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聖獣の血族  作者: 魔獣
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根津

2年A組、ここが私の教室だ。

中ではすでに一時間目の授業が始まっていた。

教室の扉を開けると引っ詰め髪の小柄で痩せこけた中年女がギロリとこちらを睨む。

縁のないメガネの奥では陰険そうな目が光っている。

数学の担当の根津明美はヒステリックで陰険な性格を嫌われ生徒達に裏でネズミと呼ばれていた。


「今、何時だと思っとるんだッ!」


根津が教卓をバンと叩いた。


「すいません。遅刻してしまって…」


私はとりあえず謝った。

すると根津は思い切り私の頬を平手打ちした。


「あなた、さっきまでクズ達と喧嘩に参加してたでしょ?全て見てたんだからッ!んまぁ〜女子のくせに本当にはしたないったらありゃしない!この事は校長に報告しますからね」


根津が嫌みたっぷりに言う。


「高嶋達ならクズじゃないですよ。彼等はストリートギャングにカツアゲされてたうちの生徒を助けて逆恨みされたんだ」


私は高嶋の名誉のために説明した。


「正義感ぶって暴力を正当化してるだけよ!ああいう人種はね。あなたも同類ね」


根津が見下ろすような視線を送ってきた。


「それにアタシが番長を助けなかったらギャング達に殺されてましたよ」


私は冷静に返した。人間湯沸かし器の根津は地団駄を踏みながら怒り狂う。


「貴様ッ!教師に向かって何たる態度!くぅ〜」根津は私の方を指差した。

というより胸元をダイレクトに指で突かれた。


「それより先生方は部外者が来たのに黙って見てたんですか?こんな学校でも名誉があるとしたら死亡事故を未然に防いだ私を表彰してもいいくらいだね!」


そう言ってやると根津は一瞬、口ごもった。


「いいっ!放課後、相談室に来なさい!根性を叩き直してやるわ!はいっ、今日は授業終わり!挨拶は省略!」


よほど頭に来たのか根津はそう言うとまだ授業が終わる時間じゃないのに教室を出て行った。

私はその後、さんざん説教され反省文を書かされた。

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