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最後の最後でこんな落ちかよ!!!!

「まずい!?逃げるぞ!!」


地震の国、日本でも体験したことのない規模の地震だ、明らかに何かが起こっている。


≪おい!何をやった!!≫


揺れ動いている中すさまじい速度でやってくるアグラベルグ。


手短に何があったかを話す。


≪壊したのか!?言いたいことはあるがさっさと逃げることにするぞ≫


なにやらコアの破壊手順を間違えているという口ぶりだ。


≪ありがとう、エルフの姫よ≫

「いえ、聖獣様の子が無事でよかったです」

「ナォウー」

≪積もる話もあるだろうが話はダンジョンを出てからにするぞ、乗れ≫


アグラベルグは乗りやすい高さまで身をかがめる。


「いいのか?」

≪ああ、急がないと皆生き埋めになるぞ≫


俺はその言葉を聞いてためらいなく背に飛び乗る。


だが聖獣を崇めているクラリスは乗るのを躊躇している。


≪どうした、早く乗れ≫

「で、ですが、聖獣様の背に乗るなど…」

≪ええい、時間がない≫

「わわっ」


アグラベルグはクラリスを咥えると空に放り、背に着地させた。


≪では行くぞしっかり捕まっていろよ≫


ということでダンジョンの出口に向かって疾走するアグラベルグ。


「おお~楽し~~」


急斜面を駆け下りていくのはまさにジェットコースターのようだった。


≪この非常事態に呑気な≫

「さっきから気になっていたんだが、非常事態って何のことだ?」

≪コアを破壊したことだ≫

「?だけどアグラはコアを壊す目的だったじゃないか」

≪我は場所の問題を言っているのだ≫

「場所?」


それからの話だと、エリアタイプのダンジョンはコアを破壊した段階でダンジョンの自壊が始まる、そして完全崩壊する時間までは約一分ほどしかない。だから普通はコアを出口まで持って行き、その場で破壊をするのが正解だという。


≪その際に魔物はコアを取り返しに来るのだが、それ含めても普通はそっちを選ぶ≫


なるほど。


と、そんな話をしていると南の森の中に突入した。


「出口までの場所は分かっているのか?!」

≪もちろんだ、すでにマーキングを済ませている≫


(………マーキング)


犬が電柱にしょんべん掛けるようなものだよな?それをアグラベルグがしている………。


その姿を想像して笑いが漏れる。


≪お前、今失礼な想像をしなかったか?≫

「い、いや、し、してないよ」


今やり取りをしながら道なき道を進む。


≪むっ?!≫

「どうしたのですか?」

≪何かが後ろを付けてきている≫

「後ろ?」


振り向くが何もいない。


「気のせいじゃないのか?」

≪確かにある≫

「だがどこにも姿が見えないぞ」

≪……上のほうに気配がある、何かないか?≫


ということで上を見上げてみると、木々の隙間から青色から地面の色に変わっていっている空しか見えない。


「なにもな……ん?」


空から雲が下りてきている気がする。


「アグラ、気配はさらに近づいてきているか?」

≪ああ≫


後方と上にはあの雲以外に異常は見つからない、ということは。


頭の中で一つの可能性が生まれる。


「アグラ、俺はアレの足止めをするぞ」

≪待て、お主は出口がわからないんじゃないのか!?≫

「出口に付いたら上空に向けてなにか目印になる物を上げてくれ」

≪……分かった≫


俺は『飛雷身』で少し高めの樹の上に移動する。


「よう、今朝方ぶりだな」


下りてくる雲に向かってしゃべりかける。


「しかし、読み違えたな、まさか二体いるとは思わなかった」


空に向かっていった霧、アレはデコイじゃなかった。


雲は俺の高さまでくると雲の端から姿を現す。


ゲッゲッゲッ!!!


さっき倒した鳥とそっくりな足と全く似た鳴き声を出す頭が現れた。


しかも体格は先ほどの三倍以上ある。


「その声と似て下品な顔だな」


猛禽類とカモ類を合わせた気味悪い頭だ。


「さてどこまで通用するかな『天雷』」


牽制程度に『天雷』を放つが雲で防がれる。


(やっぱし雲だと分散してしまうな)


範囲はとんでもなく広がるが威力がその分減衰してしまう。


少しの『天雷』では微々たるダメージ、いやダメージにすらなっていないだろう。


「本来、水属性は俺が天敵のはずなのにな…」


嘆いても仕方がない、時間も猶予が全くないのだから。


「『怒リノ鉄槌』『飛雷身』」


霧の中に入られた飛べなくなるが霧の外にいて、相手が頭を出しているなら全く問題ない。


「おら!!」


鳥の頭を横からぶん殴る。


ゲヒッ?!


鳥は雲の中に吹っ飛ばされていく。


(さすがに一撃では死なないか『飛雷身』)


だが片目はつぶすことができた。だが


「……本格的にまずいな」


上から少しずつ砂が落ちてきている。


(合図はまだか?)


すると森の一部から白い炎が巻き上がる。


「待っていたよ!!」


即座に『飛雷身』を使い、近くに移動する。


「あとは逃げる!?」


出口が見えたと思ったら頭上から岩塊が落ちてきて出口を塞いだ。


「はぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

(ふざけんなーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!)


さらには霧も発生して視界も悪くなる。


ケッケッケッケ!!


この声がまるであざ笑っているかのように聞こえる。


「なぁ……いますんごく機嫌が悪いんだ」


ゲゲ?


「少し八つ当たりさせてもらうぞ」


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