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聖獣の血族  作者: 魔獣
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満月の夜に

相談室で根津と生活指導の谷口にたっぷり絞られ解放された頃には外は暗くなっていた。

空を見上げると美しい満月が光り輝いていた。

月の光が私の全身の毛を逆立たせ鼓動を加速させる。

湧き上がる形容し難い衝動を抑えながら近くの自然公園に駆け込んだ。

私の体は激しく痙攣し犬歯が爪が鋭く尖り獣のような体毛が全身を覆う。

信じられないかも知れないが私は人狼だ。


「んっ…ああっ!うわああああッ!」


人間社会で抑圧された激しい獣の本能が漲る。

私は母を慕う子供のように力の源である月に吠えた。

今にも暴れ出したい衝動!

狼と化した私は公園の樹木の間を縫うように駆け回る。獣人化した私は二足歩行で歩く事も獣のように四つ這いで走るのもお手のものだ。

だが本能の赴くままに通路に飛び出た瞬間、しまったと後悔した。

私と同じくらいの歳の女が目の前に現れた狼を見て凍り付いていた。

愛嬌のあるファニーフェイスに金髪巻き毛の女の子だった。

赤いベレー帽を被りワッペンがいっぱい付いたデニムジャケット、黒いレザーのスカートに網タイツを履いている。


「キャアアアアア!」


甲高い悲鳴に思わずこちらもたじろいだ。

叫んだかと思うと白目を向いて気絶した。

私は倒れる彼女を地面に落ちる前に抱きかかえた。

そして気絶した赤ずきんちゃんをその場に寝かせた。


「風邪ひくんじゃないよ」


起きた時には私の事は忘れてくれる事を願う。

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