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長年付き添ってもらっていると隠し事ができない

そして教師たちのキャンプ場に付くのだが、そこには教師たちだけではなく騎士団の姿もあった。


(さすがだな、動きが早い)


騎士団の一部をいつでも動かせるように待機させていたのだろう。


ちなみに早馬を走らせれば小一時間で着くことができる、馬よりもステータスがある人物が走るとさらに早い。


「なぜ騎士様が……それも近衛の(かた)が」


教師は何が起こっているのかさっぱりわかっていないのだろう。


「それにお前たちもどうしたんだ?」


生徒がこんなに多く集まっているのが不思議でならないんだろう。


とりあえず俺が代表して現状を説明する。


「なるほど、森の奥で異変が起こったため戻ってきたわけですか」

「その話、詳しく聞かせてくれるか」


おや?


「久しぶりだな、ルドル」

「若もご健勝そうで何よりです」


こいつはルドル、グラスの右腕であり裏の騎士団の一員でもある。


故に俺のことをよく知っている。


「なぜここに?」

「いえ、騎士団に強い魔物がアクリズ森林に現れたと聞きましてね、近場なので急いで駆けつけてきたのですよ」


そういう(・・・)ことになっているのか。


「それでお話を聞かせてもらえますかな」


とりあえず話せる部分だけを伝える。


「なるほど、ありがとうございます」


そういうと今度は教師の方に話を聞きに行った。


(にしてもすこし情報を与えすぎたかな)


なにせルナに調査を命じて、それが見事的中、さらには正確な情報源は教えてはいない。


勘がいい奴は俺にも疑いを持つようになってしまうかもしれない。


(それでも証拠は残してないからな)


あくまで疑惑しか持てないだろう。


「バアル様、どうなっているのですか?」


リンは何が起こっているかは詳しくは理解できてないだろう。


「……少し離れるぞ」







話し声が聞こえない場所まで移動する。


「バアル様は今回の原因を知っていますね?」


疑問を投げかけているが言葉に確信を持っていた。


「ああ」

「話していただけますね?」

「………分かった」


リンには俺の知っているだけの情報を教えた。


俺が夜にキラとして活動していること、今回の依頼のこと、ルナに調べ物を頼んでここにたどり着くように仕向けたこと。


「―――これで全部だ」

「……つまりバアル様はこれから得られるであろう情報のために三人を売ったわけですね?」

「まぁそうだな………幻滅したか?」

「…………………もし貴方がルナを手配しなければ幻滅していたでしょうね、でも助けるためにルナを手配したのでしょう?」


もちろんだ、殺さずに済むならそっちの方がいい。


「まぁそれでも博打だったがな」

「それでも助けようと考えたわけですね?」

「死なれたら寝覚めが悪いからな」


俺が依頼されたのは誘引剤をあの三人の近くに撒くだけで、三人が助かっても何も問題ないのだからな。


「ただこれだけは言わしてもらいます」


リンは刀を抜くと俺の首に当てる。


「もし、主君が人として道を間違えた時は私が主君の間違いを正します」


つまりは非人道的なことをしたのならリンが制裁を下すわけか。


「わかった、だが俺は必要ならば容赦なく行う、だからその時は全力で相手をするよ」


そういうと刀が鞘に戻される。


「今のバアル様ならば私が手を下すことはまずないでしょうね」


どうやらリンは俺のことを信頼しているようだ。







キャンプの場所に戻るとその場は騒然としていた。


「あ、バアル君どこ行っていたの?!」

「ジルか、何かあったか?」

「うん、合宿は中断だって、みんな急いで馬車に乗り込んでいるところだよ」


ジルの後ろでは我先にと馬車に押しかけている。


「で、お前はアレに加わらないのか?」

「今は無理だね、みんな混乱していて出発すらまともにできないだろうね」


ジルはよく周囲の状況を観察できている、普通七歳だとパニックに陥るのが普通なのに。


「すまない、若、すこしよろしいですか」


なにやらルドルがやってきた。


「どうしたんだ?」


その表情は深刻そうだった。


「実は逃げ遅れたものが何人かいるようなのだ」

「………」


めんどくさいことになりやがったな。


「それで、若とリン殿の力を借りたいのだ」

「……騎士たちでは足りないのか?」

「足りない、ここに来たのも極少数だ」


全域を探しきれないから俺たちに頼るか。


「逃げ遅れたのは何人だ?」

「平民5名貴族3名の班が取り残されている、名前はアーク・ファラクス、ソフィア・テラナラス、カリナ・イシュタリナ、オルド・バーフール、――――――――」

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