1曲目 time world
この小説は、微グロです。あくまでも私の判断ですが....。苦手な方は観覧しないようお願いします。また、私は中学生のため、漢字の間違いも多々あると思います。ご了承ください。尚、更新も遅くなるかもしれませんが、全力で頑張りたいと思います。
___1曲目:序章___
朝起きた時の絶望感...貴方に分かる?
世界が普通であることへの苛立ち、いくつもの年月を経ても何一つ変わらない現実。
生まれてから14年の月日が経ち、私は今日14才になった。今お父さん、お母さんと私の誕生日を祝うために遊園地に向かっている。何故か私の家では、誕生日に遊園地や水族館など何処かへ出掛ける。私は面倒くさいのでそれが凄く嫌だ。
「愛...ほら!!遊園地に着いたよ。」
運転席に居るお父さんが助手席の私に話しかけてくる。ぼんやりと時間を過ごしていたら、いつの間にか遊園地に着いたらしい。
「time...world...」
私は遊園地の名前を囁いた。
「ここの遊園地はね、時の道化師がイメージキャラクターなんだそうよ。」
お母さんが笑顔を振り撒きながら話しかけてきた。
time worldという名前だけあって、観覧車も時計のような形をしていた。
ムフフフフ....
何処からか怪しい笑い声が聞こえた。この遊園地は不思議な感じだな...。
「さぁ降りよう。紀子さんはチケットを買ってきてくれるかい?」
「ええ...じゃあ貴教さんは愛をお願いね。」
お父さんとお母さんはお互い名前で呼び合う。私はそれがよそよそしくて嫌だった。
「愛行こう。」
「うん。」
私たちは入場門の前に向かっていった。
するとお父さんが、
「お父さん、ちょっとトイレに行ってくるよ。愛は此処で待っていなさい。」
と言ってきた。
「分かった。じゃあそこのベンチに座って待っているね。」
私はお父さんと別れてベンチに向かった。少し肌寒かったので自動販売機でミルクティーを買ってから座った。座りながら温かいミルクティーを飲んでいると、少し眠くなってきた。うとうとしているとまたあの笑い声が聞こえた。私は眠い目を擦り、目を開けた。
「ムフフ...時の世界はキミを待っている♪Aliceを心から望んでいる〜♪キミのその白い肌から流れる血は深紅か否、漆黒か〜♪」
道化師のような格好をした人が私に近づいてきた。
これがお母さんの言っていた、時の道化師か...。でも、白い肌から流れる血?どう考えても遊園地で言うようなことじゃない。
少し怖くなった私はベンチから立ち上がり、辺りを見回した。
すると、周りには誰も居なかった。さっきまで聞こえていた子供の笑い声も、スピーカーから流れるメロディーも。全て消えていた。
「お父さん?お母さん!?」
「おやおや...僕たちのAliceではないですか...ムフフフフ...やっと見つけました。」
耳元に違和感を感じ横を見ると、道化師が耳元で囁いていた。
「なっなんなの!?お父さんとお母さんは?」
私は道化師から離れた。
「怖がらないでください...僕たちのAliceを傷つける訳にはいきませんから...。」
そう言うと私の手を取り、自らの頬にあて、にっこりと微笑んでみせた。
「Aliceって誰よ!私はAliceなんかじゃない。」
そう、Aliceは別人。だって私は桐生愛。そんなニックネームはないのだから。
「キミはAliceだ...別の次元に取り残された僕たちのAlice。キミが望んだ非日常を僕たちがプレゼントしましょう。」
非日常...朝の絶望...世界に対する嫌気。私が望んでいるのは非日常だ。もっと楽しい何か、自分を変えられる力。その全てが今の私には無いものであり、最大級に欲しているものである。
「Alice...僕たちからの誕生日プレゼント...受け取って頂けますか?」
私はどうすればいいのだろう。本当はついて行きたいはずだ。だって私は非日常を望んでいる。こんな不思議に14年間巡り会ったことはない。しかし、知らない人について行くなという両親からの言いつけが私の頭を洗脳する。しかし、今此処に二人は居るか?見回す限りの無人、無音だ。
「五時までなら貴方につき合ってあげる。」
それが私の出した答えだった。
道化師はにっこり微笑むと、
「ええ...五時までの間...。」
と呟いた。
―私が出した答えを、後で後悔するとは考えてもみなかった。―
――――――――――――――
道化師に連れられて、私は入場門をくぐった。さっきまでの明るい印象がここまで静かだと、がた落ちだ。
「Alice...」
道化師に呼ばれ、私が顔をあげようとした瞬間、道化師が指を鳴らした。すると、ふわっと一瞬体が浮いた。
「その服だと、この世界では目立ってしまいます。それを着ていてください。」
そう言われ、自分の体を見ると、さっきまで着ていたシンプルな洋服ではなく、黒くて白いレースやリボンなどをあしらったミニスカートのワンピース。通称ゴスロリというものに変わっていた。そのうえ、ご丁寧にカチューシャまでついている。全体的に色素の薄い私には黒いこの服はそこそこ似合っているのではないかと、自分で評価してみたりした。
「流石はAlice...何でもお似合いなのですね。」
そう言われるとなんだか照れくさかった。
しかし、そんな場合ではない。非日常を求めて、この怪しい男(きっと男だと思うという私の予想)について来てしまった。
周りを見ても、普通のメルヘンチックな遊園地だ。これのどこが非日常なのだろう。
「キミは何処か行きたい所などありますか?僕は妖精の森に行きたいのですが....。」
そんな事を聞かれても、道化師に手を引かれ、どんどん進んで来てしまったため、パンフレットを取ることが出来なかった。従って、妖精の森へ行くしかないのだ。
「別にいいけど....。」
困った顔をしながら言う私を見て、道化師は楽しそうな笑顔を見せた。そして耳元で、
「来てそうそう....死なないで下さいね。」
と言うのである。
私は背筋が凍るような感覚になった。肩に力が入ったのが自分でも良く分かった。
「そんなに怖がらないでください。ただ...妖精たちは無邪気なので、注意が必要かもしれませんね。」
私は早速、此処へ来た事を後悔した。
「さぁ...Alice...。僕と共に行きましょう。」
道化師は微笑んで私の手を取るのであった。
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time world〜時の道化師〜はどうでしたか?まだ序章であるため話の内容は不明であると思いますが、感想を頂けると嬉しいです。これからも有架月 真紅をよろしくお願いします。そして最後となりましたが、観覧いただき誠にありがとうございました。