表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/470

『飛雷身』にこんな使い方があるのか

「今後ろで何かが崩れた音が聞こえましたが!!」

≪……おそらく天井が崩れたのだろう≫

「私少し見てきます」


通路を戻ると霧が発生していた。


「どうして、いえ、今はもっと先に」


霧の通路を進むと岩が通路を塞いでいる。


「……これではバアルも」


仕方ないと思いそのまま道を戻る。


≪どうだった?≫

「岩で道が塞がっていました、アレでは……」

≪惜しいものを亡くしたな≫


少し悲しい気分になる。


≪さてダンジョンはつぶしたし我は帰るとするが、お主は?≫

「私も戻ります、部隊のみんなも心配しているでしょうから」


そう言って突き当りにある魔法陣に乗る。


どうやらそのまま地上に通じているわけではなくこの魔法陣を通って地上に出るようなのだ。


「てっきり、地上に出るものだと思っていました」

≪…そうかお主はまだ経験したことがないのか≫

「え?」


聖獣様は何も言わずに魔法陣の上に乗り消えていった。


私も続いて魔法陣の上に乗り地上に戻る。










だが、いなくなった通路に一つの影が現れる。


「はぁ~~~死んだと思った」


戦闘中に起こった偶然で俺は助かることができた。







『少し八つ当たりさせてもらうぞ』


そういうと俺は『神罰』を使う。


霧の中でも頭上から光が降ってくるのがわかる。


光が晴れるとほとんどの霧が消え去り、わずかの霧を纏っているミストガルーダの姿が見えた。


俺と視線が重なると慌てて霧を発生させようとする。


「もうさせねえよ!!」


『飛雷身』で飛び、そのまま『パワークラッシュ』をお見舞いする。


横に何バウンドかして飛んでいくとすぐさま立ち上がる。


そのスキを見逃さずに追撃を仕掛ける。


だが距離が離れているので『飛雷身』で飛ぼうとするのだが。


(やば、タイミング間違えた?!)


急に霧を生み出したせいで霧に向かって飛ぶことになってしまった。


『飛雷身』は体を雷に変えて飛んでいく、そして霧は雷を分散させる。


故に『飛雷身』で霧に飛ぶと、どこに飛ぶかがわからなかった、最悪は体がバラバラになる可能性もあったのだが。


(……こうなるのか)


俺は体を雷にしたまま雲の中を高速移動している。


それに霧の中が手に取るようにわかる。


まるで霧自身になったような感覚だ。


(死ななくてよかった………それじゃあぶち殺すか)


鳥の隣に移動すると、そのまま切りかかる。


ゲッゲ?!


面白い声を上げながら翼や足の爪で攻撃してくる。


だがすぐさま霧と同化して避ける、それどころか反対側に移動してバベルを振り下ろす。


「はは!!これはいい!!!」


霧の中ではほとんどの攻撃を避けることが出来そうだ。


それからも鳥のすぐ近くを高速移動しながら体を切り刻んでいく。


ゲ………ゲ……………


7度目の攻撃でようやくこの鳥は事切れた。


(さてこれからどうすっかな)


もうダンジョン内で岩塊が降り注いでいる状態なのが分かった。


霧と同化している状態だと霧がどこまで広がっていてどこの隙間に入り込んでいるかすらも理解できる。だから気づけた。


(あれ?この霧は出口の向こうにもつながっているのか?)


どうやら塞がれた出口の向こう側まで霧は広がっている。


そして


(この状態なら移動できるか?)


霧の中ならどこにでも移動できる、ならば。


(ここで死ぬよりも試してみるしかないか)


ということで出口の先に移動しようとしたら、あっさりと移動できてしまった。


「今となっちゃ、あの鳥に感謝だな」


ということでクラリスとアグラの後を追いかける。


「行き止まりで……これか」


突き当りの部屋には2年前に見たことがある魔法陣があった。


ゴゴゴゴゴゴ


「考えている暇はないか」


ということで魔法陣の上に立つ。


すると浮遊感を感じて光に包まれる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