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締まらない最後

※この度再投稿することにいたしました。もしこの作品のブックマーク、評価してくださっている皆様はもしよろしければ再投稿先でもお願いいたします。


変更点などはあらすじに記載しておりますので、参照ください。


再投稿先はこちらのURLとなります。

https://ncode.syosetu.com/n5978gw/

「おし、ここはもう問題ない」


あらかたの魔蟲の集団を潰すと趨勢は決する。


となるとこの(天龍顕現)は意味をなさなくなり、むしろ邪魔なだけだ。


「おい、ファルコが砂漠まで案内する、ついて行ってくれ」

『了解だ』


ファルコの先導の元、西の砂漠に向かう。










最後の森を超えると砂漠が見えてくる。


「ここなら問題ない」


砂漠のど真ん中まで来ると、西には海、東には森が視界の隅に見える。


「ほら、さっさとその目立つ図体を何とかしろ」

『はいはい』


ここで一つ思いつく。


(イピリア、この体でできる最大限の攻撃ってなんだ?)

『ん?それは『龍災・天』じゃな』


念話と共にどんな技なのかを教えられる。


せっかく何してもいい土地なんだ、どこまでできるか試してみることにした。


『ただ言っておくがこの技は――』





『龍災・天』


(アーツ)を発動した瞬間、視界が暗くなる。









バサバサバサ


「おい!!バカ!!何やってんだ!?」


いつの間にか両腕を掴まれ飛んでいる。


(あれ……………俺何していたんだっけ?)


『龍災・天』を使用しようとしたところまでは覚えている。


(確か急に力が抜けて、光で目を潰されて………そこからがわからん)

『バカモーーン!!』


イピリアが特大の念話が聞こえてくる。


『真下を見てみい!!』

(真下?)


下を見てみると直径数百メートルはありそうなクレーターが見える。


「……あれを俺が?」


規模だけで言えば『神罰』の数十倍の威力がありそうだ。


「記憶がないのと、なんか体が痛いのはなんでだ?」

『そりゃそうじゃろ、『龍災・天』は、すべての雷を一度魔力に変換し、全魔力を持って雷撃を放つ技なのじゃから』

「つまり、これは魔力欠乏症か…………」


MPが0になった状態で魔力を無理に使用しようとするとなる症状だ。具体的には体のあちこちの痛み、強制的な脱力感、眠気、ステータスの低下といった症状が出てくる。


『それだけならまだよかったぞ、お主は生命力を無理やり魔力に変換しておったぞ』

「よく無事だったな」


下手すれば死ぬような手段を無意識にでも取っていたことに恐怖を覚える。


『それにこの雷はただの雷ではなく『龍雷』だからな、どんな奴らでも防げんよ』

(また新しい言葉(ワード)が出てきたな)


『龍雷』について聞こうと思ったが、疲れすぎて頭が回らない。


「ファルコ、すまんがこのままレオンのところまで運んでくれ」

「いろいろといいたいことはあるが、わかった」


ファルコは何も言わずにレオンのもとに運んでくれる。


(これで魔蟲との戦いは終わる、あとはフィルクとクメニギスか……だめだ、眠い…………)


今後のことを考えようとするのだが、その前に眠気が襲ってくる。


「すまんが少し寝る」

「わかった」


ファルコに了解を取ると、吊るされながら眠りにつく。















「……ほらこれでいいぞ」


ティタに抗体を打ち込んでもらう。


「これで死んだら元も子もないな、にしても騒がしいな」


グファの里では大規模な宴が催されており、平気な奴らは各々酒を楽しみ、力自慢をし、食い倒れている。


そして俺とティタはそれに参加はしておらず、今は治療する建物にいる。


その理由だが……


「お、俺たちも」

「い、かせろ」

「おう、ぼうだ」

「そうだ、こんな祝い時、なのに」


部屋から這いずるように獣人が出てくる。


当然全身に包帯やら薬草やらを張られた重傷者だ。しかも大勢。


(【王】は倒せたけど損害がなかったわけではないからな)


いくら【王】をなんとかしたと言っても戦術的には敗北だった、損害もそれなりに出ている。


内容は損害にしては死傷者が1000人ほど、けが人となるとその何倍もいた。


もちろん『慈悲ノ聖光』であらかた治療したが、俺の魔力が足りず、治療できてない者も大勢存在している。


「ちくしょう、これならもっと大けがすればよかった」


一人がそんな声を漏らすのも無理はない。


重傷者から先に治療していった結果、致命傷を負ったやつらは治癒したし、軽傷の奴らは宴に加わっていて、中途半端に大きい傷を負ったやつらだけがここにいる。


これは不満も言いたくなるだろう。


「はぁ~ティタ」

「……わかっている、ん」


ティタは顔だけ蛇になると黄緑色の液体を出てきた全員に飛ばす。


「「「「「「!?」」」」」」


それに触れた者は痺れが全身に回り動けなくなる。


「じゃあ後は頼んだぞ」

「「「「は~い!!」」」」


ビューラの元で動いていた女性陣がせっせと痺れている連中を部屋まで運ぶ。


「……それじゃあ俺はエナの元に行く」


もう問題ないだろうと判断したティタはそれだけ言い残し、去って行った。


(リンとそっくりだな)


ティタはエナの元にずっといる、それこそ命に代えても守り抜くほどに。そして忠義で隠している気持ちもリンと似ている。


すると後ろから目隠しされる。


「だ~れだ~」

「何やっているんだレオネ?」

「もちろん~功労者をねぎりに」

「ねぎらいにじゃなくてか?」


俺は売り物じゃねぇぞ。


「ほらほら行こ!」

「そうだな」


レオネに引っ張られながら、宴の中に混じっていく。

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