運命の相手がチュパカブラに見える眼鏡をかけているのだが、どうやら転校生が俺の嫁(仮)らしい
(*´ー`*)しいたけガチャ作品です。
【原案】しいたけ
【構成・執筆】くまのほたり
「オイラのメガネがーーーーっ!!!!」
残骸と化したmyグラッシーズ。
両手で拾いあげて、ありし日の思い出を忍ぶ。特にないけど。
4トントラックに轢かれれば壊れると思ってはいたが。
想像以上に粉々だ。
転んだ拍子に飛んでいき無念の死を遂げた眼鏡の亡骸をケースに納める。
「眼鏡が無いとなんも見えんな」
裸眼で視力0.0000000001しかない俺。
世界がぼんやりとした光の三原色に満ちる。
「ヒッヒッヒッ……何やらお困りのようじゃのう?」
後ろから老婆のような声が聞こえた。
きっと老婆だろう。
「この眼鏡をおぬしにやろう。」
「眼鏡!? それをくれ!!」
「あっ、まだ説明なうじゃ」
「ふぐうっ!」
強烈なボディブローを喰らう。
うずくまった俺の頭上から、加齢臭と共に声が落ちる。
「やれやれ。せっかちは身を滅ぼすぞえ。いいかえ?この眼鏡でチュパカブラが見えたら、それがおぬしの運命の相手じゃ。
キッスをかませば、チュパカブラの呪いは消える。さあ、かけるのじゃ」
「ちょっと待って!情報が多い!」
「ヒッヒッヒ……どこを見ておる。わしはこっちじゃ」
急に加齢臭が近づいてきたと思ったら、視界がクリアになった。
眼鏡をかけられたらしい。
目の前には電柱。
「…………ごほん」
軽く咳払いをして、眼鏡のブリッジを中指で押し上げる。
振り返ると、老婆。
「あっぶねー。ここでチュパカブラ見えたらどうしようかと」
「ヒッヒッヒ……わしには墓に入ったマイバターハーフがおるからのぅ。残念じゃが」
「残念でもないし。それに言うならマイベターハーフな」
「……ごほっごほっ。まあ、それはさておき。運命の相手を見つけたら、キッスするんじゃ。そうすればチュパカブラ姿は消えるからのぅ」
「キッスしなければ?」
「ずっとチュパカブラに見えるだけじゃ」
「じゃあ、いいか」
「キッスしないのかえ?すればそのままパフパフなことやらニャンニャンなことやら、やりたい放題じゃぞ?」
「ぱ、パフパフ……ニャンニャン……」
昭和の香りがする。
ジェネレーションギャップに慄きながら、老婆の言わんとすることを理解した。
「でも、チュパカブラなんでしょー?」
言外にかわいい子がいいと伝える。
老婆はニヤリと嗤うと、そっと懐からスマートフォンを出した。
「言うたじゃろう?おぬしにだけ、そう見えるんじゃ。カメラで撮影すれば、おなごの顔もわかろうて……ヒッヒッヒ……」
「まぁ、それならいーですねー」
胡散くさいことこの上ない。
しかし、この眼鏡、フレームのサイズもレンズの度数も俺にぴったりだ。
ためしに周りを見ても、いつも通りの通勤通学ラッシュの様子。
どこにもチュパカブラ姿は見えない。
きっとこの老婆の出まかせだろうな。
嫁(仮)のチュパカブラの話を抜きにしても俺にはありがたい。
タダでくれるようだし、もらっておけ。
「学校に遅刻するから、それじゃ!
いい眼鏡をありがとう!」
老婆に手を振り、全力ダッシュで学校へと向かう。
新しいメガネで、やる気はMAXだ!
「突然だが転校生を紹介するぞ」
文化祭前のクラスは妙にテンションが高い。
更に転校生が来るとなってボルテージはキャリーオーバーとなった。
いつも通りの高校の制服姿で、男子も女子も盛り上がっている。
しかし、俺は……絶句してしまった。
何故なら、転校生が、チュパカブラにしか、見えなかったからだ!!
