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報酬を渡し、帰還

浮遊感が終わると、どこかの森の中に現れる。


リィン、リィン


そして早速イヤーカフスが反応した。


背後から魔物が襲い掛かってくるのでバベルを振り下ろし両断する。


「……これはいいもんが手に入ったな」


方向や距離は分からないが何かが近づいているのがわかるだけでもかなり使える。


「さて今の位置は」


既に日が昇っていて、ここからでも聖樹が良く見える。


「もうアグラは戻っているかな」


守護獣と言われているぐらいだ聖樹の近くにいるはずだ。


『飛雷身』で移動し、樹の根元まで移動する。


「さてアグラベルグはどこにいるんだか」

≪ここにいるぞ≫


後ろにある樹の窪みの一部からアグラベルグが出てくる。


≪お前は死んだと思っていたが?≫

「俺も生きていることが不思議だよ」


おかげで俺の中の謎が一つ解けた。


「それで一つ頼みがあるんだが」


本題に入るとしよう。


「これをクラリスに届けてほしい」


霊薬エリクサーを出す。


≪ふむ、自分で届ければいいんではないか?まだ西の森にいるだろうし≫

「……それがな」


俺とクラリスは敵対していることを伝える。


≪なるほど、それではノコノコと近寄れぬな≫

「てことでお願いしてもいいか」

≪ふむ、いいだろう≫

「じゃあよろしく」

≪待て、お主はどうするつもりだ?≫

「俺か?俺は自分の家に帰るよ」

≪そうか……ではまたな≫

「ああ、じゃあな『飛雷身』」


俺は雲に向かって『飛雷身』で飛ぶ、そして雲を使って移動する。




あの戦いでわかったのだが雲や霧のような場所では魔力を消費せずに移動することができるようだ。


なので雲を通ることによって移動にかかる魔力の消耗を劇的に抑えることができる。



大きく広がっている雲に向かって飛ぶ。


(とりあえず南に行けばグロウス王国にはたどり着けるだろう)









(行ったか……)


さて我も約束を果たすようにしよう。


≪ネア、一度戻って来てくれないか?≫

≪わかったー!≫


あのエルフに懐いてしまった最愛の子供を呼ぶ。


(これは……なるほど)


渡された魔法薬をみて納得する。


≪来たよ~~≫


しばらくしたら子であるネアがやってきた。


≪おお、ネア、少し頼みごとをしたいのだがいいか?≫

≪うん!≫

≪これをエルフの姫、クラリス殿に届けてくれ≫

≪わかった~~≫


上手く運べるように背中に固定させてやる。


≪これなーに?≫

≪これはクラリス殿が喜ぶものだ≫

≪クラリスが喜ぶの!じゃあ急いで運ぶね!!≫


嬉しそうにする子供を眺める。


(これは従魔契約をするやもしれないな)

≪じゃあ行ってくる~~≫


すると早速荷物を持ちクラリスの元に駆けだした。


≪あ………碌な話もなく行きおった≫


少し悲しい気もするが子離れする時期が来たのだと思うことにした。


(さて、あの者の力、人の世では生きにくいだろうな)


下手したら我たちと同じ立場になるやもしれないと、哀れみを少しだけ感じる。













バアルが姿を消してから半月後~


「……どこに行ったのですか……バアル様」


姿を見せない主を心配する。


主のご両親は。


「まぁバアルなら問題ないだろう、ヒョコと帰って来るさ」

「ああ、大丈夫よ、あの子は迷子になっても自力で帰って来るはずだから」


こんな感じでちっとも心配していない、むしろ関心はエリーゼ様の胎児に集まっている。


同僚であるセレナも。


『大丈夫よ、バアル様は天才だからどんなことになっても帰って来るはずよ』


あとの三人だけはおろおろとしているがそれは自分のこれからのことを考えて不安になっているだけだろう。


本当に心配しているのは私だけだと思う。


(信頼しきれてないってことなのかな)


周りの反応は信頼の裏返しであることも少しは理解できる。


「………本当にどこいったのですか」


そうつぶやいた瞬間、空から雷が落ちてくる。


そして一つの可能性が頭に浮かぶ。


現に足に付けている魔道具が雷の落ちた場所に誰かがいることを教えてくれている。


急いで雷が落ちた場所に移動する。


「バアル様!!」

「よ、ただいま」


そこにいたのは私の主だ。


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