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いや、誰だよ?

※この度再投稿することにいたしました。もしこの作品のブックマーク、評価してくださっている皆様はもしよろしければ再投稿先でもお願いいたします。


変更点などはあらすじに記載しておりますので、参照ください。


再投稿先はこちらのURLとなります。

https://ncode.syosetu.com/n5978gw/

「おい、この惨状どうするつもりだ、ああ゛?」


案の定、エナから文句が出てくる。


「…お前、こんなことできたのか」


ティタやほかのやつらは大半の水がなくなった湖に絶句している。


「お前ら、驚くのはいいがさっさと素材を回収してくれ」


俺はせっせと蜻蛉の死骸を集めているというのにほかのやつらは何しているんだって首をかしげている。


「そいつらはまずいぞ」

「いや、食うわけじゃないさ」


誘拐蜻蛉(アブダクトフライヤ)の甲殻の一部を剥ぎ取る。


カン!カン!


「なにせここまで軽いのにこんなに硬いんだ、何かの素材になるだろう」


スーパーの総菜パックのほどの大きさ、なのに重さは同じ、バベルでつつくと金属音がするぐらいだ。


(軽くて丈夫な素材、加工が難しそうなのがやや難点だが、それでも使い道はあるだろう)


どんなことに使えるかは分からないが、価値のありそうなのは確かだ。


「ということで手伝ってくれ」


素材に使い道があることを説明して、回収を手伝ってもらう。


「はぁ~了解だ、お前ら、そこら辺に散らばっている死骸を集めろ、量?全部だ全部、大丈夫なのかって?知るか、とりあえず集めればいいんだよ!!」


近くにいる獣人全員に手伝ってもらったが、すべて回収するのに2時間ほどかかった。


「お前らがいてよかったよ」

「嫌味かごら、というかほぼすべてをお前が倒したんじゃんかよ、俺たちのいる意味って」

「まぁなかったな」

「くそっ、わかっているから言うなよ」


愚痴をこぼすカイマンに真実を告げると、悔しそうに顔をゆがめる。


「それでこの後はどうすんだ?」

「一度グファの里に戻るつもりだ、まぁオレとしてもこのまま湿地の方に行ってもいいんだが」

「なら戻るべきだな」


これは一度拠点に戻る方がいいだろう。


なにせ魔力がもう1割を切っている、これ以上の派手な戦闘はできない。











すべての蜻蛉を回収し終えると拠点である、グファ氏族の里へと帰還する。


「「「「「うおぉぉおおおおおおおおおおお!!!」」」」」


広場に産卵女王大蜻蛉マザークイーンフライヤーの死骸を置くと拠点に残っている全員から歓声が上がる。


「しかし、あいつら(・・・・)に何か言われなければいいな」

「あいつら?」

「いやな、キクカ湖ってのはヨク氏族がよく使っている水場なんだよ」


ヨク氏族って、あの『飛翔石』の採掘場所がある氏族だという話だ。


「怒るかな?」

「……確実にな」


できれば『飛翔石』を採掘する関係で良好でありたいんだが。


「まぁ魔蟲のことは奴らも理解しているからそこまでは悪化しな……い、と思っておけ」

「そこは断言してくれよ」


エナとティタと別れて用意された寝床に戻るのだが。


「お帰り~」

「……だれ?」


日焼けした健康な肌を見せつけるようにしている露出の多い服、腰まで自由に伸ばした赤金色の髪にその頭上にある猫のような耳、腰から生えている同じ毛並みの尻尾、クラリスと同じくらい整った綺麗な顔、年齢もおそらく同じくらい、そんな少女がなぜだか、目の前にいる。


「私はレオネ!!」

「いや、名前を聞いているんじゃなくて、何でここにいるのか聞いているんだが?」


一応すぐに戦闘に入れるように警戒する。


「おや~警戒しなくてもいいよ~私はお礼を言いに来ただけだから」

「お礼?」


はて、彼女になんかした覚えはないんだが?


「ほら、昨日の夜に怪我人皆を治してくれたでしょ、私はそのうちの一人なのよ」


だからお礼か、なるほど。


「それならエナに言った方がいいと思うぞ」


なにせあの交渉が無ければ治すつもりなんてさらされなかったのだから。


「い~や、直してくれたのは君じゃん、ならお礼はちゃんと言うべき」


そう言うと顔を近づけてきて。


ペロ


なぜだか頬ををなめられた。


「あれ?普通の子なら照れるのに」

「……何しているんだ?」


しかも狙っての犯行かよ。


「何って私を意識させようと思って」

「……はぁ~」


なんか頭が痛くなって来た。


「礼は聞いたから、さっさと出てくれないか」

「え~私たちには見せられない何かをするつもり」


そう言うとニマニマと笑いそうな表情をする。


「ただ寝るだけだ、ほら、さっさと出てくれないか」

「なら私が添い寝してあげよっか」

「………………もういい」


そのまま横になる。


(やっぱ一気に魔力を使うと少しだるいな)


短時間で急激に魔力を使用すると少しだけ、けだるくなる。


ゴソゴソ


「…何しているんだ」

「私も寝ようと思って~」

「……俺の腕でか」


なぜだか俺の腕を掴み、それを枕にして横で寝ようとしている。


「いいじゃんいいじゃん、母さんたちなんて場所を競い合っているんだから」

「………」


もう何を言っても無駄だと理解した。


「にしても昼間っからこんな美人と昼寝とは贅沢だな~」

「俺の声に似せて言うな」


だが彼女の言う通り、今の時刻はまだ昼間といえば昼間だ。


(今回に関しては相性が抜群だったことが幸いしたな)


姿さえ見えているのなら、そこだけを刈り取れる。ましてや空にいるともなると、姿はより発見し易く、狩り易い。


おそらく戦場にいた場合は瞬時に大将の元に移動してその首を刈り取ることも可能だろう、もちろん見えていればという言葉がつくが。


(さっさと寝て、魔力回復に努めるか)


ということで真っ昼間から惰み…回復するために眠りに落ちる。

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