表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私in俺!〜悪役憑依と転生ちゃんねる〜  作者: 吉祥 瑞喜
4章 不本意ながら世界の真実

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/76

034 1-4-8 けれど知らずにいられない

【生きたい】悪役魔術師ラグルスになった女のスレ 11


530:1 ID:V1lLa1n+

 はい、( ᐛ )?(੭ ᐕ)?な顔してるスレ民のために有能スレ主がまず既出の情報をまとめてきたよ


 ・創造神が世界に介入する手段として聖剣を作ったよ

 ・聖剣は世界の外から入力された命令に従ってこの世界を変えちゃう

 ・聖剣はたぶん『ラグルスが勇者に討たれる』のを世界の『正しいあり方』として設定してるっぽい

 ・↑を実現するためになんと周りの人たち(特に勇者)を操ったりすることも!

 ・絶対正しい結末に持っていけなくなると聖剣は世界を巻き戻します、例えば勇者が途中で死ぬとか

 ・ラグルスくんは弟妹の不幸が許せないので、自分が死ぬ度に勇者ぶっ殺で『正しいあり方』に行き着けなくして聖剣にループさせつつ情報収集してました

 ・ラグルスくんが記憶ある理由は不明


532:名無しの転生者さん ID:ga+SlRKR0

 1くんありがとぉ〜( ᐛ )


533:名無しの転生者さん ID:NOyRit2T

 >>530

 まとめてくれてありがと

 でも俺くん5行以上の文章読めない(੭ ᐕ)


535:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx

 >・↑を実現するためになんと周りの人たち(特に勇者)を操ったりすることも!

 これがめちゃくちゃ嫌すぎる


538:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 個人的にフィクションならいいけど現実でかち合いたくない現象No.1、洗脳


539:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH

 前に出た情報で


 >死についてより深く悟るほど力を得られる

 >大量の死を見たり感じる機会があると悟りが深くなりやすい


 これループして自分が死にまくる→悟り深まる→パワーアップ!のコンボ決まってね?

 魔力量がバケモン扱いされるほどなのもこれが原因では?


541:名無しの転生者さん ID:ZaYM4VEH

 >>530

 ラグルスくん、殺されるたびに「よっしゃ勇者ぶっ殺してループしよ^^」てしてんの?

 こわ……


543:名無しの転生者さん ID:4SYXSMAq

 >>541

 自分が何度殺されようとも家族のために繰り返す……愛だね!

 美しい!


548:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 >>543

 弟妹2人のために何回もやり直してるのはまあ愛といえば愛……か?

 美しいってよりだいぶ重いな


550:名無しの転生者さん ID:fa1nEB/X

 >>530

 何回も操られては殺されてる勇者くん、シンプルにかわいそう


547:名無しの転生者さん ID:cK+znvSk

 >有能スレ主

 箇条書きの割にあんまりまとまってないしそこまで有能でもないですよ^^;


552:1 ID:V1lLa1n+

 有能ソムリエにダメ出しされちゃったでちゅ……(◞‸◟)

 次にラグルスくんと私で話し合って推測した現状ね


 ラグルスくん曰く、ふいに異なる世界の出来事を垣間見たり、そういうのを視る能力を持つ人がいるらしい

 で、原作の作者もそういう現象でこの世界でのラグルスくんと勇者くんのことを見て、原作小説を書いたんじゃないかって

 ラグルスくんの体験と途中までは一致してるから多分そこまでを実際に見て、あとは作者が妄想で最後まで書いたんだと思う


553:名無しの転生者さん ID:k/ngWZ8e

 >>552

 異世界のことを視る、ってのはごくまれに聞く現象だねぇ


555:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL

 小説の世界に来ちゃった!じゃなくて実際に存在する世界の小説ができちゃった!

 って順序なのか


556:名無しの転生者さん ID:4SYXSMAq

 作品の世界に転生ってたま~にレアケースながらちゃんねるで見かけるけど、こういう仕組みで起きてるパターンもあったのかなあ


562:名無しの転生者さん ID:RCUT9dEx

 >>552

 あの小説って途中まで「人間が書けてる」って言われてたのに最後の方がガバガバって評判だったよな

 いきなりクソデカロボットみたいなの出てきたりして

 ガバ部分が作者オリジナルだったからか?


561:1 ID:V1lLa1n+

 で、原作小説がランキング入りして書籍化される程度には人気になって多くの人が小説を読んだよね

 ところで聖剣が命令を受け付ける対象が「この世界の外側からこの世界に向けられる想い」っぽい

 これ多分、小説を知った人が原作小説の最後が正しい結末だと認識する→聖剣に入力されて小説の結末が『正しいあり方』として設定される

 こういう流れでこのありさまになったのでは?って話になった


 つまり、あの聖剣とかいうクソガバ装置を作ったクソバカ創造神が元凶……!


564:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 >>561

 仮にも創造神に対してクソバカってお前


565:名無しの転生者さん ID:Ldh7TgdZ

 まあイッチも苦労させられてるから……


569:名無しの転生者さん ID:wCqsy9zr

 >>564

 正直言って聖剣の脆弱性とその結果を考えるとクソバカ呼ばわりも致し方なしでは


566:名無しの転生者さん ID:oQyvScqi

 ワイら読者がアレな状況を作っちゃったんやな

 ちょっと罪悪感を感じないでもない

 ほんのちょっとだけ


570:名無しの転生者さん ID:fa1nEB/X

 原作ファンとしては心が痛い


572:1 ID:V1lLa1n+

 まあ私も読者だから一因とも言えるんだけど小説読んだだけでこんなことにつながるなんて夢にも思わないでしょ

 そもそもクソバカのクソガバのせいだから


 原作の後日談で弟妹2人が悲惨なことになってる話がある

 ラグルスくんがループ時にみる2人の末路もたぶんその後日談のせい

 最後の方でラグルスくんがやってない悪事で追われるのも、勇者が悪役を倒す話だからそれに見合った悪事の犯人にされてるんじゃないかな

 で、世界一導かれてる勇者くんの話が通じなかったのも↑の状態をムリヤリ再現してるからだと思われる


575:名無しの転生者さん ID:hEr0iNE/

 >>572

 ガバガバ装置と原作小説のマリアージュでえらいことになっとるやんけ


580:名無しの転生者さん ID:9C5y+U4x

 毎回かわいい弟妹の死ぬところ見せられるのキッツイな……


577:名無しの転生者さん ID:ZaYM4VEH

 >>572

 やってない悪事ってどんなの?

 勇者くんが妄想で存在しない事件を追ってる感じ?


578:名無しの転生者さん ID:GEnKa2iT

 つまり私たちも原因……つらい……

 ラグルスくん的には小説のファンも憎んでるのかな……


581:1 ID:V1lLa1n+

 >>577

 やってない悪事、実際に事件そのものは起きるみたい

 ラグルスくんの知らん街が1こ滅びるとかなんとか

 他の誰かがやったのがラグルスくんのせいになるのか、それとも聖剣パワーで街が滅びるのかはわかんないけど……


 >>578

 ラグルスくんは異世界の人々よりどっちかというと創造神と聖剣を憎悪してるっぽい

 作者と読者は小説を書いたり読んだりしてただけだけど、創造神は創造神なんて立ち位置のくせにかなりやらかしてるから、って感じのことを言ってた


586:名無しの転生者さん ID:hEr0iNE/

 聖剣とかいう激ヤバ装置


583:名無しの転生者さん ID:5PZyVgBL

 >>581

 街が1つ滅びるって…

 聖剣パワーのせいだったら怖すぎるが


587:名無しの転生者さん ID:4SYXSMAq

 街が滅びるってやつ、原作で1行だけ書いてあった気がする

 転生したせいで手元に小説ないから確認できないけど


589:名無しの転生者さん ID:uqKO/6oH

 まあただ創作を楽しんでた奴<<<クソガバ装置の制作者ってのはわかる

 それでも俺だったら作者読者も恨んでるかも



*****



 書き込みを見ながら、彼女はラグルスをちらりと見た。

 スレッドではああ言ったものの彼は本当にこちらを恨んでいないのだろうか、とふと不安になったのである。


「……なんだ?」


 長く話し疲れでもしたのか、黙り込んでいたラグルスが短く問う。


「いや、その……。ほんとに私含め読者を恨んだり憎んだりしてないのかなって、私だったら多少は悪く思っちゃうかも……」

「さっきも言ったように貴様らはただ小説を楽しんでいただけだろう。この状況の元凶はあくまで創造神だ、それと聖剣以外に対して思うところなどない」


 もじもじしながら心情を吐露する彼女の目をまっすぐに見つめラグルスが答えた。


「それに聖剣があのように簡単に命令を受け付けるなら、貴様の世界で小説が世に出なくともいずれ同じことが起こっていただろうよ」


 そう言った彼は苦笑を浮かべている。彼女から見てラグルスの顔に嘘は見えない。

 それでもしおしおとうつむいていた彼女だったが、不意に頭へ何かが触れる。


 ゆっくり顔を上げてみれば、なんとラグルスが彼女の頭をなでていた。

 特に表情が変わっていないため彼の意図はわからないが、彼女はある程度慣れた者が相手であればなでられることは好ましく思うたちである。

 なので彼女は振り払ったり避けることをしない。


 ——……この人なでるの上手いな。兄だからかなあ。


 その手つきに彼女は、今までの生において彼女を暖かな手でなでてくれた人たちを思い出す。

 彼女はしばらく、そのまま大人しくしていたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