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この文化での革命は

「そういえば、今年の入学生はユニークスキル持ちが多いそうだな?」

「…そうですね、バアル様含めて清めの時の3人、それと知りうる限りでは5人のユニークスキル持ちがいますね」

「異常だな…」


明らかに多すぎる。


(まるで何かしらの存在が裏で糸を引いてるような…………)







「それとですね、バアル様に報告があります」

「どうした?」

「実は他国の知り合いから、少し奇妙な知らせが来まして」


ここで言う知り合いは他国のスパイのことだ。


「…どんな?」

「なんでも革命が起こり王侯貴族が処刑されたそうです」

「……その国は封建制の国なんだよな?」

「その通りです」

「……革命を起こしたのは平民か?」

「伝聞では」


そいつら馬鹿なのか?ろくに発達してない国で下手な革命は命取りになるぞ?


「…それでなのですが、なんと先頭に立っているのが7歳の子供という話です」

「それもユニークスキル持ちか?」


ルナは頷く。


(不気味だ不気味すぎる)

「それでですね、また支援を頼むと思います」

「今回の件でか?」

「はい」


どうやら諜報部は念入りに調べるようだな。


「わかった、リスト作って屋敷に届けてくれ、数日中には返信する」

「わかりました」
















今日もサボろうとしたのだが合同授業ということなので参加する。


「では今から合同訓練を行う」


やたらに暑苦しい教師が数人大勢の前に並び立つ。


「まず、この合同武術授業に関しては特待生、貴族、平民関係なく指導していく」


すると貴族連中が嫌な顔をしている。


(平民嫌いの貴族はかなりいるな)


俺を除いてほとんどの貴族が顔をしかめている。


「ではまずは得意な武器に分かれてもらう、得意な武器を持っている先生のところに集まってくれ」


六人の先生がそれぞれ立ち並んでいる。


「もし得意武器が解らないもしくは武器をまだ持ったことがない奴は俺のところに集まるんだ」


生徒はそれぞれ得意な武器の先生の元に集まる。


「リンはどうする?」


俺は槍を持っている先生の場所へ行こうとするのだが。


「バアル様の護衛ですので槍を選ぼうかと」

「学園内ではお前も生徒だ、なら自分の学びたいところに行け」

「…わかりました」


リンは刀を持っている先生のもとへと向かう。








「俺は槍術担当のカイルという、よろしく頼む」


槍担当の指導員はカイルという男だ。


「ではまずそれぞれの槍術のレベルを教えてくれ」


生徒は指名された順に自分のスキルレベルを伝える。


「で、君は」

「俺は36だ」


俺の斧槍術はこの二年で36まで上がった。


「ほぅ、その年で30越えかそれはすごいな」


ほとんどが10前後なのに対して、俺は30越えそれも上位スキルでだ。


「ではまずは構え方から教える」


まずは基本の構えから―――――





それからの訓練なのだが、すでに習ったものばかりでこれもありがたみがなかった。


(リンの方はどうだろう)


俺は刀術の方を見てみると、リンもつまらなそうな顔をしている。


「では次に(アーツ)について教えよう」


……(アーツ)か。


「それぞれの武器スキルが伸びると(アーツ)というものが使えるようになる、こんな風に『スイング』」


カイルが『スイング』と唱えると槍が薄く輝く。


「ふん」


そして地面にたたきつけると地面に軽くひびが入る。


「ほかにも『エンチャントフレイム』」


今度は槍の穂先が炎に包まれる。


「このように様々な効果を出すことができるのが(アーツ)だ」

「それはどのように使うのですか?」


一人の生徒から声が上がる。


「それは簡単だ、まずは自分の魔力を体に纏わせる」


カイルはわかりやすく体に魔力を纏わせる。


「そのあとはスキルの(アーツ)をイメージする、すると」


カイルは先ほどと同じように槍が薄く輝く。


「ここで一つ注意点がある、体の流れに決して逆らわないことだ」

「流れに?」

「そうだな…」


カイルはしゃがみ、石を掴むと少年のほうに放り投げた。


「っと………?」

「今、その石を掴もうとして掴んだかい?」


その言葉で理解できただろう。


「石を掴むとき手を伸ばして取ろうと考えたか?どの角度で取ろうと考えたか?両手でつかもうと考えたか?」


つまりはできると、頭ではなく体が覚えている状態になるわけだ。


「この中で槍術がレベル5を超えた奴は居るか?」


するとちらほら手が上がる。


「じゃあそいつらは、今教えた通り体に魔力を流してから『スイング』を試してみろ」


だが誰も発動しない。


「ああ、言い忘れていた最初は『スイング』と自分に言い聞かせるようにつぶやきながらやってみるといいぞ」


「「「「「『スイング』」」」」


するとつぶやいた人たちは全員、槍が本当に薄くだが輝いた。


「おめでとう、それが(アーツ)だ。詳しく説明すると『スイング』とは打撃として扱う(アーツ)で、刃の部分でも使っていいがそのほかの部分で使っても効果は出るからな」


するとカイルは俺の方に視線を向ける。


「君はしないのかい?」


俺は肩をすくめて『パワークラッシュ』を発動する。


『スイング』じゃないだって?仕方ない俺は槍術のときに『スイング』から『パワースイング』さらに『クラッシュ』に、それから斧槍術に変化すると『パワークラッシュ』に変化していったのだ。


「おお、君はスムーズにできるんだな」


すると周囲は俺の様子をよく観察している。


「ん?ああ、ちなみにだが(アーツ)は慣れれば声に出さなくても発動できるようになるぞ」


あくまでも声を出すのは意識しやすくするためだからな、慣れれば考えながらでも発動することができる。


「では次に―――」


それから再び槍の基礎訓練に移る。


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