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最終章 『春のマリア』  作者: 松島 雄二郎
いかさまカジノ激闘編
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クエスト『噂の悪夢を調査せよ』①

 ウェルキン・ハウルは夢のようなひと時を過ごしている。愛するナシェカと二人きりで湖畔で夕日を見つめている。学院行事の乗馬訓練なんてガキくせえって思ってたけどナシェカが参加すると聞いては参加するしかない。


 来てよかった。今はそう思っている。

 帝都を街道沿いに北上する工程は初心者のせいでもたもたしたが今は感謝している。おかげで野営地がこの湖畔になった。野営用天幕の設置や簡易結界の作り方で男らしさもアピールできた。


 俺という男の真価は石の街では発揮できない。草原だ、草原こそ俺の故郷なんだと思っている。


 ウェルキン・ハウルは帝国東南部の草原地帯の出だ。そこは南の大帝国琉との境界にある冷戦の地で、帝国領というよりも両国の軍事境界線緩衝地帯。つまり両国の戦いの度に戦場になる危険な土地だ。

 琉国との戦はもう百年は起きていないがいつ戦禍に燃えるか分からぬ地、地図上ではパララシカ大草原と呼ばれている。


 この広大な大草原には街が一つ二つしか存在しない。その事実は草原の覇者はドルジアでも琉でもないという事実を物語る。この地の支配者は騎馬民族なのだ。そして彼は草原を支配するバララシカ四氏族の氏族長の娘を母に持つ。よくあることだ。

 石の町で暮らす民と草原の民の融和の証、友情の掛け橋として娘を送り合うのだ。


 ウェルキンの母を娶ったのは竜公バラン・リーの誓約騎士。ウェルキンも竜公の騎士として育てられるはずだったが母は度々息子を草原へと連れ出して五日や七日は当たり前の騎兵旅に興じていた。きっと母の心はまだ草原に向いていたのだろう。

 窮屈な石の町での暮らしを嫌がり、自由な草原の暮らしを求めた母の愛し子が帝都の学院に送られた理由はまぁ政治的な意図というよりも父側の最後の抵抗という面がある。帝国貴族としての自覚を持ってくれ的なしょうもない考えだ。