しかも、しっかり夏服!!
楚々とした足取りで、教室に入ってきたのは、チュパカブラ。
目は裂けて出てきたようにてらてらとひかり、スカート姿の夏服の背中からは何か出てるし。
見間違えることなく、チュパカブラ。
「…………!」
チュパカブラは、教室に入ってくると丁寧におじぎをした。
「今日からお世話になります。蕪子と申します。よろしくお願いしますね♡」
「女の子だー!!!!」
「ヤベェ可愛い!!!!」
まるで芸能人がやって来たかのような大騒ぎ。
な、なんだと?! みんなにはチュパカブラに見えないのか?!
「おい保樹! なにボーッとしてんだよ? 女の子だぜ? しかも超激カワじゃね? 俺張りきっちゃうよぉ?」
隣でさわぐ友人を哀れみの目で見ておく。
だが、クラス中は彼女に大興奮。
誰一人奇々怪々とした感じは無く、どうやら俺だけがおかしいようだ。
怖いもの見たさで、じっと転校生を見つめていると、隣から友人に肩をつつかれた。
「保樹ぃ、さては……惚れたな?」
「…………えぇ……?」
肘でツンツンしてくる友人を、もう一度哀れみの目で見ておく。
が、ココで俺は老婆の言葉を思い出した。
あの転校生がチュパカブラに見える。
ということは、俺の嫁候補?
俺はメガネの真ん中をくいっと上げて、動揺を押し隠した。
その時、担任の村山とメガネ越しに目が合う。
「蕪子の席は……アイツの隣だ。保樹! 頼んだぞ!」
「!?」
「よっしゃ! 隣の隣だ!!」
担任に席へと促され、チュパカブラが歩き出した。その姿はまさしく歩くチュパカブラ!
「保樹ぃ……俺、興奮しすぎて鼻血が出そう……」
哀れな友人に、机の中に押し込んであったタオルを投げる。
あ、昨日牛乳拭いたんだっけ。まあいいか。
「宜しくね♡」
「ぶふぅ……!!」
着席したチュパカブラが、俺に向かって声をかけてきた。
なお、たった今、鼻の粘膜が決壊した哀れな友人は、タオルを血に染めながらマーライオンのごとくリバースした。
「よ、よろしく……」
何とか返事らしき言葉を返す。
「蕪子ちゃん! 俺、勇司! 今は訳あってゲロ塗れだけどヨロシクな!」
「よろしくね、勇司くん」
「嬉しオェェェ!!」
粗相をぶちかます友人に、チュパカブラは鈴を転がすような声で笑った。
「じゃ、授業始めるぞー」
休み時間になり、チュパカブラの周りに女の子が集まる。
食われそうな絵面だな。
いや、吸血されそうな、が正しいのか。
その傍らで、鼻血とゲロにまみれた勇司は、女の子たちから冷たい視線を浴びている。
「俺……保健室行ってくる」
「お、おう。気をつけてな」
「……うん」
教室を出る勇司は、粉々になった眼鏡を思い出させた。
「えー、蕪子ちゃん、髪きれー」
「お肌もすべすべで、いいなぁ」
「あ、一緒に撮っていい?」
きゃっきゃっとはしゃぐ女子ども。
チュパカブラの髪の毛はどこだ?
それにしてもスカートのひらひらが座っている俺の顔に近い。近いぞ!見えるぞ!気にしろ!
俺は空気か!
シャッター音が鳴る。
「あ、かわいい!見て見て!」
空気の俺は、そっと画面を盗み見た。
「…………!!」
なんということだろう。狢坂19の田中栄美ちゃんに似ている!!
