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私in俺!〜悪役憑依と転生ちゃんねる〜  作者: 吉祥 瑞喜
2部4章 瘴気と骨と転生者

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72/76

072 2-4-3 王都の壁周り

元悪役なラグルスくんと1のスレ 23


102:1 ID:V1lLa1n+

 あちらに見えますのが亡国跡地(瘴気強化Ver.)となりまーす

 [画像ファイル]


104:名無しの転生者さん ID:Ldh7TgdZ

 いかにも骸骨とか悪霊みたいなの出そう

 別スレのオカルトスポット凸で似たようなの見たことあるわ


105:名無しの転生者さん ID:Samw2rAi

 >>102

 相変わらず薄暗いでござるな


106:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL

 >>102

 前に見た時と特に変わってるようには見えないな


109:1 ID:V1lLa1n+

 >>106

 ラグルスくんによると瘴気が強まってる感はあるみたい

 私にはわかんないけど


111:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH

 >>109

 わかんねーのかよ


112:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 そういえばお前だけファンタジーなエネルギーを全然感知できないって言ってたな

 瘴気もそうなのか


114:1 ID:V1lLa1n+

 なーんにもわかんない

 正直この場所でよくない空気を感じてる気がするのも気のせいかもしれない

 たぶんここで骸骨たちが陽気にパーリナイ!してたらラグルスくんが「ここの瘴気やばいやんけ!」ってなってる横で「わ~明るい場所だなぁ」みたいになる


117:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL

 >>114

 ガイコツが動いてる時点で危機感を持ってくれ


116:名無しの転生者さん ID:wCqsy9zr

 前回来た時はラグルスくんの感情に影響受けてたからどっちにしろやべー場所って感じたんじゃね

 てか今は大丈夫なのか?


120:1 ID:V1lLa1n+

 >>116

 ラグルスくんが抑えるの上手くなったのか感情が伝わる現象減ってる

 最初は風呂トイレの度に恥ずかしがってるのか胸にもにゃっとしたなんともいえない感情が伝わってきてたけど

 今も別に何も伝わってこない


125:名無しの転生者さん ID:Ldh7TgdZ

 >>120

 あー入れ替わってすぐの頃はモジモジしてるラグルスくんをムリヤリ押し出してたよな

 『早く行け張り手』とか言って

 全然まったく張り手じゃなかったが


122:名無しの転生者さん ID:lfRpeaxo

 >>120

 ラグルスくん頑張ってメンタルコントロールしてそう


127:名無しの転生者さん ID:exAziFas

 >>122

 逆にイッチの感情はわりと垂れ流されてそう

 猫の島の時とか気持ち悪がられてたし


126:名無しの転生者さん ID:gDN/hr+E

 今回は魔物の実態調査と討伐とあと道具の設置だっけ?


130:1 ID:V1lLa1n+

 >>126

 そうそう

 これが浄化に使う道具

 [画像ファイル]


 あと前回はぐれちゃったことを踏まえてラグルスくんにこれを渡したよ

 [画像ファイル]


134:名無しの転生者さん ID:k/ngWZ8e

 >>130

 浄化の道具が主神教のマーク(?)ついてていかにも宗教の儀式道具って感じ

 一個くすねて分解とかできない?

 中身気になる


135:1 ID:V1lLa1n+

 >>134

 さすがにそれは無理


132:名無しの転生者さん ID:gDN/hr+E

 >>130

 なにそのストラップのチャームみたいな飾り


136:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL

 >>130

 石の部分なんか光ってないか?

 何を渡したんだ


141:1 ID:V1lLa1n+

 >>132

 >>136

 道中のダンジョンでゲットしたアイテム

 なんか登録した相手の最低限の安否確認ができるんだって

 登録した人が無事な時はわかりにくいけどうっすら光ってて、死ぬと光が消えたりしてわかるらしい


 これがあれば時々漫画とかである仲間が死んだ時に物がパキッと割れて「まさか……あの人が……!?」みたいな感じのシーンが作れる!


143:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx

 >>141

 その場合だとお前死んでるんだけどいいのか?


144:名無しの転生者さん ID:oQyvScqi

 >>141

 そういうシーン作ってもイッチは見れへんやんけ


146:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH

 死んだときしか変わらないんだったらあんまり役に立たないんじゃないのかそれ


148:1 ID:V1lLa1n+

 >>146

 猫の島の時ラグルスくんそこそこ慌ててたっぽいから、とりあえず生きてることだけでも伝わったほうがマシかな~って


 とにかく準備もバッチリなのでこれから突入しまーす

 結界の出入口で聖騎士が門番してるんでそこから入るよ



*****



「相変わらずの廃墟感」

「『感』もなにも、廃墟そのものだろう」

「言葉のあやってやつだよ~」


 門番と二、三言葉を交わして入った結界の中を見回し、ノナが言った。

 以前より心なしか強化されていそうな結界の内側は、薄暗くよどんだ空気が漂っている。城下町から少し離れた位置に出て、少し崩れた街道を歩く。枯れ木やがれき、そして人骨——動き出すこともあるため注意が必要だ——を眺めながら進むと、これまた崩れが見える門にたどり着いた。


「終わったぞ」

「とりあえず最初の一個だね」


 さっそく門に道具を設置する。ラグルスの作業中に周囲を警戒していたノナが街を囲む壁を見上げた。

 ここは王城を中心として円形に街が広がり、それを高い壁が包むようにぐるりと一周のびている。今は半分ほど崩れ東西にある門以外からも出入りできるが、昔はきっとこの壁が人々を守っていたのだろう。

 そのようにノナがちょっとだけ感傷にひたっていると、ラグルスが声をかけてきた。


「さあ、早く終わらせるぞ」

「そうだね。ぐるっと回りながら設置していくんだっけ?」

「ああそうだ」


 かつてこの国には王都を含めて7つの領地を有していた。ここが廃墟と化した日以降、比較的遠い土地は周辺の国が治め、瘴気の影響がひどかった近い町は人がいなくなりこれまた廃墟となっている。

 瘴気が最も強い王都での作業だ。もちろん前回問題がなかったように、二人とも魔物にも瘴気にも影響を受けることなく活動できるだろう。しかし今回は安全性を重視し王都の中ではマシな外側から道具を設置していき、徐々に渦を描くように中心部へと向かう予定である。


「そういえば、後から助っ人が来るかもって話じゃなかった? 誰が来るんだろうね」


 ノナが思い出したように言う。出発する際に、もし間に合えば途中で人員が増えると告げられていたのだ。

 彼女の言葉を聞いてラグルスが口角を下げた。


「主神教の神官が来るぐらいなら、俺としてはむしろ先に終わらせてしまいたいが」

「もーそういうこと言う~。でも『かも』ってだけだし待つよりサクッと行動開始したほうがいいか」


 話しながら二人は壁伝いに歩き始めた。等間隔に浄化道具を設置し、時折立ち上がって襲いくる骸骨などの魔物を叩きのめし、その数や強度を記録していく。それを続け、ちょうど反対側の門へと到着した。


「——ぃ————おーい——!」


 ラグルスがまた道具を用意しているところを眺めていると、こちらを呼ぶ声が聞こえた。ノナがそちらのほうを向く。


「あれは……眼鏡くん?」

「助っ人とやらはあいつらだったのか? 下手な神官よりはまだいいが……」


 彼女の言葉にラグルスも同じ方向を見る。視線の先からやってきているのは、勇者とその仲間たちだった。


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