 父は学院入学を勧める際に息子をこう説得した。


『草原もよいところだが町には町のよいところがある。そうだな、例えば女の子が可愛いのだ。母さんとちがってお淑やかで当たりのきつくない……』

『おう、意気のいい嫁さんを捕まえてくるぜ!』

『うむ、それも大事だ。将来に有益な友人を得るのも……』

『ダチを作れってか。任せろ』

『……頼もしい返事なのにちゃんとわかってるのか不安で仕方ないが、まあお前なら何とかなるか。俺と母さんの子だしなあ』


 ハウル家における父の発言力は弱かったのである。

 そうウェルキンは友達百人と意気のいい嫁さんを捕まえに学院に来たのである。


 そしていま野営地ではいまみんなが夕飯をしている。おまえはたっぷり働いたんだからメシは俺らに任せておけよって言ってくれたリリウスにも感謝だ。

 煮炊きの白煙がゆっくりと暮れなずむ空へとあがっていく。ウェルキンとナシェカはそれを黙って見上げている。


「んー! いい汗掻いたあとの休憩はたまらないねー」

「ピクニック日和りってのもあるよな。こういう日は乗馬に限るよ」

「乗馬好きなん?」

「馬の嫌いなやつなんていないよ。ナシェカちゃんも好きなんだろ」


「嫌いじゃないけどどうして?」

「好きじゃなきゃあの乗り方はできないよ。馬に負担をかけない草原の民の乗り方だ」

「なるほど。まあ嫌いじゃないよ、可哀想だと思うだけ」

「可哀想って馬が?」

「そ。人間の都合で厩舎で飼われて知らんやつ乗せなきゃいけなくてさ、私なら耐えられない」

「そう考えると可哀想だな。俺も耐えられないや」


 やはりナシェカちゃんは天使だと再認識したウェルキンである。


「でも野生の馬も大変そうだし安穏と暮らせる人との暮らしも悪くないと思うんだ」

「道具扱いで満足できる生き物なんていると思う?」

「馬は家族だよ」

「家族…か。汚い事情を隠すいい言葉だよね、都合のいい言葉だ」

「ナシェカちゃんは優しいんだね」


 ぷいっと顔を逸らされた。そういう仕草も可愛いんだ。


 夕日がゆっくりと西の丘へと落ちていく。沈黙の時間は長くなかった。


「旅が好きなんだ。知らないものや見た事ない場所を見るのが好きであちこち回ってたんだよね」

「それでかー。馬は?」

「悔しいけど大活躍。可哀想だけど便利なんだよねー」

「可哀想だと思う分だけ大切にしてあげなよ。便利な道具かもしれないけど馬もそっちの方が嬉しいと思うんだ」

「ウェルキンってただの馬鹿じゃないんだ」

「ひでえなー、ひでえなーそれ! こう見えて故郷じゃしっかり者の次男をやってんだぜ」


 長男のくせに渾身の婿入りも可能アピールだ。家督なんて弟に任せればいいとか考えてそう。


 またナシェカが黙り込んだ。ウェルキンの脳は高速で話題を検索している。完全にテンパってる。

 でも夕日を見つめるナシェカの横顔に見惚れてしまい、心臓がきゅんきゅん言い出してる。


「綺麗だ……」

「夕日、綺麗だね」

「ナシェカちゃんが綺麗だ」


 ナシェカがこっち向いた。正解だ。俺は正解を引き当てたんだとウェルキン渾身のガッツポーズ。


「わたしが綺麗?」

「うん」

「本当に?」

「うん」


 ウェルキンが頷いた瞬間だ。ナシェカの姿がスライムみたいにドロドロに崩れていった。

 ドロドロだ。ドロドロになって解けていく。ウェルキンが手を伸ばす暇もなかった。


 ナシェカが解けた後にそこに立っていたのは一体のゴブリンだ。醜悪に飛び出した不揃いな牙と腫れぼったい目。体毛と呼べるものは存在せず、代わりに全身の汗腺から悪臭が噴き出している……


 そんなゴブリンが口を開く。


「本当に綺麗?」

「う…あ……」


 その声は悪夢のようにナシェカそのまま。ウェルキンは眼前の狂気をへらへらしながら受け流すことしかできない。


「ねえウェルキン、こんな私でも愛してくれる?」

「とっ当然だよ! 俺はどんなナシェカちゃんでも愛するね!」

「じゃあ愛してよ」


 ナブリンが手首を掴んできた。ゴツゴツした手をしてるなって思った瞬間に肌に寒イボが立った。

 ナブリンが顔を近づけてくる。ちょっとそのキス顔は……


 とは思いつつも男ウェルキンは覚悟を決めた。


「えいや!」


 ねちゃっとしてた。好きな子との初キスなのにねちゃっとしてた。ぶよっとしてた。


 正直嘔吐感がこみ上げてきてるけどそこは堪える。悪臭と相まって吐きたくて仕方ないけど堪える。男ウェルキンに二言はない。


「これが俺の愛だ!」

「これだけ?」


 男ウェルキンの表情が悲壮なものに変わる。

 男女の愛がこれだけのはずがない。彼とて故郷ではそれなりに立場のある男だ。将来的に愛妾となる予定の乳兄弟の女の子も二人いるし、魅力的な彼女達との間に何もなかったなんてことはない。

 齢12を越える頃には遠乗りと称して二人と出かけ、幕屋でしっぽり過ごした日々もあった。


 だからこれだけって言われると……


「ねえウェルキン、愛ってナニ? 私に愛を教えて?」

「ひぃっ!?」


 生理的な気持ち悪さを堪え切れずにナブリンを突き飛ばした瞬間、ウェルキンはベッドから転げ落ちた。どわあって悲鳴付きだ。


 男子寮の相部屋で目覚めたウェルキンは動悸のする胸と抑えつつあれが夢だったと理解した。


「あ…あれ……? 夢だったのか、あれが?」


 だがすぐ傍で気配がしたので心臓が壊れるくらいズキンと痛む。……すぐに同室のベルだとわかった。


「何だよウェルキン、夜中に大声だして……」

「すまねえ、変な夢見ちまったみてえだ」

「そんな繊細さがあったのか」

「俺だって悪夢見たら悲鳴くらい出すわ!」


 怒鳴ってからすぐに部屋の両壁がどんどん鳴りだす。隣室の連中が蹴ってる音だ。


「っせーぞウェルキン!」

「馬鹿は昼間までにしてろよ!」

「悪かったな!」


 隣室からの壁蹴りはすぐに治まった。男子寮の壁はそこまで厚くないので深夜の騒音はマジで恨みを買うのだ。……動悸が治まらない。


 あの夢のリアリティは未だ夢だと思わせてくれず、ひび割れた肌の硬さや悪臭、何より唇の感触がまだ残っている。


「顔色悪いよ、そんなにひどい夢だったの。明日のピクニックはやめておいた方がいいじゃ」

「明日? そりゃあそうか、あれは夢だったんだしな……」

「本当にだいじょうぶ? 寮長先生を呼んでこようか?」

「いいよ。水でも浴びてくらあ」


 男子寮の外に出て井戸から水をくみ、桶を返して浴びる。井戸水は冷たいがおかげで気分がしゃっきりしてくる。……何度も何度もあれは夢だったと言い聞かせるくらいはできる。


 そんなウェルキンの姿を男子寮の屋根から見下ろすナシェカは面白そうに笑っていた。その笑みはまるで毒婦のようで……



◇◇◇◇◇◇



 いやぁ昨夜はお楽しみでしたね。デブんちでのディナーにサプライズでやってきた親父殿との壮絶な親子喧嘩はご覧になられたでしょうか?

