第4話
今日はとても天気がいい。
僕はいつものように図書室で本を読む。
彼女はまだ来ていないようだ。
彼女が来た。
どうやら今日は本を読むらしい。
前から彼女が読みたそうにしていた本だ。
確か有名なファンタジー系の話だった気がする。
本を読んでいる彼女の表情はくるくる変わる。
心が柔軟なのだろう。
主人公に共感しているに違いない。
勉強している姿も良いけれど、
やっぱり僕はこのくるくる変わる表情が可愛いと思う。
今日は彼女の席はとても日当たりが良くて、
そこに、彼女のほわっとした雰囲気があわさって、
そこだけ空気の流れが違うみたいだ。
どれくらい彼女のことを見ていたのだろう。
彼女の本は3分の1ほど終わっていた。
彼女が顔を上げる。
本の余韻なのか、彼女の表情はどこか現実味を帯びていない。
ふと、彼女が僕のほうを見た。
視線がぶつかる。
もしかして、見てるのがばれた?
どうしよう・・・
数秒の間ののち、彼女はゆっくりと微笑んだ。
えっ・・・
ふわっとしたその笑みに僕の目はくぎづけになる。
か、可愛すぎる//
でも、僕が見ていたのに気づいたんだったら、
どうして怪訝そうな顔ではなく、笑ったんだろう?
とにかく、笑顔には笑顔で返すべし!だ。
僕も彼女に微笑んだ。