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神罰槍バベル

まずはこの樹を起点に動くとしよう。


日が上がってきている方向を東と考えて動く。


ということでまずは東を探索する。






「うへぇ~~こりゃ気を付けて進まないとすぐに迷子になるなこりゃ」


森はまさに樹海と呼ぶべき場所だ。


自分の身長よりも高い木の根が道を邪魔し、ところどこにある鋭い草が皮膚を切りつけようとしてくる。


慣れない森の中を何とか進む。


「……何にもないな」


森の中なのに獣どころか虫すらいない。


すると


「っと!!」


足元から伸びてきた木の根を避ける。


他にも何本もの根や枝が襲い掛かってくる。


「これかよ!!」


他にも少し遠めの木々も蠢き、まるで檻のように囲ってくる。


「めんどくせ!!!」


亜空庫から槍を取り出そうとするのだが。


「やべ!?部屋に置きっぱなしだった!?」


他には何かないかと探る。


「少し長いけどこれを使うか」


取り出したのは二年前に攻略したダンジョンで見つけた『神罰槍バベル』。


「さてじゃあどんな力を発揮するのかな!!」


構えると手から槍に向けて魔力を流す。


すると


“汝、神秘の十六番目たる、『塔』の契約者足りえるか”


頭に響いてくる。


そして強制的に魔力が吸い出されていく。


「おい!?このタイミングはまずいぞ!?」


ほぼ満タンだった魔力がすごい勢いで減っていくのがわかる。


「無駄に使わせやがって!!!」


今度は亜空庫からマナエリクサーを取り出す。


一口飲めばほぼ満タンになり、またすぐさま槍に魔力が吸われて、また残っているマナエリクサーを飲み回復し、またすぐに槍に吸われる。


「っ!やることが多すぎだ!!!!」


襲ってくる枝や木の根を回避しながら、バベルで切断して、魔力が枯渇しそうになると咥えているマナエリクサーを一口飲み、また枝を対処する。


それらを何度も繰り返していると次第に槍が魔力を吸わなくなった。


“汝に我が神秘の欠片を与える資格を見た”


そして槍の形が変わる。


“破壊、破滅、崩壊、災害を引き起こす『塔』の神秘(アルカナ)、汝との契約を遂行する”


槍は斧槍(ハルバート)の形を取る。


そして俺の体にも変化があった。


両肩から腕にかけて紋様が刻まれたのだ。


“さぁ汝よ、その神秘を使いこなせ”


この言葉を最後に頭に響く声が無くなった。


「使いこなせってどう使いこなせばいいんだよ!!!」


するとバベルが淡く輝くと不思議と情報が入ってくる。


「『飛雷身』!!」


俺を突き刺そうとしてくる枝を限られた範囲で避けながら読み取る。


―――

【XVI:塔】


『神罰』

『怒リノ鉄槌』

『聖ナル炎雷』

『慈悲ノ聖光』

―――


このような情報が頭に入ってくる。


とりあえず本能から最も行ってはいけないと叫んでいる『神罰』を使ってみる。


「……は―――――」


天から極大な光が俺を飲み込む。












「え?あれは何?」


私は聖樹の森で起きている不思議な現象を確認している。


天空から光の柱が森の一部に降り注いでいる。


「すぐに皆に知らせなくちゃ」


異常事態を伝えに行く。










「いや、少し前の俺、何でこれを使った?」


光が収まると自分の周囲は土以外のすべてが無くなっていた。


「使いどころを考えないとな」


これではフレンドリーファイアーをしてしまうだろう。


………とりあえず今日は帰るか。


最初の樹の場所に戻るとハンモックを設置する。


「にしてもな」


形の変わったバベルを見る。


―――――

神罰斧槍バベル

★×8


【XVI:塔】【最適化】【紋様収納】【所有者固定】


アルカナシリーズの一つ。神からの聖なる力を受け止める神の家の一部を使用し、神の力の一端を得た槍。その力は破壊、破滅、崩壊、災害を容易に引き起こす。今は所有者が認められており安定している

―――――


おそらく形が変わったのは【最適化】によるものだろう。


斧槍(ハルバート)になっただけではなく長さも俺にちょうど良くなった。


「【紋様収納】ってのは何だ?」


そうつぶやくと手に中にあったバベルが消えてなくなる。


「は?」


そして同時に手の甲に紋様が浮かび上がる。


「……【紋様収納】」


今度は手の中にバベルが収まる。


(へぇ~こいつは楽だな)


亜空庫すら使わずに武器を取り出せるのはとても楽だ。


(にしてもこのままだと食料もなくなっていく、どこかで調達できればいいんだが)


今あるのは亜空庫に入っていた食料だけで、量は軽く見積もって約十日分。


(次は西に行ってみるか)

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