闇組織での最初の仕事
夜、久しぶりに組織の場所に顔を出す。
「お久しぶりです、総督」
「よう、アルガ調子はどうだい」
「問題ないです、組織の上の部分だけを挿げ替えただけなので上納金もすんなりと入ってきますしね」
「いくらぐらい?」
アルガは引き出しから一つの書類を取り出す。
「本日だけでも端数を切り捨てても金貨10枚ほどですね」
「ヒュ~」
結構な大金だな。
ちなみにお金の価値観だが銅貨が約100円ほどだ。それで銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨は一桁ずつ繰り上がっていく。
なので1000万ぐらいの金が入ったことになる。
「で、俺は動く必要はあるか?」
「今のところはないですね………………ああ、そういえばアズバン家の嫡男が呼んでいましたよ」
その後、段取りをアルガに任せて今日は戻る。
次の日の夜。
「できれば明日か明後日にアズバン家が接触したいそうです」
「じゃあ、明日にでも段取りを頼む」
「わかりました」
とゆうことで次の日の夜、アズバン家と接触する。
「よく来たな」
指定された部屋に入るとすでにニゼルが待っている。
「早速で悪いが今回の要件は」
以前のように指定された、とある馬車を襲えとかじゃないだろうな?
「グロウス学園で林間合宿があるのは知ってるか?」
「……ああ」
「その林間学校ではたまにだが犠牲者が出るようなんだ」
そういうと黒い笑顔を浮かべる。
「……はっきり言ってくれ」
「その林間学校でとある三人を消してほしい」
翌朝。
(めんどくさい話になったな)
昨日のことを考えながら学校に向かう。
『その林間学校でとある三人を消してほしい』
『その三人とは?』
『平民のアーク・ファラクス、同じく平民のオルド・バーフール、そして最後にカリナ・イシュタリナだ』
『(そいつらは俺が介入した決闘の3人だな)……なぜだか聞いていいか?』
『……殺す依頼を受けてくれたら話そう』
『残念だがゼブルス家と衝突するリスクがある限り依頼は受けられない』
そう言って断ろうとしたのだが。
『別にお前が出向いて殺せと言っているのではないのだぞ?』
『……どういうことだ?』
『林間合宿では学校の教師が周囲の危険な魔物をあらかじめ刈り取るとされている』
『それで?』
『そのあとは学生だけに森の中で2泊3日キャンプをさせる………その間、強い魔物は発生しないとされている』
なんとなく言いたい事は分かった。
『つまりは生徒では手が付けられない魔物を誘導すればいいのか』
『そんな不確かなやり方では微妙だ』
すると机の上に袋が置かれる。
『これは?』
『エスカリゴケから抽出した魔物誘引剤だ』
『…禁忌品か』
これはエスカリゴケという魔物を誘引する苔から、魔物誘引する成分を取り出し凝縮させた薬だ。
これを使えば急速に強い魔物を呼び寄せることができる。
『これを使えと?』
『そうだ』
『…………』
『これを三人のキャンプ場の近くで火にくべればいいだけだ』
『………………わかったが、近くにゼブルスがいるならば少し離れた場所に焚くがいいな?』
『しかたない、それが契約だからな』
ということで合宿中に三人を殺す手はずを整える必要がある。




