表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私in俺!〜悪役憑依と転生ちゃんねる〜  作者: 吉祥 瑞喜
4章 不本意ながら世界の真実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/76

035 1-4-9 彼女の決意

【生きたい】悪役魔術師ラグルスになった女のスレ 11


630:1 ID:V1lLa1n+

 【ラグルス・ヴィア・ヴォロス】

 撫でレベル★★★★☆

 弟妹がいるからか慣れを感じる撫で。

 経験によって培われたと思しき手つき・ちゃんとこちらの反応を確認しながら撫でるさまは兄ぢからを見せつける。

 欲を言えばもう少し変化が欲しいところ。


632:名無しの転生者さん ID:fa1nEB/X

 おかえり


633:名無しの転生者さん ID:8g5rJ5Gm

 >>630

 書き込みが途絶えたかと思ったら何しとるんや


635:名無しの転生者さん ID:qJfRGTx3

 >>630

 急に撫でソムリエ始めないで

 ちゃんと疑問点とか全部聞き出して


637:名無しの転生者さん ID:ga+SlRKR0

 話の続き はよ


641:名無しの転生者さん ID:4SYXSMAq

 続きマダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン


636:名無しの転生者さん ID:hEr0iNE/

 >>633

 なんで撫でられとるんや?


638:名無しの転生者さん ID:GEnKa2iT

 いきなり撫でられるの嫌な人も多いと思うけどスレ主はいいの?


645:1 ID:V1lLa1n+

 >>636

 なんか急に撫でられたけどラグルスくんの意図はわかんないです

 よくわかんないけどそういう年頃なんじゃない

 知らんけど


 >>638

 ちやほやされるのは割と好きなのでセーフ


 ラグルス「あの聖剣に何度も貫かれたことが、おそらく俺の魂が弱っている原因だろうな。あれは魂まで砕くほどの兵器だ」

 私「聖剣こわ」

 ラグルス「一度きりならあまり影響はないとは思うが、貴様も何か異常を感じた時はすぐに言え」

 私「聖剣こわ」


 聖剣こわ

 この前の聖剣ズブブの時、魂まで傷つけられてる感じがしたの気のせいじゃなかったみたい


648:名無しの転生者さん ID:k/ngWZ8e

 聖剣ってすごいねぇ


649:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 聖剣激ヤバ伝説が増えてくな


652:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL

 ・世界を、特に勇者を“導いて”特定の結末に誘導する

 ・なおその結末の決定方法はガバガバ

 ・現在ラグルス絶対殺させるマンと化している

 ・目的が達成できそうにないと世界をループさせる

 ・魂を砕く ←New!


655:名無しの転生者さん ID:hEr0iNE/

 ワイちゃん転生先で聖女ヒロイン()やってて周りに聖剣持ちおるんやが……

 怖くて夜しか眠れんわ


656:名無しの転生者さん ID:8g5rJ5Gm

 >魂を砕く

 ラグルスくん大丈夫なんか?


