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保険として手配するとしよう

(これから裏の情報が手に入りやすくなるのと三人の平民の命、取るなら裏の情報だが………)


損得を考えるとアズバン家と繋がりを持った方がいいと考えるのだが。


(とりあえず騒ぎが起こっても何とかできるようにしておかないとな)



ということで学校が終わるとリンを伴ってとある場所に来る。



「バアル様…ここは?」


やってきたのはごく普通の食堂だ。


「まぁ見ていろ」


中に入ると、客は誰もいない。


「寂れていますね…」


唯一店主が椅子に座って作業をしている。


「まだ空いてな―――なんだ若様か」

「久しぶりだな店主」


ここは裏の騎士団の拠点だ、表向きはただの大衆料理店だが特定の人物は裏に通される。


「と、今回は何用で?」

「実は面白い情報を手に入れてな、それの確認のために数名貸してほしいんだ」

「となりますと」


店主は裏に行き人を呼んでくる。


「ザガさん、お話ってなんですか?」


出てきたのは見慣れた藍色の髪の女性、ルナだ


「おい、こいつしかいないのか?」

「ええ、今はこいつしかフリーなのはいないのです」

「…よろしく、ルナ」

「なんで!こんなに微妙な反応なの!?」


いやだってな……。


こんな(・・・)でも実力はあるから」

「店長!?」

「まぁ、こんな(・・・)でも実力があるのは分かっているんだけどな」

「若!?」

「ええ、ルナは少しドジ()ですけど、実力はありますよね」

「リンも!?」


全員が頷く。


「皆さんひどいです!」


そういいながら裏に戻ろうとするが、(つまず)き洗う前の皿の場所に突っ込んでいく。


「うう~~」


怪我はないようだが体中に残飯の汚れがついて酷い状態になっている。


「あ~、とりあえず裏の井戸で汚れを落としてこい」

「あい~」


と、こんな感じで結構な頻度でドジを踏むのだ。


「本当にあれ以外いないのか?」

「残念ながら」


俺と店主は共に溜息を吐く。


「いないなら仕方ないか、じゃあ、あいつを借りるぞ」

「ええ、どうぞどうぞ」


ということで遺憾ながら今回は彼女を借りることになった。









「で、私は何をすればいいんですか?」


少し離れた店で話し合う。


「少し調べてもらいたい事があってな」

「何をですか?、まさか他国の極秘情報とか!?」

「……んなもん、お前(バカ)が盗ってこれるわけないだろう」

「やってみなくちゃ分からないじゃないですか!!」


めんどくせ。


「とりあえず指示はこっちから出すから余計な真似はするなよ」


ということで一つの指示をルナに出す。











さてさてこれで少しは騒ぎに対処しやすくなるかな。


リンと共に寄宿舎に戻るのだが。


「そういえばイドラ商会から手紙が届いていました」

「どれ…リン、一度イドラ商会に行くぞ」

「わかりました」


イドラ商会王都支店に到着する。


「お待ちしておりました、ご要望された品はすべて揃っておりますよ」


付くなり俺たちは倉庫に案内されて道具一式を渡される。


「あの…これは?」


リンは渡された荷物を見て不思議そうに首をかしげる。


「ほら以前リンに渡されたリストがあっただろ?それを参考に荷物をイドラ商会に手配しておいたんだ」


荷物の中身を開いてみるとリストに書いてあるものは一通り入っている。


「これをもっていけば他にはいらないだろう」


ということで荷物を亜空庫に仕舞い今度こそ寄宿舎に帰る。

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