[資料]ダイズの歴史
そこが異世界のハイファンタジーであれ、同じ地球のローファンタジーであれ、
世界観の一部として、食事について書かれることは多いと思います。
特殊な文化・文明ではなく、リアルな世界観を用いる場合には、
当時の農業や畜産について、簡単な知識があったほうが良いと思い、資料を作成しました。
専門家ではないので、一部説に偏りや過ちがあるかも知れませんが、
その際は資料を明示の上御指摘いただけましたら、喜んで改訂・改良を加えていきたいと思います。
◆ダイズの起源◆
ダイズは中国で生まれました。
詩経には4000年以上前の堯・舜の時代から
栽培されていたことを詠われています
三国志では曹操の息子、曹植が
「豆を煮るに豆がらを燃やせば 豆は釜中に在りて泣く。本これ同根に生ぜしに 相ひ煎ること 何ぞはなはだ急なる」
と歌っています。
漢の武帝の時代には、栽培面積が作物全体の4割を占めたそうです。
茎葉を飼料としてヒツジに、豆をブタやアヒルに与えていました。
◆種まきと収穫時期◆
ダイズの種まきなのですが、春まきと秋まきがあります。
春まきは春に播種され、100日から150日で収穫されます。
秋まきではコムギの収穫後の6月~7月に播種されます。
◆伝播時期◆
日本には弥生時代に朝鮮半島から、もしくは直接中国から伝わってきたと考えられています。
ヨーロッパ圏に伝わったのは18世紀になってからのようです。
1739年に中国在留のフランス人宣教師からパリ植物園宛に送られています。
しかし、実際に栽培されるようになるには更に時間がかかっています。
アフリカやアメリカでは1900年前後に伝わっています。
◆マメ科の土壌を肥やす働き◆
マメ科の植物は根にや茎根粒菌という細菌がいます。
土中に含まれる空気の窒素を、栄養分として使いやすい硝酸塩に窒素固定します。
つまり「土を肥やす」働きを持ちます。
化学肥料ではアンモニアの使用が生産量を変えたわけですが、それを自然物で出来る数少ない植物です。
内政チートでよく使われる四輪農法においてはこのマメ科の食物を利用されることが多いです。
クローバーの他、カブやダイズが使われています。
反面、土中菌の変化などにより、連作に弱い性質があります。
◆利用法◆
日本人なら大好き、豆腐や味噌、醤油が代表です。
他にも燃料としての油、食用油としても使われています。
この場合、搾りかすは飼料として家畜に使われます。
タンパク質が豊富なので、肥えさせるのに非常に効果的。