662:名無しの転生者さん ID:wCqsy9zr

 >>656

 大丈夫じゃないから弱ったうえになんか変な奴が入って来ちゃったのでは


658:1 ID:V1lLa1n+

 えーと、次はなんでラグルスくんが今までこんなことを黙ってたか、だよね

 ちゃんと理由を聞いてきたんだけど……



*****



「貴様に話すことなど何もない。去れ」


 俺がそう言葉をぶつけると、目の前の者——勇者の仲間の1人、独特な訛りのある風変わりな装束の男は去っていった。

 いったい何回繰り返したかわからないある回でのこと、俺が何かを隠していると感づいたそいつはしつこく問いただしてくる。

 男は去り際に気が変われば言ってほしいと残していったが、俺は他人に頼る気など全く無かったのだ。



  *



「また貴様か。何度来ようと答えは変わらない」


「……ハァ。貴様、よほど暇なのか? ……何度も言わせるな、貴様に話すことなどないんだ」


「……貴様もよく飽きないな。仲間に邪推される可能性を考えないのか?」


 しかしその後も、男が諦めることはなかった。

 何度も何度も、ここまで俺につきまとえば男が仲間たちに何か勘ぐられるのではないかと思うほどの勢い。

 それに根負けしたのは俺が殺されるはずの時期よりひと月ほど前のことだ。


 今までの繰り返しでは起きなかった出来事に、俺は無意識に期待していたのかもしれない。

 この男が何か、変化をもたらしてくれるのではないかと。

 俺は男に聖剣のことを話した。

 その途端。


「っぁ——」


 ばしゃり、と生ぬるい何かがかかった。

 目の前を見れば男の体が縦に裂けて裏返っている。

 そうしてできた塊は、この状態になってなおもぴくぴくと動きながら何か声を上げていた。



  *



「結局その男が死に絶えるまで、なぜか俺は全く身動きができなかった。治療を試みることも、その場を立ち去ることも、目を背けることもできずただそれを見ていたんだ」


 ラグルスが疲れたようにひとつ息を吐きだす。


「動けないだけじゃない、あの時おそらく俺は精神汚染も受けていた。直接魂に何か、恐れのようなものをたたき込まれるような……そのような感覚だった」

「ラグルスくん、大丈夫?」

「いや、……ああ、すまない……」


 ラグルスが目をふせる。

 彼女はといえば彼の話した内容に言葉を失っていたものの、そのあまりの顔色とふらついた体に慌てて声をかけ体を支えた。

 そしてラグルスは続きを話す。


「男の命が尽きたかと思えば、すぐに世界が巻き戻った。殺されることなく戻ったのはその1回きりだ」

「じゃあ、その人は次から何か言うことがなくなったってこと?」

「……そもそも、いなかった」

「え?」


 彼が目を伏せ語る。


「次のループから、その男の存在が確認できなくなったんだ。……世界のどこにも、存在した痕跡さえ見当たらなかった」



*****



【生きたい】悪役魔術師ラグルスになった女のスレ 11


694:1 ID:V1lLa1n+

 それ以来ループのことは誰にも打ち明けなかったそうです


695:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx

 >>694

 こえーよ!

 なんだよ縦に裂けるって!?


697:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH

 人体が縦に裂けて裏返し

 なんかのホラーにありそうな現象


699:名無しの転生者さん ID:a7d8VEnt

 >>694

 なんでそいつ消えたの?

 いらんこと知ったから聖剣くんが処理しちゃった??


700:名無しの転生者さん ID:qJfRGTx3

 >>694

 グロい話するならちゃんと※グロ注意って書いて


701:1 ID:V1lLa1n+

 ※グロ注意


705:名無しの転生者さん ID:qJfRGTx3

 >>701

 今じゃなく話する前に先に書いて!


702:名無しの転生者さん ID:wCqsy9zr

 >>699

 > いらんこと知ったから聖剣くんが処理しちゃった??

 でもいらんことはもうとっくにラグルスくんが知ってるじゃん


708:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 >>702

 ラグルスくんは悪役として必要だったから説


709:名無しの転生者さん ID:8g5rJ5Gm

 いままでのループと違う!って希望持ったとたんにこの仕打ち

 聖剣くん曇らせ好きだったりする?

 気が合うやん


711:名無しの転生者さん ID:wCqsy9zr

 >>709

 聖剣くん曇らせ性癖説は草


715:名無しの転生者さん ID:ga+SlRKR0

 聖剣持ちワイ、あまりの風評被害にむせび泣く


716:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL

 聖剣くんの性癖は置いておいて1的にはこれからどうするとかあるのか?


718:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx

 >>716

 ・聖剣くんをなんとか止める

 ・殺されないうちに自分の体をゲットして問題からオサラバ

 イッチの選択肢ってこの2つぐらいしかなくね?


722:名無しの転生者さん ID:ZaYM4VEH

 >>716

 自分の体を入手しても根本的に聖剣くんをどうにかできないとラグルスくんがループさせちゃうのでは


724:1 ID:V1lLa1n+

 >>708

 ラグルスくんもそれ推察してた>悪役として必要


 >>716

 姉の私としてもララちゃんリオちゃんが悲しい結末迎えるとか許せんのであの聖剣クソ野郎はなんとかしたいところ


727:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 >>724

 お前まだ姉のつもりになったままなのか?


730:名無しの転生者さん ID:hEr0iNE/

 >>724

 1クン、君は知らんかもしれんけど1クンは姉ちゃうねん

 赤の他人やねん



*****



 ——そもそも私から2人に会いに行こうって言ったんだし、ラグナスくんの策略ではありえないだろうけど。


 ラグルスを眺めながら、彼女は考える。


 ——2人へのあの感情を知ってしまった私が、あの2人に家族の情を持ってしまった私が、あんな……あんなにひどい結末を見過ごすなんてできない……!


 ラグルスの弟妹への感情を直に味わってしまった彼女が、決意した。必ずやかの聖剣を、その装置の定めた運命を打ち壊してみせると。


「結局あのクソガバをなんとか止めるしかない……聖剣をどうにかできれば私の体用素材も手に入るし一石二鳥!」


 ぐっ、と拳を握り彼女は意気込んだ。

 そこへラグルスが問いかける。


「先ほどから何か言っているが……策でもあるのか?」


 その目にはわずかに期待が見て取れた。彼からすれば、彼女は今までのループに変化をもたらしている曙光である。

 本人は後に絶望することになる不安を考え期待すまいとしていたが、それでも彼女という存在に何かを見出そうとしてしまう。


「ふっふっふ……この私には策がある!」

「なんだと!? いったいどういうものだ!?」


 かなりの勢いで食いついたラグルスに、胸を張って彼女が答えた。


「まずは……自撮りする!」

「…………は?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