ぽってりとした唇に、セクシーな目元。
それなのに、全体的に可憐さが漂う。
だが、俺が直接見るとチュパカブラ。
『この眼鏡でチュパカブラが見えたら、それがおぬしの運命の相手じゃ』
雷のように老婆の声が頭に響いた。
いや、違うな。
耳にかけている眼鏡のツルの所から声がしたぞ。
『この眼鏡でチュパカブラが見えたら、それがおぬしの運命の相手じゃ』
『そーれ!キース、キース、キース、キース!!』
なんだか雑な合いの手まで入ってきたな。
だが。
この眼鏡が老婆の言った通りの嫁(仮)が分かるアイテムならば。
キスをすればいいのか?
「………ふっ」
思わずニヒルに笑ってしまった。
自慢じゃないが、妄想の中では1000000回のキスを経験している。
妄想の中では、な。
飼い猫相手ですら戸惑う俺では、チュパカブラにキスなど出来そうにない。
もう少し現実味のある相手でいいだろう。
あっさりと俺はそう結論を出した。
出したのに。
何故かその2時間後。
ベッドに横たわったチュパカブラにキスをする状況になっている。
午前中最後の授業は、調理実習だった。
男女混合のグループで、それぞれ料理を作る。
俺たちのグループは、ビーフストロガノフだ。
ぞっと悪寒がした。
視線を感じた先を見ると。
家庭科室の扉の窓ガラスから、チュパカブラが獲物を見付けたかのような目!
ニヤリと笑うチュパカブラ!
まさしく笑うチュパカブラ!
「……は、はわわわ」
ニヤリと俺を見て笑った後、チュパカブラが、かわいらしい声で俺の隣にいる笹川さんに話しかけた。
「ごめんね。エプロン持ってきていなくて。邪魔にならないようにしてるから」
「撫子ちゃん!いいよ、いいよ!食べてもらえるだけで嬉しい!」
「鍋を混ぜるとかならできるから。保樹くん、よろしくね♡」
チュパカブラが、きしゃあっと口を開く。
怖い。
「う、うん。よろしくな」
「蕪子ちゃんは、普段どんな料理をするの?」
「うん、お肉の料理が得意かなぁ」
きっと吸血した牛を自ら捌いて作っているに違いない……!!
俺はガクガクブルブルとしながら、調理に熱中する振りをしてそこから離れた。
そして、何事もなく料理を作り終え、みんなで食べ始めた。
そのひと口目。
「う、ううっ!」
チュパカブラが口元を押さえて倒れた。
加熱された肉はアウトなのか?!
俺はおそるおそる近づいて見たが、チュパカブラがうめいているだけで、元気なんだか、具合が悪いんだか、まったくわからなかった。
しかし、笹川さんには明らかに具合が悪く見えたらしい。
「蕪子ちゃん!た、大変!喉に詰まったのかな?」
笹川さんがためらいなく、チュパカブラの背中を叩く。
あの突起は意外にも柔らかいようだ。
時々、みょんみょんと揺れながら、チュパカブラに振動を与える。
「ごほっ!」
牙が密集した口を開くチュパカブラ。
コロン、と落ちたのは牛肉の塊。
やっぱり加熱した肉が原因か。
妙に納得していると、笹川さんが俺の肩を掴んで叫んだ。
「保樹くん!保健室に連れていって!お願い!」
「ええ?!」
チュパカブラを背負うの?やだなぁ。
しかし、チュパカブラに見えない笹川さんは、可憐な美少女が苦しむ様子を見ていられないらしい。
「……わ、分かったよ」
しぶしぶと人間と違う見た目の前脚……もとい、両腕を肩の上に通し、背負って保健室へ向かう。
ええー、何だ、この腕。怖い……。
「笹川さんも一緒に来て……」
「うん、もちろん行くわ!」
背中に何か当たっている感触があるが、考えるほど吐きそうになる。
このまま吸血されたらどうしよう。
恐る恐る保健室に入るが先生がいない。
笹川さんが探しに出ていったので、そっとベッドにチュパカブラを下ろす。
乱れたスカートを直す。
脚の形が怖い。
「………あ、あの、大丈夫?」
「………………」
チュパカブラに声をかけるが返事がない。
チュパカブラって呼吸しないんだっけ?
