。
きっかけは、「小6までに半分は初潮を迎える」と聞いたから。
「の、の、乗り遅れたー!」
と焦りました。焦ってもくるもんでもないですが。
※真面目な注釈
17歳までは正常の範囲内だそうですので、これは中途半端な知識でパニクった、悪い例です。
ちなみにこれは当時の話で、今だと6割ぐらいに上昇している模様。
で、中1の夏に無事に迎えまして、ホッとし、
「ああ、これで私も少しずつオトナになって、胸も大きくなっていくんだろうな」
とワクワクしていました。
けれど……おやあ? あまり変化がない。
いつまで経っても、ブラジャー要らず。ブラトップで充分、対応可能。
ちょっとー! 私、ちゃんとオトナ列車に乗れたんじゃないんですかあー!?
ちゃんとオトナに向かってるんでしょうね!
何ぃ? まさか乗り間違えた!?
一人で騒いでも、ナイものはナイ。
周りはとっくにブラジャー隊。着けてない私は、体育の授業の着替えの時とか、ちょっと恥ずかしい。
こそこそこそ……と、隅っこで着替えていました。
親に「ブラジャーを買いたい」と交渉したくても、その材料となるのが自分の「ちっぱい」では、あまりにも説得力がない。(戦闘力が足りない……)
結局――中2の夏、宿泊学習を控えたある日、勇気を振り絞って言いました。
「お風呂とかもあるし、みんなブラジャーしてるから私もしたい」
そして母の答え。
「いいけど……。でも安いのにしなさいよ、まだ小さいんだから」
うおーっ! バッサリ斬るなやー! 傷つくわ!
あれだよね、これから成長するとサイズが変わって、高いのを買っても無駄になるからっていう……そういうことだよね!?
お願い、言葉を選んでー。もうちょっと娘に気を遣ってー。
若干の傷は負いましたが、どうにかブラジャーGet。みんなの仲間入りです。
さ、気を取り直して、次、次!
高校生になりました。
すこーしは成長しましたが、まだまだダントツのAカップです。
やっぱり、問題は……夏服なんだよなー。
私の高校は、真っ白の開襟のオーバーブラウスでした。腰の下まで真っすぐのラインの。
リボンやネクタイもなく、色が縁取りされたりとかもなく、ただただ真っ白。
……これ、かーなーりー、ダサい。
「ちっぱい」だと、本当に「すっとん」になってしまう。真っ平らに見えるんですよね。
そして胸の大きい人にとっても、これって太って見えるんですよね。胸の高さからまっすぐ下にいきますから。
いずれにしても、女子にとって全然ありがたくない制服でした。
で、私はどうしたか。
……何と、自分で夏服を改造しました。
まず、裾を少し短くしてズン胴に見えないようにし、あとは前後4か所にタックを入れたんですね。
凹凸の「凸」がないので「凹」を作り出した、という。
こうすると、ライン的には腰に行くほど細くなるので、ちょっとスタイルがよく見えるんですね。
こうこう! こんな感じです! わかります!?(どうしても伝えたかったので拙い絵を描いてみた)
どうです!? 全然、違うでしょう!?
どやー!
ああ、抗ってるなー。裁縫が得意でもないのにー。
……いやいや、コレのおかげで、裁縫スキルはかなり上昇した。熱意って大事。
結果オーライ……ってことで、さっさと進めましょ。
大学生になりました。
化粧をするようになり、少し大人な気分。
でも、相変わらずの私の「ちっぱい」。
そうですねー、B……ですかね、ギリギリ。
そして……ここで新たな問題が勃発しました。
みんな平等、ある意味強い味方の「制服」がなくなり……個人差が目立つようになるんですよね。
まぁ平たく言えば、胸が大きい人は「大きいことを主張する服」を着ることができるようになり……相対的に、「ちっぱい」が目立つようになる。
さあ、どうする。
盛るか、ありのままで勝負するか。
ここ、重要な2択ですね。どっちを選ぶ人が多いんだろう?
