004 1-2-1 異教の信徒たち
【生きたい】悪役魔術師ラグルスになった女のスレ 2
36:1 ID:V1lLa1n+
さて旅立ちから三週間たったわけですが……
結果
ダンジョン二つ攻略
聖物ひとつゲット(ただし壊れてる)
成果いまいち!
38:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx
>>36
あとお前が魔術の扱いクソ下手なのもわかったな
39:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH
1つ目のダンジョンのボス戦でダンジョンごとボスを消し飛ばしてたよな
41:名無しの転生者さん ID:265chUaK
> ただし壊れてる
壊したの間違いだろ
44:名無しの転生者さん ID:KeCy8LvA
2つめのダンジョンは軽めの魔術しか使わなかったせいでアホほど時間かかってたし
45:名無しの転生者さん ID:ga+SlRKR0
イッチが屋内では実質的に超初級魔術か身体強化して殴るかしかできへんの不利すぎるやろ
43:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL
よくマッチポンプの時お嬢さまたちを回復できたな
50:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x
>>43
確かに
この扱いの下手さでちゃんと回復魔術使えたのは奇跡だろ
53:1 ID:V1lLa1n+
実は憑依した日に部屋の中で風の魔術使って跳んで天井に頭ぶつけたんだよね
それでちょっと流血して回復魔術の重要性を悟り必死に猛練習して今よ
それでも加減が難しくて時間かかるけど
あとマッチポンプではない
56:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL
>>53
初日に既に馬鹿をやってたのかお前
57:名無しの転生者さん ID:qJfRGTx3
>>53
必死になれば出来るようになるなら他の魔術も死にかけながら練習したら上手く扱えるようになるんじゃね?
61:1 ID:V1lLa1n+
>>57
ほんとに死んだら嫌だから嫌
55:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx
あーあ
お前が聖物壊してなかったらサクッと目標達成してたかもしれないのに
あーあ
60:名無しの転生者さん ID:NOyRit2T
こわした聖物って強さ的にはどんなものだったの
聖剣のかわりになりそうだった?
65:1 ID:V1lLa1n+
>>60
いや全然
もし聖剣の代用品になるレベルだったらもっと落ち込んで他のスレ荒らしたりしてたわ
66:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx
>>66
たとえそうだったとしても荒らすなカス
70:名無しの転生者さん ID:265chUaK
壊したやつがハズレだったのは不幸中の幸いってやつか
68:名無しの転生者さん ID:ga+SlRKR0
実際聖剣ってそんなすごいの?
聖剣に関わったことないからイマイチわからん
73:1 ID:V1lLa1n+
>>68
他の世界の聖剣は知らないけどこの世界の聖剣はつよつよ
斬っても刺しても叩いてもビームを出しても強い
時たま絆の力()に反応して勇者くんをバフったりもする
76:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH
>>73
ビーム??
77:名無しの転生者さん ID:qJfRGTx3
>>>73
ビーム出んのその聖剣w
81:1 ID:V1lLa1n+
終盤にラグルスくんが謎のクソデカ機械人形出してきてそれを勇者くんが聖剣ビームで破壊する
その話が出た時は作者乱心って言われてた
82:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx
終盤はなんか突っ込みどころ多かったなあの作品
84:名無しの転生者さん ID:KeCy8LvA
途中からストーリーが割とグダグダになってたけどあれはあれですこ
85:名無しの転生者さん ID:265chUaK
>>81
その描写があったから最初に機械人形を探してたのか
87:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL
>>81
自分の体が謎のクソデカ機械人形でもいいのかお前は
86:1 ID:V1lLa1n+
そんなつよつよビーム聖剣の代わりはなかなか見つからなさそうでしょんぼりしてる
1つで強大な力がある聖物じゃないとダメらしいし数を集める作戦も使えない……
90:名無しの転生者さん ID:Samw2rAi
>>86
きっといつか見つかるでござるよ
気を取り直して次に行くでござる
91:名無しの転生者さん ID:k/ngWZ8e
そうそう
人生山あり谷ありってね
*****
スレッドに書き込まれた慰めを見て彼女は言う通り気を取り直して次に行こうと考えた。
それほど失敗を引きずらないのが、彼女の考える自身の数少ない良いところである。ちなみに他の良いところはありがとうとごめんなさいがきちんと言える事だ。前々世の母による教育の賜物である。
今彼女は3つ目のダンジョンである”異教の廃神殿”が近くにあるとされる町にいる。
この世界では創造神を祀る主神教が一番力を持ち、その他の宗教は冷遇されている。
中でもこれから行く廃神殿を建てた異教はかつて主神教の聖騎士たちに攻め込まれ、ほぼ滅ぼされてしまっていた。
廃神殿はその異教の聖地であり、今も聖地を取り戻したいと周辺にわずかながら信徒がいるらしい。
「主神教か……」
主神教の聖騎士たちはかの廃神殿の中心、祭祀場に聖物を設置した。
聖物の影響で異教の神殿は入る者全てを排除する主神の使いを模した石像が陣取るダンジョンと化し、信徒たちは聖地を諦めざるを得なくなったという。
廃神殿は町のすぐそばの山——彼女には超巨大な岩にも見えた——のどこかに隠されているそうだ。
正直、主神教の行いは気に食わない。だからといって何か行動する気もないが。
……とにかく行ってみるしかない。
彼女は町で物資の補充を終えると早速山へと足を運んだ。
*****
【生きたい】悪役魔術師ラグルスになった女のスレ 2
108:1 ID:V1lLa1n+
山をテクテクしてたらなんか民族衣装っぽい服着た集団がゴーレム的な魔物数体に襲われてる
どうする?
