7話 情報の化学反応
短くて ごめんなさい
生産情報は、一部のプレイヤーにとっての朗報だった。
半日で掲示板のレスが100以上ある事から、かなりのプレイヤーが生産を始めている事がわかる。
プレイヤー間のトレードは無いため武器の選択肢が初期武器かCPLでの購入の二択だったのが、基本設計だけでなく派生設計が作れるのは大きな優位性をもたらす。
また、別の人が生産報告を上げていたのだが、ごく稀に生産できる『名称+1』は分解すると特殊な設計図が出てくるとか、失敗した総CPLによって成功率上昇の技能『生産者の意地』が開放されるってのも有った。
そして、失敗にも三種類あるらしい。
材料として使える試工型、復元不可能な欠損品、材料の変化も無い該当無し。
どの人も、三〜四回に一回成功と書いているので、成功率はそんなモノなんだろう。
その中に気になるメッセージがひとつ混じっていた。
『World Lost World Order公式初のオフ会を○○会館13:00〜16:00で行います。定員は先着順100名、技能辞書を埋めたい人もどうぞ。あの有名プレイヤーも参加します!
supported by Gamer's connection』
Gamer's connectionは、MMO関連の月刊効率情報誌だ。俺は読んでないけどがっつりと宣伝じゃないか。
二週間後か。行けたらいこう。何か突発的なイベントが起きそうだし。
今日の生産の新たな発見は、ある設計図に三種類の設計図を材料にすると、図面書が作れたことか。
これで、設計図は一つに纏める事ができる。
今 手元のにある設計図は、単弓、手榴弾、未成年保護服、保護服、矢、拳銃、散弾銃、突撃銃、銃弾、投擲機。
大半は生産しても使わないが、他プレイヤーからの偏見を無くすために見た目のみの装備も作る。
ー 生産ー
『上下二連装散弾銃』、『試工型軽量型突撃銃』
どちらも予定外な装備である。
腰に散弾銃、背に強化弓。鈍い藍色の保護服。頭装備はまだない。
せっかくなので、アバター設定で顔を隠せる物を探すと良いもの見つけた。
秋田県名物 『なまはげの面』
背中の弓のおかげで、包丁が無くても大きな違和感を感じない。
ビジュアルとインパクトは大事だ。
鏡の前で弓を構える。
「わりぃーこは い゛ねーかぁ」
いや、これは無いな。
威圧感も何もない。子供が真似しても怖くもない。滑稽だ。
他の物を探す。
般若、天狗、おかめ、ひょっとこ、剣道の面、月光仮面、縁日のドラえもんの面、被り物の狼男、スクリーム。
求めているのはこれじゃないんだよっ!
もっとカッコ良いもの。開発に求めるのが無理なのかもしれない。
仮面舞踏会で使われそうな目を隠すマスクにし、『LO』開発陣は変に凝ってると思った。
平穏という時間はあっという間に過ぎ、平日はオフ会に向けて準備を進める。