静かにベッドから離れようとすると。
「まあぁ!!大変!呼吸が止まっているわ!」
「えええ!か、蕪子ちゃん!しっかりして!」
廊下から突進してきた保健室の愛ちゃん先生と、笹川さんが悲鳴をあげた。
あれ?これ、やばいのかな?
「い、いま人工呼吸をしてあげるわね!」
妖艶な編みタイツの足を惜しげもなくベッドに伸ばし、愛ちゃん先生がチュパカブラに覆いかぶさる。
あ、あれはキッス……!
ほどよく制服だけが見える。
こ、これは、女子生徒を襲う保健室の先生の絵面……!
なんて百合百合しい……!
いや、違う!人工呼吸だ!
口を離すと、今度はチュパカブラの胸に手を合わせて力強く押し続けている。
あぁ、激しく乱れる愛ちゃん先生の髪がなんかエロい…!
感情の波にさらわれていると、赤らめた顔のまま、愛ちゃん先生が俺を見た。
えー、愛ちゃん先生がもう俺の嫁でいいよ!
「保樹くん!代わって!」
「え?」
「人工呼吸を練習したわよね?!」
「えええ?!」
お、俺が保健委員でやったのは、人形相手で、一応は人の形で。
これ、チュパカブラじゃん!
無理無理無理無理!!
「………お願い」
編みタイツの足をベッドの上でしどけなく崩し、髪を乱して顔を赤らめている愛ちゃん先生におねだりされた。
「やります!!」
しまった!つい男子高校生の本能で引き受けてしまった!
「さあ!人工呼吸を!」
「は、はい!」
もうこうなりゃヤケだ!
眼鏡のツルからは威勢よく老婆の声が聞こえてくる。
『この眼鏡でチュパカブラが見えたら、それがおぬしの運命の相手じゃ』
『そーれ!キース、キース、キース、キース!!』
うるせえええ!!
目の前に広がるチュパカブラに吐き気を覚える。
やっぱり無理だ。
それに鼻をつまむ必要があるのに、鼻がわからん!
とりあえずそれっぽい所をつまんでみたけど!
こ、これでいいのか?
目が開いてるように見えるけど?!
チュパカブラは、まぶたが無いのか?!
混乱の極みに達した俺は、チュパカブラに人工呼吸をする寸前で止まる。
いや、いや。無理無理。
顔を上げようとした瞬間。
隣のベッドから勇司が飛び出してきた!
「蕪子ちゃんを襲うなんて!!保樹!見損なったぞ!」
「ゆ………!」
スパーン!!
スリッパで頭を叩かれた。
その拍子に。
ぶちゅうっ
俺のチェリーマウスが、チュパカブラマウスにオンザでイン……!!
「ぎゃあぁー!!」
俺は悲鳴をあげて、チュパカブラのいるベッドから落ちた。
うわっ!感触が!忘れろ忘れろぉ!!
吐き気を覚えながらベッドの上を見ると……。
「……え?」
そこにはサラツヤ黒髪の美少女が横たわっていた。
「えええぇ……?」
急激な視界の変化についていけない俺。
呆然としたままの俺は、目を閉じて横たわっている美少女を見ていた。
すると、ふるふると可愛らしくまぶたが震え……まぶたが開く。
大きくうるんだ瞳が俺を見つめた。
「……や、やすき、くん?」
「お、おう」
「まあ!目が覚めたのね?!よかったわ!保樹くんが人工呼吸をしてくれたの!」
涙で顔を濡らした笹川さんが元チュパカブラの美少女に抱きついた。
それを聞いたチュパカ……美少女は、ぽっと頬を染めると、俺を見た。
「え、じ、人工呼吸って……ま、保樹くん……」
「い、いや、愛ちゃん先生がやれって……」
「でもそのおかげで助かったのよ!」
「ふぅ……さすがね、保健委員として立派よ」
笹川さんと愛ちゃん先生が俺を擁護してくれる。
美少女の蕪子さんは……。
「は、初めてだったの。でも、保樹くんなら、その。いいかなって」
「え?」
「助けてくれてありがとう。あの、初めて見た時から好きでした。
付き合ってください」
「喜んでぇ!!」
俺の嫁(確定)が頬を染めて告白してくれたなら、受けるしかない!