ニア みすてる
たたかう
かえる
111:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH
速攻で見捨てようとするな
112:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x
屋外だし魔術使えるだろ
115:名無しの転生者さん ID:8g5rJ5Gm
>>108
「みすてる」と「かえる」は実質同じやんけ
119:1 ID:V1lLa1n+
目の前で死なれても面倒だし聞き込みもしたいし元々助けるつもりやで
ついでに魔物肉リベンジするぞ
行くぜそれなりの魔術!
[動画ファイル]
122:名無しの転生者さん ID:NOyRit2T
>>119
地面からいきなり超でっかい氷柱が!
124:名無しの転生者さん ID:fa1nEB/X
>>119
顔がいい
魔術もカッコいい
最高
125:名無しの転生者さん ID:GEnKa2iT
いいなあファンタジー世界……
わたしも魔法とか魔術とか使ってみたい
129:名無しの転生者さん ID:KeCy8LvA
>>125
ファンタジー世界に生まれても魔法が使えるとは限らないぞ
133:名無しの転生者さん ID:ga+SlRKR0
剣と魔法の世界で魔力無しに生まれたワイちゃん、現実にむせび泣く
130:1 ID:V1lLa1n+
魔物肉チャレンジ成功でほくほくしてたら、集団の長っぽいおじさんが話しかけてきたよ
長おじ「ありがとうございます、旅の方。あなたはいったい……?」
私「通りすがりの者だ。助けたのではなくただ聞きたい事があっただけだ(どういたしまして。ところで聞きたい事があるのですが)」
素直に感謝を受け取らせてくれない自動補正くん
134:名無しの転生者さん ID:8g5rJ5Gm
>>130
感謝とか称賛は素直に受け取った方が人間関係うまくいくぞ自動補正くん
135:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx
そんなだからぼっちキャラなんだろうな
138:名無しの転生者さん ID:GEnKa2iT
>>135
ラグルス・ヴィア・ヴォロスはぼっちじゃない!!
141:名無しの転生者さん ID:265chUaK
>>138
過激ファンいて草
139:1 ID:V1lLa1n+
まああんまり善人だと思われたくないから自動補正もそこまで都合悪くないんだけどね
142:名無しの転生者さん ID:fa1nEB/X
>>139
えーそうなの?
143:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x
好感度高い方がよくね?
146:1 ID:V1lLa1n+
>>143
元々いい人だって思われてたらなんかあったとき一気に評判悪くなるじゃん
日本でも清純派アイドルの方がお騒がせタイプよりスキャンダルが致命的になるのでは?
148:名無しの転生者さん ID:qJfRGTx3
>>146
あー落差がね
149:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL
>>146
元からお騒がせキャラだった方がダメージ少ないのはあるな
151:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x
>>146
ゲイン・ロス効果ってやつ?
154:名無しの転生者さん ID:8g5rJ5Gm
>>146
いうてラグルスの場合元の好感度がマイナスなんだから多少上がっても問題ないのでは
150:1 ID:V1lLa1n+
そういう訳で目の前で死なれても嫌だし助けるかあって時でもあんまり好感度稼がないようにしたい
前のお嬢様みたいになっても面倒だし……
153:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x
>>150
あのマッチポンプの被害者な
158:名無しの転生者さん ID:qJfRGTx3
騙されてこんな奴に惚れるとは可哀想に
161:1 ID:V1lLa1n+
マッチポンプではない
騙してもない
この集団に異教の廃神殿のこと聞いてみる
*****
彼女は聞き込み調査というものに——というより人付き合い全般に——特別自信はないが、せっかくのチャンスだ。無駄にはしたくない。
「この辺りに異教の廃神殿があると聞く。貴様らは何か知っているか」
「…………!」
異教の廃神殿の名を出した途端に民族衣装の者たちの顔色が変わった。何か知っているらしい。
「かの神殿に、いったい何のご用でございましょう」
集団が顔を見合わせた後、長らしき男が意を決したように言葉を発した。
もしかすると彼らは異教の信徒なのかもしれない。信徒たちは聖地を求めずっとこの周辺にいるというし。
そうであれば下手に嘘をつくよりも、正直に目的を伝えた方が彼らにとっても都合がよいのではないか。
ここは丁寧に誠実に話をしてみよう。
「その神殿にあるという聖物を俺が奪い取ってやろうと思ってな。案内しろ」
口調がどうしようもなく終わっている。彼女は口角を上げ少しでも印象を良くしてみようとした。
しかし表情にも自動補正があることを考えると、失敗だったかもしれない。彼らの反応を見る限りラグルスの表情筋は相変わらず悪い顔を作っているようだ。
自動補正に悪くされるばかりの印象をどうにかするより、彼らにも利がある事を指摘すべきか。
「貴様らは異教の信徒だろう? 聖物が無くなれば都合がいいんじゃないのか?」
「……本当に、聖物を持ち去ってくれるのですか」
男が探るような視線を送ってくる。
「ああ。……先ほどの魔物ごときに苦戦するようでは、聖地を取り戻すなど夢のまた夢だろう」
「…………」
彼女の言葉に信徒たちは苦い顔を見せる。これまでずっと歯痒い思いをしてきたのだろう。
彼らは何やら話をしだした。
不安なのはわかるがどうか、提案を受け入れてほしい。ぶっちゃけそれでウィンウィンじゃないか。
彼女は半ば祈るような気持ちになった。自分1人でこの広い山を探し回るのは、考えただけでも面倒である。いったい何日かかるんだろう。
「わかりました、ご案内いたします。……どうか、我らに聖地を取り戻して下さい」
彼女が待つのにわりと飽きてきて、「じゃあもういいです」とでも言おうかと思ったころ、男が提案を受け入れた。
「フン、それでいい。さっさと案内しろ」
ありがとうの一言も言えねぇのか、と彼女は内心舌打ちした。