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救援と再び援護

『嵐撃』



女性の声と共に横に伸びた台風が魔物の群れを飲み込む。


『風迅』


次に聞こえた声で後ろに一人の女性が現れる。


「見えなかった……」


現れたのは珍しい黒髪の女性だ。


「……バアル様はいないみたいですね」

「危ない!!」


何やら探している少女の死角から魔物が襲い掛かるのだが。


「邪魔です」


その声と共に魔物が切り刻まれる。


「さて、お話を聞きたいのですが、周りが邪魔ですね」


そう言いうと姿が消えた。


「…え?」


見渡してみると魔物の後ろに移動している。


「いつの間に!?」


すると刀すら抜いていないのに周囲の魔物が先ほどのように切り刻まれていく。


またすぐに消えたと思うと違う場所に移動して魔物が切り刻まれる。


それを何度か繰り返すとすべての魔物が切り裂かれた。


「さてこれで話が聞けますね」


そういうと何があったかを説明することになった。








「そうですか………では私がキャンプ場まで護衛します」


僕たちがバアル様から離れたことを伝えると彼女はそう言った。


「でも、あの貴族様は……」

「バアル様なら問題ありません」


彼女の目には絶対の信頼があった。


「でもなんでバアル……様は追いかけてこないんだ?」


オルドはバアル様がこっちに来れないことを不審がっている。


「おそらく、未だ戦っているのでしょう」


リンさんはそう断言する。


「ならば、助けに」

「行くだけ無駄ですよ」


とても従者とは思えないセリフだ。


「ですがもし危険な状況に陥っていたら」

「陥っていても、私たちが行くだけで覆る状況ならあの人にとっては窮地とは言えないでしょう」

「でも……」

「わかりました、ではお三方にあなたたちを任せます、いいですか?」

「「「わかりました、リン様!!!」」」


魔物を倒し終わった後、同じ班の三人が合流するのだがキャンプの時とは態度が変わっている。


「では私はバアル様の元へ向かいますので、あとをよろしくお願いします」

「はい、もちろんです!!」

「五人には指一本触れさせません!!」

「大船に乗ったつもりでお任せください!!」


本当に何があったんだろう……


それから余力がある三人に守ってもらいながら先生がいるキャンプ場まで移動した。













(まだ、戦っていますね……)


足に嵌めた『土知りの足具』で振動が響いているのがわかる。


(にしてもバアル様がここまで手こずる相手ですか)


本気の模擬戦では一勝もできないくらい強いバアル様が何かに足止めを食らっている。


「………そろそろですか」


思考を止めて戦闘の跡地を通る。


樹は無残になぎ倒されて、地面には焼き焦げた跡がある。


(これはバアル様の力ですね)


他にも枯れ果てた草木が目に映る。


(こちらが相手側の能力ですか?)


二人に接触するまでにいくつもの情報を集める。


(おそらく闇属性の力、そしてバアル様の雷だと相手が使う闇を突破できてないのでしょう)


証拠に枯れ果てた草の中に焼き焦げた跡がない。


雷の性質上、弱いならともかく地面に焦げ跡を作る規模で放電したのなら周囲に何も影響を与えないというのはおかしいだろう。


それもとても燃えやすいであろう枯れ葉や萎びた草だとなおさらに。


ゴォオン!!


すると戦闘音が聞こえてくるほど距離に到着した。


そして戦っているバアル様の姿が見えた。


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