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仕事の下調べ

教師に確認を取ってもらうと、この辺りで取れる食用の川魚だとわかった。


そしてまたキャンプの場所に戻る途中に周囲を警戒する。


(……この辺りなら問題ないだろう)


人目がないことを確認すると亜空庫を開き、魔導人形を取り出す。


(起動……『完全迷彩』)


人形を起動させると完全に見えないようにして俺の後をついてこさせる。


「バアル様、どうでした?」

「全部、問題ないってよ」

「ではこれで食料は問題ないですね」

「ああ、あとはリンがどれくらい持ってこれるかだ」


俺はナイフと籠の魚を取り出しさばき始める。


「バアル様、何をしているので?」


ニーアが何をしているのかわからず聞いてくるのだが。


「鱗を剥いで内臓を取り除くだけだよ」


さすがに下処理はしておいた方がいいだろう。


「こうすれば後々楽になるだろう?」


それより―――


「別に様付けする必要はない、あくまで俺は現嫡男というだけだ」


確かに嫡男ではあるが、それは明確にできる身分ではないため敬称を付ける必要がない、なにより


「今の俺は一介の生徒だ……まぁ貴族ではあるが。だから普通に呼べば問題ない」


生徒同士で距離を持つ会話は結構疲れるのだ。


「えっと、わかりましたバアルさ……君」

「ではこれからもよろしくお願いしますバアル」

「おう、よろしく」


ジルは未だに戸惑っているようだが、ニーアは物おじせずに呼び捨てにする。


魚の下処理が終わると、後はリンたちが戻ってくるのを待つだけなのでハンモックに横になる。


そして、眠るふりをして魔導人形『キラ』を動かす。


(動けるのはリンたちが戻って来るまでだな)


リンが戻ってきたら俺もそれなりの反応をしないといけなくなる、その時になると操作に集中できなくなる。


ということで早速動く。


(『ソナー』『サーモグラフィー』)


二つの機能を使い周囲の状況を確認する。


(この先に5人の反応がある……これは)


おそらくリンだろうから感知されないように迂回しながら移動する。


(リンの場合この状態でも気づいてしまうからな)


リンは感知用魔道具を付けているから『完全迷彩』でも気づかれる。


それから素早く森の現状を把握する。


(結構バラバラになっているな)


森に満遍(まんべん)なく広がっている。


それでも安全とされている範囲内に全員いる。


(目的の班は………あれか)


あの三人がいる班を見つけた。


(あの三人にナンパの時にいたあの少女……たしかソフィア・テラナラスだったか)


それとほかの男女4人がいる。


(どうやらあの3人は貴族クラスみたいだな)


貴族の3人はあの5人と少し距離を離してテントを立てている。


(……この場所はちょうどいいな)


この八人がいる場所は森の一番奥の方なのだ。


(これなら簡単に済みそうだな)


そのまま見つからない場所に隠れて、夜までやり過ごす。







人形を隠すとリンが近づいてきている気配がする。


「バアル様、果実や野菜を収穫してきました」

「ああ」

「……何かしていますね?」


さすがリン、俺が人形を操作していることに気づいているな。


「それよりこの後はどうするんだ?」

「……食料の確保が終わったのでご飯まで各自は自由にしようかと」

「わかった」


ということでそれぞれが自由に行動する。


俺はそのままハンモックで寝ることにした。


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