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素材はいいんだから鍛えれば使い物になる

「なるほどな」


両親が子供を売ったってのはあくまで噂だよな?


それに売った先が教会って……。


「それって「リン」……」


思わず言ってしまいそうになるリンを止める。


「で、俺たちはどうなるんだ?」


カルスは反抗心剥き出しの目でこちらを見てくる。


少し考える。


「……………そうだな、衛兵に突き出されたくなければ付いてこい」


とりあえず場所を変えるとしよう。






戸惑う三人を引き連れて俺は寄宿舎に戻ってきた。


「さて、お前たちには3つの道がある」


指を一つ立てる。


「一つは大人しく衛兵に自首する。お前が子供のことを配慮すればそれほど罪は重くならないだろう」

「……どれくらいになるの?」

「そうだな、大人になるまで雑用を強制的に行わされる」


代わりに飯や寝床は用意されるが、詳しくは知らん。


「そして二つ目、教会に素直に戻るだ。いまならカリナでも戻ることができるように取り計らってやるが?」


おそらく二人の母親は自分が殺されることを悟って二人を教会に預けようとしたのではないだろうか。


「いやだ!売られた場所には戻りたくない!!」


カルスはそう言い、強く反発する。


まぁ今は訂正しない。


「最後に俺の元に来るかだ」

「はい?」

「え?」

「???」


三者三様の反応を見せる。


「俺の元に来ればこの家での生活することができ、ご飯も満足に食べることができるぞ?」

「「「………」」」


三人は実感できないようだ。


「まぁ、とりあえず数日過ごしてみてから決めろ」


ということで三人を空いている部屋に泊まらせることにした。









それから数日が経つ。


「はぁ!」

「今のはいい振りです」


朝早くから庭ではリンが三人に剣の振り方を教えている。


「ふぁ~~~」


朝からようやるよ。


「あ、バアル様、おはようございます」


ノエルが俺に気づき挨拶をしてくる。


「おう、おはよう」

「バアル様、もう少しで終わるので少々お待ちください」

「わかった、その間に顔でも洗ってくるよ」


水場で顔を洗い家に入るとすでに三人が台所に立ち料理を始めていた。


「もう少しでできますので座って待っていてください」

「あいあい」


テーブルに座ると既にカルスが座っている。


「おはようございます、バアル様」

「おはよう」


三人の反応からわかる通り、三人は俺の元に来ることを選んだのだ。


「にしても、最近料理がどんどん豪勢になっていくな」


昨日の夕食はフルコースだったぞ。


「人手が増えたので短時間で作れるものが広がりましたからね」


リンが料理を持って席に座った。


「にしても凝りすぎだろう」


現に今並べられている料理は朝食には豪勢すぎる。


「まずいわけではないのでいいじゃないですか」


まぁその通りだな。


食事が終わると、俺は学校に向かう準備をする。


「そういえばカルスの方はどうだ?」

「問題ない、先生方も良くしてくれる」


カルスたち三人は現在、ルナに戦闘訓練などを習っている。


「あいつたまにポンコツになるから注意しろよ」

「あはは………昨日もやらかしていましたよ」


やっぱりそうなのか……


「あいつのあそこだけは見習うなよ」


それだけが不安でならないのだ。


三人をルナに任せたのはユニークスキルを制御させるためだ。


現在はカルス、ノエルは発動だけかろうじてできるだけで制御はからっきしだ。


カリンに関しては発動すらできていない。


「まぁ気長にやればいいさ」


ユニークスキル持ちなら必ず使い物になるだろう。

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