2話 何の冗談ですか?
予定より早いですが、投稿致します。
ひとまずお互い、HMDを起動させてみる。
画面上から確認できる事を声に出す。
「プレイヤー名エヴァンスト、立ち位置 至近距離、プレイヤー属性 中立、技能確認は拒否。キャラクターはプレイヤーと同じ身長、体格。」
「えっ?居ない?あ、下に居た。
プレイヤー名レプラコーン、立ち位置 至近距離、プレイヤー属性 敵対、技能確認 は拒否。キャラクターはプレイヤーの腰まで、体格は比較できない。」
即座にお互い ディスプレイを取る。
これってさ、技能説明に騙されたって事なんじゃないか?そもそも、個人技能が世界全体に影響及ぼすほどのものじゃない。
いや、技能は制限をかける物かもしれない。
そして仮説もたてる。
手首端末が一定距離内で双方の通信開始してキャラクター情報をやりとり。
中立や敵対かはそれぞれの端末が決める。
どれだけ技能の幅が在るかはわからない。だから手を読みあう事になる。
と、言うことは今回の真相は
『ディスプレイ上は敵対だから攻撃しました。もちろん、相手は攻撃した人を攻撃する。エヴァンストがPKだという話が他の人にも伝わり技能説明通りになった』
結局は親友が悪い。
悪いけど、これからも擁護するとなると、俺まで狙われる。
今日はゲームの胆となる技能関連で収穫があったのは大きいと、とるべきか。
せっかくだから、相手からみた俺の戦闘がどう見えるか知りたい。
一撃だけ お互いに与えあう形で攻撃しあう事に。
此方からの攻撃。至近距離だから外れる方が難しい。
頭に命中。
数秒で当たったはずの矢の表示が消える。
命中判定は行為者の端末から送られた情報を基に、対象端末が回避修正を演算。ダメージ判定を行為者の端末に送信後、ダメージ適用。ってところか。
「うぉっ?一撃が重いじゃねーか。俺の恨みを受けやがれ」
どうやらキャラクターはリスポン。しかも、八つ当たり気味だ。
手にする武器は、短い銃器。そして軽い発砲音。
パン、パパパパパ
正気か?話が違うぞ。顔に向かって飛び出した弾は、拡散弾。高命中高威力火器か。いや、冷静になっている場合じゃない。
「「まじかよ」」
意図の違う同じ言葉が両者から漏れる。
俺は親友の技能を見たが、弾薬無制限、リロード無視の恐怖を味わった。
いわゆる接近用弾幕銃器。
AR 故にこのリアリティは腰がひけた。
親友は、至近距離でも当たらない回避修正を驚いた。
直撃ないから、さらに撃つ。
安全装置の無いショットガンは所持する技能との相性が良すぎた。
「「異常じゃないか!」」
攻撃を止めた友達も叫ぶ。異常はお互い様だろ。
HMD を交換して 技能を見せる。
「この異常者め。」
総リスポン回数 41回
体験キャラクター数 40
被弾率 23.8%
所持技能一覧
・R6 (レジェンド) 悪戯妖精の加護
効果
アクティブ型スキル。発動すると五分間、5km以内全ての機械式銃器、手榴弾、地雷等のトラップを無効化する。
再使用は三十分
・R5(エンシェント) 小人障害
効果
身長が130cm固定。回避修正として20%をボーナスとして得るが、市販される防具、回復薬、情報提供者は利用できない。追加で一つの祝福を得る
・R0(レジェンド)神憑りの器用さ
効果
攻撃時には50%の命中補正と10%の回避修正を得る。自己生産物に70%の成功率と30%の上位修正を与える。祝福として取り扱う
・R3(レア)驚異的な俊敏力
効果
見える脅威に対して、70%の回避修正を与える。不意打ちに対しては、効果がない。
そう。意図せず『回避特化』となったキャラクターは毒や爆撃などという常識外攻撃以外はほぼ無敵と言う。
今回の試技で明らかに命中率が100%に近い武器でもほぼ無敵。(正確には数弾かすったが)
どうやら回避修正は命中補正より上位されると実証された。
隠されたルール『相手を含め、目に見える物を疑え』
常識は簡単に覆される。二人は、まだ不明な技術の情報を集めるべきだと意見を交わし、別れる事となる。