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不完全燃焼

「フム、君は本当に(ヒューマン)かな?」

「少なくとも、お前よりは人に近いはずだよ」


高速で動く視界に奴を捕らえながら会話をする。


「いや、ワガハイが言うものなんだが、人とはこんなことできたであるか?」


奴は無くなった左腕を見る。


「悪魔ってのは軟だな、全力で殴っただけでそんなになるんだからな」


ユニークスキルを発動してお互いに全力で殴り合うと奴の腕が吹っ飛んだのだ。


「『雷霆槍(ケラノウス)』」

「闇よ、すべてを飲み込め『闇呑み(ダークスワロウ)』」


発動した槍が奴の手に集まった闇に突き刺さり、闇に飲み込まれる。


「ちっ、その魔法めんどくさすぎるぞ」

「お褒めにあずかり光栄であるよ」

「褒めてねえよ」


『飛雷身』、『パワークラッシュ』


奴の真横に移動して槍を振るう。


「う~む、痛いであるな」


残っている右腕の爪で防がれるが、衝撃で地面に激突する。


「本当に異常であるな、怨念よ引きずり込むのである『怨念の掴み手(ゴーストハンド)』」


奴の体からにじみ出た闇が地面に広がり、そこから無数の手が迫ってくる。


「こんなもんでどうこうできると思ってないよな!!」


放電(スパーク)』!!


近づいてくる無数の手を総て焼き払う。


「やっぱり、人をやめているのであるな」

「フッ!!」


奴がしゃべっている隙に『飛雷身』で移動して『パワークラッシュ』を叩きこむ。


すると持っていた短槍が奴の体にめり込み、体から無数の手が迫ってくる。


すぐさま短槍を離し距離を取る。


「…うまくやったと思ったのであるが」


少し離れた木の陰から奴が現れる。


「どうやらすべてが身代わりってわけでもないんだな」


奴の左腕が消失していることから、おそらく『怨念の掴み手(ゴーストハンド)』で視界から外れた時に偽物を作り罠を張ったのだろう。


まぁあれも本物であるという保証はどこにもないが。


「ん~~ん?………どうやら少し不利になったであるな」

「不利?」


何のことだ?


「じゃあワガハイはこれにて退散させてもらうである」


すると奴の足元から闇が広がり周囲を飲み込んで行く。


「っ、逃げんのか!?」


ここまで来て逃げるのかよ!!


「ワガハイも死にたくはないのであるから」


広がった闇は次第に奴を中心に球の形を取る。


「逃げんな!!『雷霆槍(ケラノウス)』『雷霆槍(ケラノウス)』『雷霆槍(ケラノウス)』」


何度も攻撃するが『闇呑み(ダークスワロウ)』のように刺さったら徐々に飲み込まれていく。


そして闇が霧散するとそこには何もいない。


「っち、せっかく楽しくなってきたのにお預けかよ………ふぅ~~~」


ユニークスキルを解く。


全力でユニークスキルを使うと気分が高揚し、戦闘が楽しくなってしまう。


それこそ人格が変わったぐらいに。


「バアル様!?」

「ん?リンか」


どうやら不利になったというのは、リンが来て数の優位が傾いたからだろう。


「さっきのは」

「ああ、悪魔(デーモン)だ」

「……悪魔召喚もされたので?」


リンには俺が(キラで)魔物発生促進剤を使ったのを知っている。


だから悪魔召喚すらしたのかと問うてきているのだ。


「な訳あるか、既に存在している悪魔だった」

「よかったです、バアル様もそこまで手を染められてない様子で」


疑ってたのかよ。


「それより取り残された奴らは?」

「こちらに来る際に5人と合流、なにやら強敵と戦っていたようで消耗していたので私が救出した3人に護衛を任せてこちらに来ました」

「その3人は実力はあるのか?」

「ええ、曲がりなりにも貴族らしいので多少の戦闘訓練はしているでしょう」


それなら問題ないだろう。


「ほかにも近くに救助の騎士が来ていたようなので、無事合流できると思います」


どうやら足具で近くに騎士がいるのを把握していたらしい。


「はぁ~それじゃあ俺たちも戻るぞ」

「はい」


こうして学園初めての行事は無事?幕を閉じた。

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