パットを入れて盛るのか、一切、小細工をしないのか。
難しいですね。ちょっとシミュレーションしてみましょう。
『パットを入れてCカップぐらいに盛る』
うむ、目立ち過ぎない、いいラインを作れそうですね。
「すっとん」にならないようにするには……とか、考える必要もない。
しかし……大学生と言えば、半分オトナですよ?
いざというとき……どうするんだ?
真っ暗にしたところで、触られたら終わりですよ。
ましてや
「話が違う」
とか罵倒されたら、立ち直れない。
仮にそこまで言われなかったとしても……ガッカリさせてしまうかもしれない。それは嫌だな。
「いや、俺は小さくても気にしないよ」
という言葉だって、聞きたくない。
「俺は」ってなんだー!
大概は気にする、ということやないかーい!
……いかん、妄想でキレてしまった。
とにかく、盛るのはやっぱりリスクが大きい。自分に向いてない。
翌朝、すっぴんを見て
「誰……?」
とか
「印象が変わるね……」(←これは「全然顔が違うやんけ!」とおそらく同義語)
と言わせてしまうのと同じぐらい、罪深い。
やっぱり、好きな人には誠実でありたいよネ。
『ありのままで勝負する』
勿論、デメリットは多々ある。
服は選ばないといけないし、第一印象で弾かれてしまう可能性が上がる。
でもちょっと待て。私は万人にモテたいとか考えてるのか?
答えは、否!ですよ。
ただでさえ、喋るとイメージが全然違う、と言われる。(とても物静かなタイプに見えるそうだ)
それで傷ついたこともあったじゃないか。(「何か思ってた感じと違う」と言われてフラれた経験アリ)
だったら……むしろ、最初にコレでふるいにかければいいじゃないか。
「ちっぱいはちょっと……」
という人とは、もう縁がなかったのだ。相手の好みに合わないんだから、仕方がない。
もともと、相手の好みに合わせるタイプじゃないのだ。
その方が、本当の自分を好きになってくれる人に出会える確率が上がる。絶対に、効率がいいよ!
そのことに気づいて、ぱあっと視界が明るくなりました。
今まで何を勘違いしていたんだ、自分!
「ちっぱい」は欠点なんかじゃないよ! どうしてそう思い込んでいたんだろう!
「ちっばい」、可愛いじゃないか!
むしろ、自分の武器にすればいいじゃないか!
こうして――私とちっぱいの闘いは、ここで終焉を迎えました。
「今まで粗末に扱ってごめんね」
と、手を取り合い、共闘の道を歩き始めた訳です。(まぁ、ずっとくっついてはいたはずなんですがね)
これが……私と「ちっばい」の懐かしい記憶です。(最近まで、ぐっすり眠っていたハズなんですけどね)
「ちっばい」の皆さんは、どういう体験をしてきたんでしょう?
まったく気にしなかった、という方もいるでしょうし、語れないほど傷ついた経験を持つ方もいらっしゃるかもしれませんね。
私のこの話で、少しでも明るく楽しいものに感じていただければ、幸いです。(↑最後はちょっとマジメ)
読んでいただき、ありがとうございました。
今まで書いた単発エッセイの中で、一番長いや……。
意外に燻ぶっていたらしい、自分(笑)。
ちなみに、胸の成長期は「初潮の1年前~周期が安定する3年後」の約4年間だそうです。
私の場合ですと、小6~中3ということになりますね。
うーん、この頃はあまり食欲もなかったし、睡眠不足でもありました。
要因は、ココかあ……。
ん? 間違っても「敗因」じゃないですよ?
だって、「ちっぱい」は「負け」じゃないですからね!
※8/2追記
「一番」ではなかったですね。三番目ぐらいの長さでした。
情報に誤りがあったので、お詫びして訂正いたします。m(__)m