 安心してください、救世主は無敵です! けっこう腕が戻ってて驚いたけどね。


 帰りの船では恥を忍んで閣下に稽古をつけてもらおうとして訓練を提案されたそうな。


『マクローエン卿に稽古だと? そこまで自惚れるつもりはないがたしかに今の卿には欠けているものがある。体力だ。飛翔魔法に頼りすぎたな、心肺機能の衰えが実力低下の原因であろう』


 で、縄を括りつけられた状態で海面を走らされたそうな。

 ガーランド式訓練は熱血スポ根漫画ふうみなんだよ。死ぬほど苦しいけど効果だけはばっちりだから文句も言えないし。本人もやってるからさらに言いづらいし。

 魔法力を高めるアナログな方法に魔力枯渇による超回復ってのがあるけどあの人未だにやってるし。


 親父殿は最近デブパパと一緒に迷宮攻略にも出かけているらしい。

 迷宮を三つ四つ落としてきたってんだから凄腕なのはたしかだ。まぁ親父殿の話はどうでもいいか。息子に負けたままでいるのが我慢ならない小さな男なんだよ。


 泊りがけでのんびりした後デブんちから戻ると男子寮の空気が暗かった。安息日デートの敗北者どもが打ちひしがれている感じだ。


「ようウェルキン、ピクニックデートはどうだったよ!」

「!!!!!!」


 どういう反応だよ。楳図かずおみたいな顔になりやがって。

 ものすごい顔して腰を浮かせたウェルキンが暖炉の前で座り直す。


「リリウスか……」

「だからどういう反応だよ。また失敗したのか?」

「……」


 ウェルキンが黙りこくる。正直いつもとはちがうので聞くのが怖いまである。

 こういう時はベル君だな。


「あれナニ? 何があったの?」

「悪夢を見たんだってさ」

「ガキかよ」


 クソみたいな理由で安心しかないわ。

 と思っていたが翌日から始まった学院でも悪夢って単語をよく耳にした。どうやら最近悪夢がトレンドらしい。


 学食でメシ食ってると本当によく聞くんで疎外感を感じる……


「デブ、おまえ悪夢とか見てたりする?」

「うん、よく見るよ」


 マジかよ、俺だけハブかよ。俺も悪夢を見たって言ってみんなと会話したい……!

 なにこの一人だけスプラ買ってもらえない子みたいな疎外感。世界から取り残されてる感じじゃん。


「どんな悪夢だ?」

「相部屋のやつがさ、部屋に女中を連れ込んで僕は邪魔だからって蹴りだすんだ……」

「それ夢じゃなくね?」

「悪夢のような出来事だよ」


 俺のせいか、許せデブ。


「今晩は何を食いたい?」

「夕飯で許してもらおうとするリリウス君の浅はかさには驚愕しかないよ。……牛カツカレー」

「おけ、一番いい肉を用意するよ」


 この瞬間にデブの放った特大のコロンビアポーズとどや顔を俺は生涯忘れないと思う。

 流石だぜデブ、一番いいモンスターを狩っておくから楽しみにしてろよ!



