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スーパーマンになり損ねた男。

作者: 七瀬

 僕の子供の頃からの夢は 「スーパーマン」だった。憧れのヒーロだ!

でもある日、僕がスーパーマンになれないと知る事になる。誰かが言った

からだ。「スーパーマンは、本当は存在していないんだぞ!」って。


 それを聞いた僕は、心底落ち込んだ。半年ぐらいは、毎日のように、

スーパーマンになれないんだと? 考えない日はなかった。


 

  ~~~


 そして月日は流れて、僕も大人になった。スーパーマンにはなれなかっ

たけど.....? スーパーの販売員になった。僕の仕事は、試食コーナー

で、商品をお客様に買ってもらう為に、その場で調理して、食べてもらう

仕事だ。


 如何に美味しそうに見えるか? 今日の商品はあらびきソーセージだ。

鉄板に油を注ぎ、『ジューっと!』 ソーセージのいい匂いと煙に誘わ

れてお客さんが、鉄板の周りに集まって来る。


 「美味しい! あらびきソーセージがありますよ。良ければ食べてって

ください。商品はこちらにあります。今日の晩ご飯にでもどうですか?」

  

 「あら? 美味しそうね! 一つ頂こうかしら?」

 「私も? いいですか?」

 「わーあ! 美味しい」

 「1つ買って帰ろう!」

 「じゃ、私も晩御飯に1つ」

 「ママー! 凄くいい匂いがする!」

 「1つもらったら?」 

 「美味しい」

 「ママ! ママ! もう1個食べていい?」

 「すみません。もう1ついいですか?」

 「勿論!  いいですよ。ぼく、美味しいかい?」

 「うん」

 「買って帰ろうか!」

 「うん。」


 そんなやり取りを、2年程続けている。僕は幸せだな。毎日好き

な事を「仕事」に出来ていること。これは僕の 『本職』だと思っ

ている。スーパーマンには、なれなかったけど?


 スーパーのヒーローには、なれたんだと思う。人の優しさにふれ、

幸せそうな顔を見て、尚且つ商品も買ってもらえて、最高の仕事だ!


 ~~~


 でも、そんなある日、ここにも、やって来た! 試食のモノを食べる

だけ食べて帰る人。モンスターマンめっ!


 これはヤバい! この人? この商品を買う気が全くないみたいだ!

ひょっとしたら? ここで! 晩ご飯をすます気か?


 「お客様? 他のお客様もいますので、少しご遠慮して頂いてよろし

いですか?」

 そのお客は、僕の方を見て?

 「はぁ? 試食でしょ? 何がいけないの?」

 「他のお客様にも、食べて頂きたいと思っていますので、良ければ!

買って頂いて......。」

 「はいはい。」

全然、僕の話を聞いていない!

 「お客様、商品がなくなりました。もう品切れでございます。」

 「あそこに、新しいのが、あるじゃないの? 出してよ!」


なんて! 図々しい人だ? このお客に『ぎゃふん』と言わせてや

るぞ!

 「もし? お客様が、買って頂けるなら? ご用意致します。」

物凄い大きい声で言ってやった! そうすると? 他のお客さんも、

何事かと? 注目している。このお客、流石に恥ずかしかったのか?

しぶしぶ、買って帰った。やったぞ! してやったり! (笑)


まぁそれから? そのお客さんは来なくなったんだけどね! 今では

毎日、『平和な日』を過ごしている。















最後までお読みいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです。  友達にも紹介しておきますね。
2017/09/16 12:35 退会済み
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