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ありきたりな出会い

学校をさぼり、以前来たことがある骨董店メルカに来ていた。


「いらっしゃい、今日はどうしたんだい」

「特にこれといった用ではない、ただの暇つぶしだ」


あの婆さんは相変わらず椅子に座ったまま動いてない。


「そうかいそうかい、そういや聞いたんだがグロウス学園に入学したそうじゃな?」

「噂にでもなっているのか?」

「ああ、今年はユニークスキル持ちが多く入学したと聞いたからのう」


話を聞くと普通は数年に一人ほどだ。


「それに平民からも数人ユニークスキル持ちが出た、とも噂になっているぞ」

「……それは本当か?」


それが本当ならかなりの多さだぞ。


(俺、両殿下、ユリア嬢、それ以外でも二人以上のユニークスキル持ち…)


リンは他国生まれなので中に入れないが異常な多さだ。


「まぁこれが平和の表れか、はたまた争いの予兆か」

「……」


嫌な予感がするな、それは。


「貴重な情報感謝する」

「いいんじゃよ、それとたまにだが顔を出してくれんかの?一人じゃ寂しくての」

「……気が向いたらな」


こうして俺は店を出る。


「なんというか不思議な御仁でしたね」

「ああ、年よりの言葉は金よりも価値があるからな」


前世でも年寄りの知恵は役に立ったからな。


「……ん?あの集まりは何だ?」

「なんでしょうか」


道を進んでいると騒ぎがおきているのが見える。


俺たちは騒ぎを一望できるところに移動した。


「何やら女性とそれをかばっている少年、敵対している3人の少年ですね……しかも」

「ああ、俺らと同じ制服だな」


騒ぎを起こしているのは全員グロウス学園の生徒だ。


俺たちは耳を澄ます。


『なにをするんだ!?』

『教育だよ、お前らみたいな平民が特待生になったんだ、貴族の道理ってのを教えておこうと思ってな』



「典型的な馬鹿貴族か」

「ええ、どうやら特待生に平民がいるのが気に食わないのでしょう」



『そんなもの頼んだ覚えはない!』

『うるさいな、とりあえず食らえ!』



すると三人のうちの一人が殴り掛かるのだが。


武術を習っている動きでなく平民の彼に簡単に躱される。


『くっこの!』


「貴族が失態さらすなよ…」

「では止めに入られては?」

「嫌だよめんどくさい」


『お前たちも手を貸せ!』

『『おう』』


てことで二人が加勢に加わった。


だけど


『お、お前の顔は覚えたからな!!!』


三人はボコボコにやられて帰っていった。


『大丈夫かい?』

『あ、ありがとうございます』

『いいよ、困ったときはお互い様だからね、あ、僕の名前はアーク、見ての通りグロウス学園の生徒だよ』


「いいですね~~」

(なんか定番な展開だな)


リンはあの物語のようなやり取りを見ている、だが俺は定番すぎて逆にうさん臭く思う。


(あの男がすべて仕組んだわけじゃないんだよな?)


三人を少女の方に方に誘導していいタイミングで介入して自分の好感度を上げる………とか?


『たしか…ソフィアさんでしたっけ同じ特待生の?』

『はい、ソフィア・テラナラスといいます。貴方はアーク・ファラクスですよね?』

『知っているの?』

『ええ、平民で特待生、それもユニークスキル持ちですから結構有名ですよ』


「あいつがそうなのか」

「そのようですね」


それから少女は少年アークにお礼をしてこの騒ぎは終了した。


「さてと少し詳しい話を聞きに行くか」


俺は解散していく中に入り一人の女性の腕を掴む。


「よう、少し話を聞かせてもらえるかな」

「っ…なんだ若様ですか」

「先ほどの顛末を聞きたいんだいいか?」


ということで近場のカフェに移動してはなしを聞く。


「でルナ(・・)、あの場で何が起こっていたんだ?」


俺は藍色の髪をした女性に説明を求める。


「う~~今日は休暇だったのに…」


こいつを覚えているだろうか、こいつは魔道具事件で俺を拉致しようと潜入してきたあの女だ。


「それよりさっさと話せ」

「……事の発端はナンパです」

「ナンパしてあの少女が嫌がっているところにあの少年が現れ、少女を守ったのか?」

「……その通りです、よくわかりましたね」


今時のアニメでもそんな露骨な出会いを使わないぞ。


「…まぁどうでもいいが」


実際に関わることなどないだろう。

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