『この眼鏡でチュパカブラが見えたら、それがおぬしの運命の相手じゃ。おめでとうなのじゃ!』
眼鏡のツルから老婆の祝福が聞こえる。
ああ、これこそ運命の相手!
俺はこうして嫁(確定)になる美少女の彼女と結ばれたのだった!!
「えぇ〜、や、保樹の裏切りものぉ〜」
スリッパを握ったまま、涙を流す勇司は放っておいた。
悪いな。これが運命だ。
俺は蕪子をぎゅっと抱きしめた。
この後、俺たちがクラスメイトから囃し立てられたのは、言うまでもないだろう。
こうして自他共に認めるラブラブカップルになったのであった。
fin.
***************
日が暮れて、日付も変わった夜の保健室。
黒髪の制服を着た少女が足を組んで椅子に座っている。
その周りに跪く影が5つ。
「皆のもの、大儀であったぞ」
黒髪の少女が口元を上げて言った。
足元に跪く影たちを見下ろして、続ける。
「我の体液を口に含んだ。あとは定期的に舌を絡ませればチュパカブラの姿を見ることはない」
「はっ。無事に番様と繋がれたことを心より喜び申し上げます」
「うむ。村山。担任としてサポートを頼む。
笹川と勇司は、引き続きクラスメイトとして、な。
逢い引き場の提供として保健室を頼むぞ、愛」
「「「「はっ。御意」」」」
「そこな老婆。うぬは自由じゃ。どこぞ好きなところへ行け」
「ヒッヒッヒッ。ありがたや、ありがたや」
そのまま老婆は保健室を出ると、足音を忍ばせて校門の外へ出た。
ほてほてとひとり、夜の街を歩く。
空を見上げると、流れ星がひとつ。
「ヒッヒッヒッ、まさかチュパカブラの女王の繁殖期に遭遇するとはのぅ……長生きすると色々な目に遭うものじゃ」
老婆がチュパカブラの女王に遭遇したのは、月のない夜だった。
老婆が何気なくよじ登った高校の屋上で、給水タンクから出てきたチュパカブラの女王と目が合ってしまった。
逃げようとしたが、所詮は老婆。
チュパカブラの脚には勝てなかった。
「血も無さそうな……死にたくなければ言うことを聞くがよい」
「ヒッヒッヒッ……面白い話なら乗らせてもらおうかねぇ」
新月の屋上で説明された話はこうだ。
チュパカブラの女王が繁殖期に入った。
番を探すために年頃の男が多い所に女王の匂いをつけている。
一番手っ取り早いのが水で、手を洗うなどの簡易な接触で充分に匂いをつけることができる。
その女王の匂いを打ち消す力のある男が番となる。
ざっくりまとめるとそういうことだった。
そして、その女王の番に選ばれたのが、どこにでもいる男子高校生の保樹だった。
「……わしが作った眼鏡は、1日だけ使える音声通話の眼鏡フレームじゃ。状況把握のために渡しただけじゃが、あれでチュパカブラに見えたと思い込んだままじゃのう……まぁ、これから毎日キッスやら、パフパフやらニャンニャンすれば問題なかろう。ヒッヒッヒッ……」
老婆はぶつぶつとひとり呟きながら、どこかへと消えていった。
あとには、チュパカブラの女王の匂いをつけられ、美少女の幻覚を見続ける街が残った。
明日もこの街が平和であることを願うかのように、また、流れ星がひとつ……。
U→勇司
M→村山
A→愛ちゃん先生