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騒々しい夏休みだった

「……なぁ心配してくれたのがリンだけってひどくないか」


俺は父上の執務室でたまっている仕事を片付けている。


「仕方ないだろう、エリーゼの出産がそろそろ始まりそうなのだ」


そうなのだ母上の陣痛の回数が増えてきていて、いつ生まれてもおかしくない状態なのらしい。


「それにしてもノストニアまで行っていたとはな」

「俺だって行きたくていったわけじゃない」

「はは、酔っていたのなら仕方ないのだろう、エリーゼの説教も受けたようだしな」


本当にあれは怖かった………


「これからは酒は飲むなよ」

「ええ……いや、リンの【浄化】を使えばあるいは」

「はぁ~(懲りてないな)」


母上の説教で夏休み中は父上の仕事を手伝うことになっていた。










こうして夏休みが過ぎて、再び学校に戻る時期になった。


「さてじゃあ行ってくる」

「ああ、頑張ってくるんだよ」


玄関に用意された馬車に俺とリン、セレナ、カルス、ノエル、カリンがいる。


「じゃあ、あとのことはお願いします」

「親子なんだからもっと砕けてもいいんだけどね」


父上にはイドラ商会に卸す、魔道具の管理をお願いした。


「バアル」

「母上、動いて問題ないのですか?それに」


やってきた母上の腕の中には二人の赤ん坊のがいる。


「ええ、さすがに数日寝たきりは逆に体に悪いわよ」


だがそう言う母上の顔色は悪い。


それも当然だ、この世界では出産で命を落とすことは珍しくない。


ましては今回は双子なのだ、母体に掛かる負荷は比較にならないだろう。


(前世ですら出産でも危険な場合は多々あるからな)


この世界では子供が生まれる際はろくに準備が整ってないなんてのもざらにある。


さらに技術が進歩している前世でも出産で子供や母体が死ぬケースは多くある。


「ほら、アルベール、シルヴァ、お兄さんに行ってらっしゃいを」

「母さん、さすがに赤ん坊に挨拶は」

「「ああぁあうぅぅう」」

「ほら、できたでしょ」


なにやら得意げに母上が笑う。


「バアル様」


リンが準備が完了したことを伝えてくる。


「わかった、母上そろそろ」

「ええ、それじゃあ行ってらっしゃい」


こうして俺たちは学園に戻ることになった。


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