◇◇◇◇◇◇



 数日が経っても学院は悪夢の噂でもちきりで、薬学研究棟の購買で販売されてる良い睡眠を約束する魔法香が売り切れになるくらいには流行っている。

 学院側も少しは興味を持っているらしく一枚のクエストが張り出されていた。


 騎士学院には生徒が私的な頼みごとをするクエストボードが存在するが職員室の前にあるのは学院側が張り出したクエストで、こういう内容だ。


『悪夢の原因調査・解決』

 最近学院生の間で奇妙な夢を見るという事例が頻発している。これが何の原因もないただの悪夢なのか事件性があるのかを調査されたし。報酬60ヘックス。


 銀貨60枚となるとけっこう美味しいが調査依頼は何かと時間がかかる。かねに困ってるやつ向けの依頼だなーって思いながら他のクエストも見ていると……

 軍帽を被ったイケメン先生が近づいてきた。CD両組の実技担当マイルズ教官だ。


「それな、一応のポーズなんだよ」

「一応学院側も対処はしてるぞっていう保護者へのアピールって意味ですか?」

「そうだ。悪夢なんぞで学院が動くことはないのだが少しばかり数が多すぎるんでね、一応張り出しているってだけだ」

「事件性はないと考えているんですね」

「被害者なんて言っても精々が気分が悪くなるくらいだ。そんなものは被害とは呼べないだろ?」


 そりゃそうだ。死人が出たんならともかく……

 出た後だと遅いから早めに対処してたぞっていうクレーム対策ってわけだ。


「S級冒険者の意見も聞きたいね、リリウス君の見解はどうだい?」

「考えられるところだと悪戯妖精の仕業かもですね」

「過去にこういったクエストを解決したことが?」

「いえ、一般論として」


 悪夢系の実例として現実的な線は妖精ピクシーだ。悪戯好きでやってるというよりも人間から魔力を摂取する食事という意味でこういうマネをする連中だ。

 とはいえ魔力を手に入れる方法がこれしかないってわけじゃないからやはり彼女たちは悪戯好きなのだろう。


「この依頼はポーズにすぎないが不安に思う者も多い。よければ君にも動いてもらいたい、S級冒険者になら私も安心して任せられる」

「恥を晒すようですが俺はバスターですので調査は苦手なんですよ」


 ちなみにバスターってのは討伐を専門とする冒険者を指す用語だ。調査などのシティーミッションを得意とする冒険者はどんな奴なんだってなると俺の知り合いだとアーガイル君やシェーファだ。

 シティーワイズとバスターじゃ同じホームタウンにいても知識量と人脈が段違いだ。自由に動かせる手駒も必要だ。帝都に来て日の浅い俺にはできない仕事だ。


「無論承知している。その年齢で高位階となると自らの能力をどちらかに振り切っているはず。そしてシティーワイズではS級にはなれない。承知の上で頼んでいる」

「はぁ……」


 さらっと断るつもりだったが、マイルズ教官は断らせるつもりがなさそうだ。


「この程度の報酬でS級冒険者を動かすのは失礼というものだ。そうだね、引き受けてくれるのなら奉仕活動を免除するよ。加えて学院に恩を売れる、良い事づくめだ」

「それはありがたいんですが」

「足りないものは何だい?」


 押しが強い。学校の先生なら生徒を顎で使うもんだし、高圧的に命令してこないだけマシかあ。奉仕活動の免除もありがたいしな。


「……第一に俺が訪ね歩いても素直にしゃべってくれる生徒は少ないでしょう。調査に協力してくれそうな知り合いもいません」

「協力者として生徒会の人員を付けよう。この件では生徒会も調査を始めているから共有もできるはずだ」


「確認したいんですが調査結果として悪夢はただの偶然であり犯人や原因が存在しなかった場合、または調査に失敗した場合はどうなります?」

「どんな結果であったとしても奉仕活動の免除を取り消したりはしない。報酬もきちんと支払うよ」

「そんならまぁ、引き受けます」

「よかった。話は通しておく、放課後は生徒会室に行きなさい」


 そして放課後~~

 第一校舎の三階にある生徒会室に顔を出すと長身のハンサムメンが茶を飲んでいた。やべえノック忘れた!


 そんな俺のどうでもいい失敗などどうでもいいのか、スポーツマン系ハンサムが爽やかに前歯をキラリ。


「リリウス君! 待っていたよ!」

「クロード会長……」

「調査に協力してくれるらしいね。じつに心強いな、さあ掛けてくれ、まずは説明から入ろう。茶の好みはあるかい、まあ聞いたところで今はパララシカ産の緑茶しかないんだが!」

「そ…そっすか」


 おわかりだろうか、いま俺はかなり引いている。

 開幕ハグからの肩を組んで背中を叩かれ、至近距離で笑顔キラーンされた俺の気持ちがおわかりだろうか?


 うぅぅぅパーソナルスペースの近い男とは相容れない。酒の入ってない素面でこれぇ?


「アレクシス会長さっそく調査の話なんですが」

「家名で呼び合うなんてご老人みたいなマネはしなくていいんだ。俺もリリウスと呼ばせてもらっている、クロードでいいよ」

「いやぁ、そうは言ってもお偉い方ですんで」

「新入生歓迎会の時の度胸はどこにいったんだ。遠慮はいらん、俺もあっちの君の方が付き合い易い。それとも度胸を出すには脱ぐ必要があるのか、それなら付き合うぞ」


 会長の中では俺は全裸で盃を交わしたマブダチくらいになってそう。ちがうんです俺普段はシャイボーイなんです……


 好意百パーセントなのに対応に困る人物はレアケースだ。きっと身分が高すぎるせいで自分から降りて行かないと友人関係が築きにくかったりするんだろうけど……


 理由のない好意って怖くね?

 これ単に俺が卑屈なだけのやつ?

 リリウスの資料を読んだクロード。

「最年少S級冒険者か。中々気合いが入っているな」


 新歓コンパ後のクロード。

「度胸もある。愛想もいい。彼は一年生を引っ張っていく人材になるな」


 朝練をしている姿を目撃したクロード。

「冒険者の頂点となったにも関わらず走り込みを疎かにしない向上心……! 感動したぞリリウス君!」


 人知れず好感度を上昇させていた事実をリリウスだけが知らない。

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